【事例693】脳性麻痺|障害基礎年金2級

脳性麻痺|障害基礎年金2級

対象者の基本データ

病名 脳性麻痺
性別 男性
支給額 年額 約78万円
障害の状態
  • 両下肢の筋力低下が顕著
  • 常時ではないが車椅子を使用している
  • 歩行には痛みを伴う為、自力歩行は数メートル程度
  • 身体障害者手帳1級
申請結果 障害基礎年金2級

 

ご相談までの経緯

出生時に脳性麻痺を発症し、動作の際に四肢の強張り、ぎこちなさがありました。

幼少期より不定期にリハビリを継続していましたが、徐々に症状は悪化。

歩行や立位保持にも困難をきたすようになり、移動には車椅子を利用するようになりました。

これまでは自立して歩行が出来ていた為、車椅子での生活となったことで日常生活だけでなく就労にも強い不安を憶えるようになりました。

そんな中、ネットで障害年金制度を知り、受給の可能性があるのかどうか当事務所にご相談いただきました。

 

申請結果

脳性麻痺は「受胎から4週間以内の新生児までの間に生じた、脳の非進行性病変に基づく永続的な、しかし変化しうる運動及び姿勢の異常であり、その症状が満2歳までに発現するもの」とされています。【厚生省脳性麻痺研究班より】

しかし、障害年金上 、脳性麻痺は先天性の障害に限られないとされており、知的障害のように初診日の証明を省略することは出来ません。

そのため、お手続きではまず初診日の証明となる受診状況等証明書の取得から始めます。

出生病院から順に受診歴の古い順に受診状況等証明書の作成が可能かどうか問い合わせていきます。

今回のご相談者様の場合は第2病院での受診歴が長かったこともあり、カルテが残っており、少なくとも20歳より前に脳性麻痺で医療機関に受診していることのわかる受診状況等証明書を取得することが出来ました。(ポイント①)

初診日証明が整ったため、診断書の作成依頼へと進めます。

診断書には申し立てる初診日を間違いなく反映していただき、事前にご本人様から病院へ障害年金申請の件をお伝えいただいていたこともあり、1週間程で作成していただくことが出来ました。

傷病の発病(出生)から現在までの経過について、病歴就労状況等申立書で詳述し、申請しました。

結果「障害基礎年金2級」として認定されました。

 

【ポイント1】20歳前傷病に係る初診日証明の緩和

2019年2月1日より20歳前傷病に関する初診日を証明する手続きが緩和されました。

これまでは障害認定日が20歳到達日以前であることが確認できた場合でも、出来る限り初診時の医療機関の証明により、初診日を特定する必要がありました。

しかし、この改正の取扱い後より、次の要件を満たしている場合には、初診日を具体的に特定しなくとも、審査の上、本人の申し立てた初診日が認められます。

  1. 2番目以降に受診した医療機関の受診日から、障害認定日が20歳到達日以前であることが確認できる場合
  2. その受診日前に厚生年金の加入期間がない場合

この取扱いは初診日が障害認定日の起算点となることと初診日時点での被保険者要件が明らかに確認出来れば、具体的に初診日が特定出来なくても障害年金の請求には影響しないため、このような取扱いがされたと考えられます。

 

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