【事例714】うつ病・注意欠陥多動性障害・自閉スペクトラム症|障害基礎年金2級

うつ病・ADHD・自閉スペクトラム症|障害基礎年金2級

対象者の基本データ

病名 自閉スペクトラム症
性別 女性
支給額 年額 約78万円
障害の状態
  • B型事業所にて就労中
  • 抑うつ症状が強まると最低限の身の回りの事もままならない
  • こだわりが強く、決まったやり方でないと物事を進められない
  • 精神障害者保健福祉手帳なし
申請結果 障害基礎年金2級

 

ご相談までの経緯

10代の頃より落ち着きがなく、集団生活に馴染めないことがあり、メンタルクリニックを受診したところ、「情緒不安定性パーソナリティ障害」と診断されました。

症状は継続してありましたが、通院は自己中断。

しかし、その後も対人関係でのトラブルからストレスを感じ、抑うつ状態を呈し、再び医療機関へ受診されました。

うつ病と診断され、その後これまでの経過や症状より検査の上、「ADHD・ASD混合型の発達障害」であることも分かり現在も通院治療を継続しています。

日常生活では気分の波があり、抑うつ状態が強くなると身の回りの事も何も出来なくなったり、抑うつ状態に改善がみられても発達障害の特性から段取りに強いこだわりがあり、家事等のマルチタスクをうまくこなす事が出来ず、再び抑うつ気分を呈してしまう悪循環にありました。

家族の支援のもと日常生活は成り立ち、就労は医師の勧めもありB型事業所へ通所を始められたところでした。

家族への負担や将来への不安から受けられる支援を探していたところ、障害年金制度を知り、当事務所にご相談いただくこととなりました。

 

申請結果

今回の申請の鍵は初診日証明でした。

最初に受診した医療機関では既にカルテが破棄されていましたが、「傷病名・初診終診年月日」のみデータが残っていましたので、診療録をもととして記載されたものではありませんが受診状況等証明書を作成していただきました。(ポイント①)

この受診状況等証明書だけでは、初診日を証明出来たことにはなりませんので、領収書や調剤情報なども合わせて証拠書類として添付することとし、更に次に受診した医療機関で受診状況等証明書を取得し、初診日証明書類を整えました。(ポイント②)

初診日が整い、現在通院中の病院へ診断書の作成を依頼します。

取得した初診日証明書類や現在の日常生活や就労状況について事前にヒアリングした内容を主治医の先生にも橋渡しし、ご本人様の状況が的確に反映された診断書を作成していただくことが出来ました。

申請の結果、「障害基礎年金2級」として認定されました。

 

【ポイント1】受診状況等証明書はカルテをもとに記載する

障害年金の申請には、初診日を記載する「受診状況等証明書」という専用様式があります。

この様式は必ず「カルテ」をもとに、初診病院にて記載してもらいます。

カルテ以外の入院記録や受付簿、レセプトなどをもとに記載しても、初診日を証明できた事にはならず不支給となるケースもあります。

以下の動画より、受診状況等証明書の注意点をご覧いただけます。

 

【ポイント2】初診日の証明

障害年金は初診日主義とも言われています。

つまり、障がいがどんなに重たくても初診日の証明が出来なければ障害年金を受給することが出来ないということです。

カルテの法定保存期間が5年と定められている為、初診日の証明が出来ず悔しい思いをする方が多くおられるのも事実です。

そんな時でも証拠を積み上げて、間接的に初診日を証明出来たケースが多くありますので諦めない事が大切です!

 

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