【事例691】パーキンソン病|障害基礎年金2級(他の社労士事務所で断られた事例)

パーキンソン病|障害基礎年金2級

対象者の基本データ

病名 パーキンソン病
性別 女性
支給額 年額 約78万円
障害の状態
  • 歩行が非常に不自由であり、転倒しやすい為、車椅子を利用している
  • 薬効時間が短くなり、ウェアリングオフ現象により活動時間が限られている
  • 着替えや入浴といった身の回りのことにも介助が必要
  • 身体障害者手帳4級
申請結果 障害基礎年金2級

 

ご相談までの経緯

20年程前、家族から足が震えていると指摘を受けることがあり、特に自覚症状はなかったものの、次第に緊張すると手足の震えといった症状を自覚するようになり不安を感じ、医療機関への受診を始めました。

検査の結果、「パーキンソン病」と診断され内服を開始されました。

1年程は日常生活に殆ど支障なく過ごされていましたが、徐々に症状は悪化。

薬効時間が徐々に短くなり、現在は動けない時間が多く、身の回りのことや自宅内の家事なども介助が必要な状況です。

働くことが出来ない状態に家族への負担を考え、ネットで検索をしていた際に障害年金制度を知り、他の社労士事務所へご相談されましたが初診日証明が困難であるため、サポートは断られてしまったそうです。

そんな中で当事務所にご相談いただくこととなりました。

 

申請結果

今回の申請では初診日証明がポイントとなりました。

お手続きでは、20年程前に受診された医療機関から受診歴の古い順に順番にカルテが残っていないか、書類作成をお願い出来ないか当たっていきました。(ポイント①)

順に確認をしていくと、第一病院、第二病院、第三病院では既にカルテや受診記録が破棄されており、初診日の証拠となる書類は取得することが出来ませんでした。

第四病院にて初めて受診状況等証明書を取得することができ、作成された内容には第一病院から第四病院受診に至るまでの経緯が記載されており、前医(第三病院)からの紹介状の添付もありました。

これらの内容を客観的に見て、初診日の証明として十分な証拠書類となり得ると判断できたため、課題とされた初診日証明はクリアできました。

初診日証明が整い、保険料の納付要件が問題なく満たしていることを確認し、診断書の作成依頼へと進めます。

診断書が完成し、第一病院から現在に至るまでの経過について取得した医証だけではわからない経過や背景について病歴就労状況等申立書に詳述し、申請しました。(ポイント②)

結果、無事申し立てた初診日は認められ、「障害基礎年金2級」として認定されました。

 

【ポイント1】初診日の証明が出来ない場合の対処法

障害年金では初診日の証明がとても重要です。

この証明に使う書類を受診状況等証明書といいます。

これが取得出来なければ、最悪、請求ができなくなります。

特に、初診日がかなり昔の場合、当時の病院が廃院になっていたり、カルテがなく「受診状況等証明書」を書いてもらえないといった事が起こります。

この時は、古い順に「受診状況等証明書」が取れるまで病院に作成を依頼していきましょう。

また、紹介状があれば忘れずに頂きましょう。

それと同時に、初診の病院を受診していた証拠になる物(診察券や領収書、お薬手帳など)なども探して下さい。

こういった資料を「受診状況等証明書が添付できない申立書」と一緒に提出すれば初診日として認定される可能性があります。

また、カルテがないという理由で「受診状況等証明書」作成を断られても、病院のパソコンに通院記録が残ってる場合もありますので、確認して下さい。

このように、すぐに諦めず、いろいろな方法を探っていきましょう。

なお、以下の動画でもご説明していますのでご参照下さい。

 

 

【ポイント2】 病歴就労状況等申立書

医証(受診状況等証明書、診断書など)には、ある一定の時点の情報しか記載されておらず、発症から現在までの全体の流れを読み取ることはできません。

これを補うために、「病歴就労状況等申立書」に、現在までの「病歴・治療歴」、「就労の状況」、「日常生活の状況」などを、5年ごとに区切って記載します。(転院した場合は、医療機関ごとに記載します。)

また、作成後は、医証との整合性も確認しましょう。

 

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