目次
対象者の基本データ
病名 | 強皮症 |
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性別 | 女性 |
支給額 | 年額 約78万円 |
障害の状態 |
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申請結果 | 障害基礎年金2級 |
ご相談までの経緯
10年程前より、就労後に無気力感、著しい疲労感を自覚するようになったそうです。
当時は仕事が多忙だったこともあり、休息すれば回復するものだと思い仕事を退職しましたが、症状は改善するどころか悪化していく一方でした。
疲労感、倦怠感が取れず、冷たいものに触れると手指が蒼白になったり、夏は息苦しさがあり、手の甲や腕の皮膚がポロポロと剥け出し、棒の様に硬化する感覚が出現するほどとなったことから、医療機関への受診を始められました。
A病院を受診し、問診や血液検査等から「全身性強皮症」と診断され、精査・治療が必要なためすぐにB病院へ転医し、現在も治療を継続されています。
外科的治療により、一時的に症状が軽快して再び仕事復帰している時期もありましたが、皮膚硬化は進行性であり、現在はとても仕事が出来る状態ではなく、日常生活も家族のサポートがなければ成り立たない状態となっています。
医師の勧めで障害者手帳を申請した際に、障害年金制度を知り、遠隔でもサポート可能な当事務所にご相談いただきました。
申請結果
ご相談者様は強皮症だけでなく、強皮症による合併傷病も発症していたことから併合認定による申請を検討するため、それぞれの傷病の状態についてヒアリングすることから始めました。
ヒアリングより強皮症に伴う合併症病については、障害年金の認定基準に該当する可能性が低いため、強皮症そのものによる四肢の身体の機能障害として肢体の障害に的を絞って申請することとしました。(ポイント①)
現在まで2箇所の病院へ通院されていましたので、初診日の証明の手配から着手する必要があります。
最初にかかられた病院へ初診日の証明依頼のため連絡を取りましたが、初診日は10年以上前ということもあり、既にカルテが破棄されていました。
カルテ以外に通院歴のわかるものが残っていないか捜索をお願いしたところ、PC上にレセプトが残っており、初診日証明書類の証拠としてレセプト記録を発行していただきました。(ポイント②)
初診日が確定し、保険料の納付要件も問題なく満たしていることを確認した後、診断書の作成依頼へと進めました。
診断書の作成を依頼するにあたっては自覚症状に関する参考資料だけでなく、初診病院からの経過や初診日も間違いなく反映していただくため、初診日証明書類も参考資料としてまとめて主治医の先生に橋渡ししました。
診断書が完成し、医証だけではわからない発病から現在までの経過や病状について病歴就労状況等申立書に詳述し、申請しました。
結果、「障害基礎年金2級」として認定されました。
【ポイント1】複数傷病がある場合は併合認定も検討
2つ以上の障害がある場合、それぞれの傷病について申請することで、障害の状態を併せて認定されると受給の可能性が高くなったり、更に上位等級での認定となることがあります。
全ての傷病で併合認定が出来るわけではないため、複数障害がある場合は、闇雲に申請するのではなく、どのように組み立てて申請していくか検討する必要があります。
複数傷病でどのように手続きを進めていくのが良いか判断が難しい場合はぜひ専門家へご相談ください。
【ポイント2】複数傷病がある場合は併合認定も検討
障害年金では初診日の証明がとても重要です。
この証明に使う書類を受診状況等証明書といいます。
これが取得出来なければ、最悪、請求ができなくなります。
特に、初診日がかなり昔の場合、当時の病院が廃院になっていたり、カルテがなく「受診状況等証明書」を書いてもらえないといった事が起こります。
この時は、古い順に「受診状況等証明書」が取れるまで病院に作成を依頼していきましょう。
また、紹介状があれば忘れずに頂きましょう。
それと同時に、初診の病院を受診していた証拠になる物(診察券や領収書、お薬手帳など)なども探して下さい。
こういった資料を「受診状況等証明書が添付できない申立書」と一緒に提出すれば初診日として認定される可能性があります。
また、カルテがないという理由で「受診状況等証明書」作成を断られても、病院のパソコンに通院記録が残ってる場合もありますので、確認して下さい。
このように、すぐに諦めず、いろいろな方法を探っていきましょう。
なお、以下の動画でもご説明していますのでご参照下さい。
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