目次
対象者の基本データ
病名 | 自閉症スペクトラム障害・その他の重度ストレス反応 |
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性別 | 女性 |
支給額 | 年額 約78万円 |
障害の状態 |
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申請結果 | 障害基礎年金2級 |
ご相談までの経緯
ご相談者様は、家庭環境が複雑で、乳児院、養護施設で過ごされていました。
子どもの頃から大人しい性格で、友達も少なく、虐められることも度々あり、不登校になったこともありました。
就職しても人間関係が構築できず、短期間での転職を繰り返していました。
以前から、倦怠感やイライラ感、不眠の症状はあったそうですが、転職の度に症状が悪化し、ついに受診することになります。
不眠症、精神病質と診断され、薬物療法を受けることになります。
仕事も、他人との関わりが少ない新聞配達に従事することになります。
しかし、受診を続けるものの症状が全く改善せず、転院することになりました。
転院先で、検査を受けた結果、自閉スペクトラム症と診断されました。
その後も受診を続けていますが、症状が変わらず、新聞配達の仕事も出来なくなります。
頼れる家族もおらず、就労もできる状態ではないため、生活保護を受給することになりました。
ただ、生活保護から脱却したいと考え、ケースワーカーにご相談されたところ、障害年金の申請を勧められました。
そこで、申請する決断をされましたが、とても自分では手続きを進めていく事はできないと思い、当事務所に代行のお問い合わせを頂く事になりました。
申請結果
幼少期から家庭環境が複雑で、今迄、ご家族と同居した経験が無く、現在も一人暮らしを続けているご相談者様の障害年金申請のサポートをさせて頂きました。
ご相談者様は自立した日常生活が送れておらず、就労もできません。
ここで、申請のポイントは、一人暮らしになります。<一人暮らしにつきましては、ポイント①もご参照ください。>
一人暮らしができるという事は、日常生活は自立できていると見なされてもおかしくありません。
そうしますと、障害年金受給が困難になります。
そこで、日常生活について詳細にお尋ねしたところ、食事の用意や、日常生活で最低限必要な物の買い出し、洗濯については隣人の方にサポートして頂き、入浴や身なりについても助言して頂く事で、なんとか日常生活が送れていることが分かりました。
診断書には、余儀なく一人暮らしをしている理由や一人暮らしでも隣人の方のサポートが有り日常生活が送れていることを記載して頂きました。
また、診断書だけでは伝えきれない日常生活の状況については病歴就労状況等申立書で補足しました。<病歴就労状況等申立書につきましては、ポイント②をご参照ください。>
一人暮らしという事が少し気がかりでしたが、全ての書類が不備なく揃い申請しました。
結果は、わずか2か月間のスピード審査で、『障害基礎年金2級』に認定となりました。
【ポイント1】単身の精神疾患の審査について
うつ病や発達障害などの精神疾患で障害年金を請求しようとする場合、単身で生活している場合は注意が必要です。
というのも、精神による障害年金は日常生活をどの程度周りから助けてもらっているかが審査の基準になるためです。
もし、このような一人暮らしに該当する場合は、やむを得ない理由や身内・友人その他福祉サービスの利用状況などを訴えることで認定の可能性があります。
一人暮らしの申請事例は以下のページでご紹介していますので、ご参照下さい。
【ポイント2】病歴就労状況等申立書
医証(受診状況等証明書、診断書など)には、ある一定の時点の情報しか記載されておらず、発症から現在までの全体の流れを読み取ることはできません。
これを補うために、「病歴就労状況等申立書」に、現在までの「病歴・治療歴」、「就労の状況」、「日常生活の状況」などを、5年ごとに区切って記載します。(転院した場合は、医療機関ごとに記載します。)
また、作成後は、医証との整合性も確認しましょう。
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