目次
対象者の基本データ
病名 | 左先天性指欠損 |
---|---|
性別 | 女性 |
支給額 | 年額 約80万円 遡及金額 約429万円 |
障害の状態 |
|
申請結果 | 障害基礎年金2級 |
ご相談までの経緯
ご相談者様は出生時より、左手の指全てが欠けている状態でした。
手術や治療を行うこともなく、生下時の状態のまま成人し、学校卒業後は、就職して現在まで仕事を続けています。
たまたま市役所で障害年金のパンフレットを見つけ、自分が受給対象となるのか、またどうやって申請をするのかがわからず、ネットで見つけた当事務所にご相談をいただきました。
申請結果
ご相談をいただき、状況をヒアリングしたところ、十分に障害年金に該当する可能性がありました。
今回のご相談者様の場合、出生時から現在まで同じ状態で経過していたことから、遡って受給出来ないかどうか検討しました。
遡って請求する場合は障害認定日頃の障害の状態が確認できることが必要となります。
しかし障害は先天性ということもあり、現在までの通院歴は出生時~5歳頃までの期間のみでそれ以降は追加で手術をすることもなく状態は変わらないため、医療機関へは受診していませんでした。
そのため、障害認定日頃の障害状態にかかる診断書を始めとする医証は取得の仕様がありませんでした。
先天性障害の特性として現在まで障害状態は変わらないことは明らかであると考え、現在の状態の診断書を作成していただく医師に障害状態の『固定性』について一筆加筆していただきました。
加えて、代理人申立てとして障害認定日による請求に際して申立補足書類を作成し、障害認定日時点の診断書は無しで遡及請求を行いました。(ポイント②)
結果、「障害基礎年金2級」に認定され、最大5年間の遡及も認められました。
【ポイント1】20歳前傷病による障害認定日請求
20歳前傷病の場合の障害認定日は初診日から1年6ヵ月を経過した日が20歳到達日より前にあるか、後にあるかによって取り扱いが変わります。
(※20歳到達日:20歳の誕生日前日のことを言います)
- 初診日から1年6ヵ月経過した日が20歳到達日よりも前にある場合:20歳到達日が障害認定日
- 初診日から1年6ヵ月経過した日が20歳到達日よりも後にある場合:原則通り初診日から1年6ヵ月経過した日が障害認定日
20歳前傷病による障害認定日請求を行う場合、上記障害認定日の前後3ヵ月以内現症の診断書が必要となります。
【ポイント2】 障害認定日の診断書がない場合の障害認定日による請求
障害認定日による請求を行う場合、原則として障害認定日頃の診断書が必要となります。
しかし、これはあくまでも原則論であり、必ずしも医証によらずとも、障害の程度を判断するための合理的な資料等が得られる場合には認定される余地があると考えられます。
障害認定日頃の診断書が得られないからといってすぐに諦めることなく、医証以外の方法で認定を得られないか一度検討する価値はあると思います。
ただし、全ての傷病で医証がなくても受給ができるというものでは有りませんので、ご注意ください。
その他の肢体の障害の事例
肢体の障害の新着事例
よく読まれる肢体の障害の事例