目次
対象者の基本データ
病名 | 右変形性股関節症(人工関節) |
---|---|
性別 | 女性 |
支給額 | 年額 約59万円 遡及金額 約5万円 |
障害の状態 |
|
申請結果 | 障害厚生年金3級 |
ご相談までの経緯
55歳頃より、歩く際に右股関節に痛みを感じるようになり、徐々に重い荷物を持つことさえ難しくなったため、整形外科を受診したそうです。
「右変形性股関節症」と診断され、医師の勧めで手術をすることが決まりました。
正社員として勤務するご相談者様は、今回の手術に備えて職場を休職し、右股関節人工関節置換術に挑みました。
症状を自覚してから約半年というスピードで手術となった為、慌ただしい日々が続いていましたが、術後に落ち着きを取り戻し、疾患について理解しようとネットを見ていたところ「障害年金」にたどり着いたそうです。
「自分も障害年金の対象なのかも?」と考え、当事務所にご相談があり、受給の可能性が高いという事で代理申請を行うこととなりました。
申請結果
今回の申請では、4つの大きなポイントがあります。
①「障害の等級」
障害年金上、人工関節は3級と決められています。
人工関節を入れても尚、状態が悪い場合は3級以上となることもありますが、原則は3級です。
ご相談者様は術後の経過が良好のため、原則どおりの3級を目指し申請を行いました。
②「受給できる等級の違い」
障害年金では、初診日に加入していた年金の種類によって1~3級まで受給出来る方と、1,2級のみの方がおられます。(詳しくは「ポイント①」をご覧ください。)
ご相談者様の場合は、痛みを感じて初めて整形外科を受診した時、厚生年金に加入していた為、障害厚生年金3級に認定される可能性が高いです!
③「申請できるタイミング」
通常、障害年金は初診日から1年6ヶ月後から申請することができるようになります。
しかし、ご相談者様のケースでは、例外的に1年6ヶ月を待たず手術したその日から申請することができます。
このようなケースを障害認定日特例と言います。(障害認定日特例の詳細は「ポイント②」をご覧ください。)
④「省略できる書類」
障害年金の申請では、受診状況等証明書という書類で初診日の証明を行います。
しかし、ご相談者様の場合は、初診日の病院と現在の病院が同一でした。
このようなケースでは、受診状況等証明書を省略することが可能です。(書類の省略に関する詳細は「ポイント③」をご覧ください。)
以上の4つのポイントを押さえ、申請お手続きを進めていきました。
お手続きはスムーズに進み、ご依頼から1ヶ月で提出が完了し、審査結果は、目標どおりの3級に認定されました。
現在、ご相談者様は障害年金を受給しつつ、無理の無い範囲で就労を継続されています。
【ポイント1】『初診日に加入していた年金制度』と『受給できる等級』
障害年金には主に3種類あり、いずれを申請するかは『初診日に加入していた年金制度』により決まります。
①初診日に国民年金に加入していた場合は『障害基礎年金』
- 対象:20歳未満のため未加入、アルバイト、自営業、主婦等の第3号被保険者、免除申請中等
- 等級:1,2級のいずれかに該当(※)3級はありません。
- 加算:2級以上で子の加算
②初診日に厚生年金に加入していた場合は『障害厚生年金』
- 対象:会社員、社会保険に加入しているアルバイト等
- 等級:1,2、3級のいずれかに該当
- 加算:2級以上で子・配偶者加算
③初診日に共済年金に加入していた場合は『障害共済年金』
- 対象:公務員等
- 等級:1,2、3級のいずれかに該当
- 加算:2級以上で子・配偶者加算
初診日による等級の違いは、以下の動画でもご説明していますのでご参照下さい。
【ポイント2】人工関節はいつから請求できる?
原則的には障害年金は初診日から1年6ヶ月経過後に障害年金が請求できる様になります。
しかし、人工関節は障害認定日の特例が認められています。
初診日から1年6ヶ月以内に手術を行った場合はその日以降であれば障害年金の請求が可能となります。
また、障害年金を貰えたのを知らずに長年来た場合であっても、この特例に該当する場合であればもらい忘れていた障害年金を最大5年分まで遡って受給出来る可能性があります。
【ポイント3】初診病院と現病院が同じ場合の医証
障害年金では医師に記載して貰う書類(医証)は下記のとおり複数枚あることが基本です。
①初めて受診した病院で記載してもらう『受診状況等証明書』が1枚
②現在の病院で書いてもらう『診断書』が1枚
一方、初診から現在まで同じ病院で、今後の障害年金のみを請求する場合は、①が不要となり、②の1枚でOKです。
(※)認定日請求といって過去にさかのぼって申請を行うときはさらにもう1枚必要となることがあります。
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