【事例507】注意欠陥多動性障害(ADHD)|障害基礎年金2級

注意欠陥多動性障害(ADHD)|障害基礎年金2級

対象者の基本データ

病名 注意欠陥多動性障害(ADHD)
性別 男性
支給額 年額 約77万円
遡及金額 約386万円
障害の状態
  • 成人後に発達障害が発覚
  • 薬の副作用により強い倦怠感がある
  • 日常生活は家族のサポートにより成り立っている
  • 精神障害者保健福祉手帳 3級
申請結果 障害基礎年金2級

 

ご相談までの経緯

ご相談者様は、幼少期の頃からこだわりが強く、周囲に溶け込むことが苦手だったそうです。

小学校でも集団生活には上手く馴染めず、学業面では一部の教科が極端に苦手、先生からは「集中力がない」と怒られる日々だったとの事です。

どれだけ集中しようとしても上手くいかず、高校になると授業についていく事も困難となり、定時制高校への編入を余儀なくされました。

何とか高校を卒業し、社会に出ようと試みましたが、どこへ行っても注意散漫でミスを繰り返し、人とも上手く馴染めず、次第に自宅にこもるようになりました。

努力しても上手くいかないことに落ち込み、うつの症状が出始めたことを機に心療内科を受診したところ「うつ病」と診断されます。

投薬治療を開始しますが、薬の副作用で強い倦怠感が生じ、日常生活もままならない状態へ陥りました。

何かおかしいと感じたご相談者様はセカンドオピニオンに別病院を受診したところ「注意欠如多動性障害」と診断されます。

これまで上手くいかなかった原因がわかりホッとしましたが、過敏体質のためどの薬も合わず副作用により強い倦怠感があり、依然として日常生活には家族のサポートが必要な状態です。

就労も難しい状況のため国からの支援は無いかとネット検索していたところ、障害年金の制度を知り、当事務所へご相談がありました。

 

申請結果

お手続きでは、はじめに「初診日の特定」を行います。

発達障害は、先天的なものであるとされており、同じ先天性には「知的障害」があります。

しかし、知的障害・発達障害の初診日の考え方は、障害年金では異なります。(ポイント①)

発達障害では「発達障害で初めて医師の診察を受けた日」が初診日となりますので、これまでの病歴をヒアリングいたしました。

まず、初診日のある病院へ「受診状況等証明書」の作成依頼を行います。

これは「この日が初診日である」と証明するための書類です。

この初診日によって「年金請求が可能か」「請求する障害年金制度」がわかります。(ポイント②)

ご相談者様の場合は、20歳以降の国民年金期間中に初診日がありました。

国民年金加入中に初診日がある場合、障害等級2級以上に該当しなければ障害年金は給付されません。(ポイント③)

これまでのヒアリングから、ご相談者様は2級相当に該当すると判断できましたので、お手続きを続行いたしました。

早速、診断書依頼の段階へ移りましたが、課題となったのは、作成医の先生に病状・生活上の支障を詳しく伝えられていないという点でした。

ご相談者様は薬の副反応が強く、倦怠感から先生と積極的な意思疎通を行っていなかったそうです。

このままでは、実態が殆ど反映されない診断書となる可能性があった為、当事務所でヒアリングした内容をまとめた資料を先生にお渡しし、診断書作成に役立てて頂きました。

完成した診断書は、現状がしっかり伝わる内容となっており、より細かな支障等は病歴就労状況等申立書に記載し、診断書を補う形にて作成。

お手続きは全体的にスムーズに進み、ご依頼から約2ヶ月で提出に至りました。

結果としては、無事に2級と認定され、現在は障害年金を受給しつつ、ご相談者様に合った治療を模索しながら一歩ずつ進まれているとの事です。

障害年金をお届けできたことで、少しでも安心を感じて頂けたご様子に、私どもも大変嬉しく感じました。

 

【ポイント1】発達障害と初診日

発達障害の初診日は「発達障害のために初めて医療機関を受診した日」です。

先天性の疾病のため、知的障害と同様に生まれた日が初診日になるという誤解が多いのでご注意ください。

また、20歳未満では親元で生活をしていることも多く症状が目立たないものの、社会に出てから周りと上手くコミュニケーションが取れないなどの悩みが原因でメンタルクリニックを受診して発達障害と診断されるケースも多くあります。

このように幼少期より明らかに症状が現れていても、20歳を超えてから発達障害と診断された場合は、その初めて通院した日が初診日になります。

 

【ポイント2】初診日が大切な理由

障害年金では、初診日が最も重要とされています。

なぜ重要なのかというと、初診日は以下のように様々な『基準』となる為です。

①制度加入要件

初診日にどの制度に加入していたかで、受けられる年金が決まります。

②保険料納付要件

障害年金を申請するには、初診日の前日から数えて一定期間の保険料を納めている必要があります。

③障害認定日の起算点

原則として『初診日から1年6ヵ月経過した日』に障害の程度を認定します。

これを障害認定日と言い、この日以降で無ければ障害年金の請求が出来ません。

初診日が大切な理由に関しては、以下の動画でもご説明していますのでご参照下さい。

 

【ポイント3】『初診日に加入していた年金制度』と『受給できる等級』

障害年金には主に3種類あり、いずれを申請するかは『初診日に加入していた年金制度』により決まります。

①初診日に国民年金に加入していた場合は『障害基礎年金』

  • 対象:20歳未満のため未加入、アルバイト、自営業、主婦等の第3号被保険者、免除申請中等
  • 等級:1,2級のいずれかに該当(※)3級はありません。
  • 加算:2級以上で子の加算

 

②初診日に厚生年金に加入していた場合は『障害厚生年金』

  • 対象:会社員、社会保険に加入しているアルバイト等
  • 等級:1,2、3級のいずれかに該当
  • 加算:2級以上で子・配偶者加算

 

③初診日に共済年金に加入していた場合は『障害共済年金』

  • 対象:公務員等
  • 等級:1,2、3級のいずれかに該当
  • 加算:2級以上で子・配偶者加算

初診日による等級の違いは、以下の動画でもご説明していますのでご参照下さい。

 

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