目次
対象者の基本データ
病名 | 脳梗塞後遺症 |
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性別 | 男性 |
支給額 | 年額 約146万円 遡及金額 約50万円 |
障害の状態 |
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申請結果 | 障害厚生年金2級 |
ご相談までの経緯
ご相談者様は、1年半ほど前に、右半身に違和感を感じます。
やがて、呂律も回らなくなり受診することになりました。
病院では脳梗塞と診断され、入院して薬物療法、リハビリを受けることになります。構音障害は軽減しましたが、右半身の麻痺は残ったそうです。
その為、仕事にも大きな支障が出て退職となりました。
その後も薬物療法を続けていましたが、再び、右半身に全く力が入らなくなり、呂律も回らなくなります。
救急搬送され、2回目の脳梗塞との診断が出ました。今回も、薬物療法とリハビリを受けることになります。
しかし、前回よりも症状が重く、今も杖なしで歩行できず、長距離移動では車イスを利用しています。
日常生活も家族の介助・支援なしでは成り立たない状況です。
そして、医師から、「これ以上回復の見込みは望めない。」と告げられます。
ご相談者様は、ご家族に経済的負担をかけていることを心苦しく思っていましたが、就労の目処も立ちません。
悩まれていた時に、病院で障害年金の事を聞き、年金事務所にご相談に行かれました。
ただ、字を書く事も不自由な現状では、とても自分では準備が出来ないと思い、ネットでご覧になった当事務所に代行のお問い合わせを頂くことになりました。
申請結果
障害年金の申請では初診日の証明がとても重要です。
ご相談者様は脳梗塞を2回発症しておられ、申請手続きについては、初診日の検討から始めることになりました。
2回の脳梗塞について相当因果関係は不明ですが、現在の右半身麻痺という重い病状には両方の脳梗塞が影響していると考えられます。
つまり2回の脳梗塞を切り離して考えることはできないと判断し、1回目の脳梗塞で受診された病院に、「受診状況等証明書」(初診日の証明)を依頼することにしました。
また、申請方法につきましては、障害認定日から1年を経過しておらず、本来請求での申請となります。
<障害認定日につきましては、ポイント①、本来請求につきましては、ポイント②をご参照ください。>
本来請求の場合、必要な診断書は、障害認定日から3ヵ月以内(以下、「有効期間」と呼びます。)の障害の状態で作成されたものが必要となります。
ところが、ご相談者様は、他のご病気で入院中のため、有効期間内は受診していないことが分かりました。
病院で受診の日を調べて頂いたところ、有効期間から2週間経過した日に受診されている事が分かり、その日を現症とした診断書を作成して頂きました。
有効期間を過ぎた診断書で本来請求が認められるか一抹の不安がありましたが、有効期間内に受診できなかった理由を病歴就労状況等申立書に記載して申請書類提出となりました。
2ヵ月程の審査で、『障害厚生年金2級』に認定され、本来請求が認められたことで、障害認定日の翌月分からの年金が支給されることになりました。
【ポイント1】障害認定日とは
障害の程度の認定する日を『障害認定日』と言います。
障害認定日は原則として、初診日から1年6ヵ月後の日です。(※特例もあります)
障害認定日の状態が障害等級に当てはまると、障害年金が支給されます。
また障害認定日に等級に該当しない場合でも、今後症状が悪化して等級に当てはまるようになった時には請求することが可能です。
なお、何らかの理由で障害年金の請求が遅れてしまったり、手続きを忘れていたときには認定日請求(遡及請求)という方法にて、最大5年間分の貰い忘れていた障害年金を受け取れる可能性があります。
【ポイント2】障害認定日から1年以内の請求方法
障害認定日から1年以内に障害年金を請求する方法を本来請求(障害認定日請求)と言います。
診断書は、原則『障害認定日から3ヵ月以内のもの』を用意します。
認定された場合は、障害認定日の翌月から障害年金が支給されます。
なお、障害認定日から1年以上経過してから障害認定日請求を行う場合は、下記の2枚の診断書が必要となります。
- 原則、障害認定日から「3ヵ月以内」のもの:1枚
- 請求日から「3ヵ月以前」のもの:1枚
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