【事例465】双極性障害|障害基礎年金2級(既にカルテが破棄されていた事例)

双極性障害基礎年金2級事例

対象者の基本データ

病名 双極性障害(そうきょくせいしょうがい)
性別 女性
支給額 年額 約78万円
障害の状態
  • 病気が原因で長期休職中である
  • 精神障害者保健福祉手帳 3級
  • 対人恐怖があり、外出時には帽子、サングラス、マスクで顔を隠している
  • 希死念慮がある
申請結果 障害基礎年金2級

 

ご相談までの経緯

ご相談者様は、高校生の頃から摂食障害の症状があり不登校になった時期もありました。

高校卒業後は、専門学校に入学して寮に入りますが、環境が変わったことで、不眠や情緒不安定な症状も出てきたため、心療内科を受診しました。

その後、通院しながらお仕事をされていましたが、症状悪化のため、退職して実家に戻ります。

休養を取りながら治療を受けることで症状は軽減します。

症状が軽減すると経済的な理由で受診を中断し就労することで症状が再現し、再び受診を始めるといった事の繰り返しが現在まで続いています。

ご相談者様は、当初、社会保障の制度に頼ることに抵抗を感じておられましたが、ご家族から、障害年金の制度を利用できれば、治療に専念して完全に病気が治癒するまで休養が取れると説得され、当事務所にご相談を頂く事になりました。

 

申請結果

本事例では、20年以上前の初診証明を取れるかが受給の大きなカギとなりました。

初診病院では予想通りカルテがなく、「受診状況等証明書」(以下、「受証」と記載します。)の取得はできませんでした。

そこで、2番目の病院から順に、「受証」を依頼していくことになりました。

すると、3番目に受診された病院にカルテが残っており「受証」を取得できました。

ただ、記載内容に「前医があるが受診時期は不明」とあり、決定的な初診の証明とはできませんでした。

続けて、4番目に受診された病院で「受証」を取得できました。

「受証」には、「19歳の時に心療内科を受診した」経緯が載っており、「受診状況等証明書が添付できない申立書」に4番目の病院の「受証」を添付することで、時間を要しましたが、懸念していた初診証明が出来ました。
<初診証明が出来ない場合の手続きに関しましては、ポイント①をご参照下さい。>

この間、同時並行で、高校当時の担任やクラブの顧問の先生、同級生に第三者証明の依頼もしていましたが、どなたからも、「当時、ご相談者様の体調が悪く、学校も休みがちだったことは覚えているが、病名や受診していたことは記憶にない」との返事を頂き、第三者証明の取得には至りませんでした。<第三者証明につきましては、ポイント②をご参照下さい。>

その後は、診断書の依頼、「病歴就労状況等申立書」の作成とスムーズに進み、無事に申請までこぎつけました。

結果は、2ヵ月程のスピード審査で『障害基礎年金2級』に認定となりました。

 

【ポイント1】 初診日の証明が出来ない場合

障害年金は初診日主義とも言われており、初診日の証明が出来ないと障害年金を受給することが出来ません。

初診日の証明は受診状況等証明書という様式を用いて行います。

この受診状況等証明書は、本来であればカルテに基づいて記載をしてもらう必要がありますが、初診病院が廃院している場合や既にカルテが破棄されている場合等は受診状況等証明書が取得できないこととなります。

そこで受診状況等証明書が取得できない場合に使用するのが、受診状況等証明書が添付出来ない申立書です。

この受診状況等証明書が添付出来ない申立書はご自身で最初に受けた医療機関名や場所、受診期間等を記載する書類です。

ただし、この書類を作成するだけでは、客観的証拠が不十分として、申請する初診日を認めてもらうことは出来ません。

申請する初診日が明らかに確認できる客観的な証拠書類を添付して、初めて有効とされます。

客観的な証拠書類としては以下のようなものがあります。

  • 身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳
  • 身体障害者手帳等の申請時の診断書
  • 生命保険、損害保険、労災保険の給付申請時の診断書
  • 事業所等の健康診断の記録
  • 母子健康手帳
  • 健康保険の給付記録
  • お薬手帳、領収書、診察券
  • 盲学校、ろう学校の在学証明・卒業証書
  • 第三者証明

など

受診状況等証明書が取得できない場合でも、証拠書類を積み上げ認められたケースも多くありますので諦めないことが大切です。

なお、以下の動画でもご説明していますのでご参照下さい。

 

【ポイント2】20歳前傷病での第三者証明

20歳前に初診日がある場合は、「初診日を証明する書類が第三者証明のみの場合であっても、第三者証明の内容を総合的に勘案して、請求者申立ての初診日を認めることができる」とされています。

なお、第三者証明には、初診日頃の受診状況について、下記のいずれかに該当する場合に申立てるものであることが必要です。

ア.直接、見て知っていた。
イ.請求者あるいは請求者の家族から、初診日の時期について聞いていた。
ウ.請求者あるいは請求者の家族から、請求時のおよそ5年以上前に聞いていた。

*原則として、複数の第三者証明が必要である。
*初診日が20歳以降にある場合は、第三者証明に初診日について証拠となりうる他の資料を添付することが求められる。

 

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