【事例445】双極性障害|障害基礎年金2級(社会的治癒が認められた事例)

双極性障害基礎年金2級事例

対象者の基本データ

病名 双極性障害(そうきょくせいしょうがい)
性別 女性
支給額 年額 約78万円
障害の状態
  • 傷病が原因で、就労できない
  • 家族やヘルパーの介助・支援が無いと日常生活が成り立たない
  • 希死念慮がある
  • 精神障害者保健福祉手帳 なし
申請結果 障害基礎年金2級

 

ご相談までの経緯

ご相談者様は、高校生の頃から、生理前になると抑うつ症状が出現するという状態が続いていたそうです。

市販薬なども試されましたが症状が改善しなかったため医療機関を受診されました。

1年ほど薬物療法を受けられ、症状が改善したので受診も中断となったそうです。

その後は、ご結婚され、第一子を出産されます。日常生活では、全く抑うつ症状が出ることも無く、家事と子育てに何ら支障もなく過ごされていました。

しかし、突然、生理前に抑うつ症状が現れ、その他にも倦怠感、不安感、自信欠如、興味喪失など様々な症状も出現し、再び医療機関を受診することになります。

そして、薬物療法、精神療法を受けられますが、以前のように症状が改善しませんでした。

その為、病院も転々とされますが、症状は悪化し、現在は、1日中部屋に引きこもり、ご家族やヘルパーの支援・介助がないと日常生活も成り立たない状況です。

今の状況では就労もできません。ご相談者様は、ご家族に経済的負担をかけていることを心苦しく思っておられました。

以前、病院で障害年金の制度について教えて頂いたことを思い出し、ご自身も受給できるならぜひ申請したいとお考えになり、藁をもすがる思いで当事務所にご相談を頂く事になりました。

 

申請結果

ご相談者様からのヒアリングで、初診日は40年ほど前であることが分かり、「受診状況等証明書」の入手は困難と予想できました。<受診状況等証明書につきましては、ポイント①をご参照ください。>

再度、発症から現在までの状況をご相談者様にお尋ねしたところ、初診病院の受診中断後、20年間ほど、医療機関を受診されていない期間があることが分かりました。

しかも、その期間中に、ご結婚、出産をされ、専業主婦として、日常生活や子育ても支障なくできていることも分かりました。

そこで、申請手続きは社会的治癒を主張して進めることにしました。<社会的治癒につきましては、ポイント②をご参照ください。>

まず、社会的治癒期間後に初めて受診したA病院で「受診状況等証明書」を記載して頂きました。

次は、「病歴就労状況等申立書」の作成です。

申立書には、社会的治癒を主張する期間内に全く受診していないこと、そして、日常生活、子育ても全く支障なくできていたことを具体例を挙げながら詳細に記載していきます。

最後は、「診断書」の依頼です。

作成にあたって、医師に、ご相談者様の日常生活の状況などを詳細にお伝えしました。

また、「診断書」の「初めて医師の診療を受けた日」の欄には、A病院の初診日の記載をお願いしました。

完成した「診断書」には、ご相談者様の状態が正確に反映されており、認定に自信を持って申請することができました。

結果は、社会的治癒を認められ、『障害基礎年金 2級』に認定されました。

 

【ポイント1】受診状況等証明書はカルテをもとに記載する

障害年金の申請には、初診日を記載する「受診状況等証明書」という専用様式があります。

この様式は必ず「カルテ」をもとに、初診病院にて記載してもらいます。

カルテ以外の入院記録や受付簿、レセプトなどをもとに記載しても、初診日を証明できた事にはならず不支給となるケースもあります。

 

【ポイント2】社会的治癒

社会的治癒が認められると、初診日が変わります。

社会的治癒とは、「症状無し・生活に支障無し・就労可能な状態」が一定期間続いている場合などは、医学的には治癒とは言えなくとも治癒していると認めましょう!という制度です。

今回のケースのように「一度ケガや病気」となったが、しばらくの間問題なく生活していた後に「再度、症状が悪化・支障が出た」とき、最初のケガや病気は「治癒」その後「再発した」ものとして取り扱います。

障害年金上、再発した場合は「再発した後に初めて診察を受けた日」が初診日になります!

 

その他の精神の事例

 

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