【事例443】線維筋痛症|障害基礎年金2級

線維筋痛症|障害基礎年金2級

対象者の基本データ

病名 線維筋痛症(せんいきんつうしょう)
性別 女性
支給額 年額 約78万円
障害の状態
  • 疼痛のため起居困難時はオムツ着用している
  • 歩けても連続20m以内で、触痛の為補助器具の使用も出来ない
  • 入浴は月2回しか出来ない
  • 通院以外の活動は殆どできず、日常生活には支援が必要不可欠
申請結果 障害基礎年金2級

 

ご相談までの経緯

10年程前より、筋肉痛のような身体全身の痛みを自覚するようになったそうです。

痛みの頻度・程度は次第に強くなり、痛みの他に疲労感、脱力感、微熱、睡眠障害、感覚過敏等の症状も出現し、1日の殆どを寝て過ごすようになり、子供を保育園に送ることも、車の免許更新に行くことも出来ないほど外出困難な状態となり、家族に連れられ医療機関の受診に至りました。

「線維筋痛症」として診断を受け、現在も通院治療を継続しています。

持続する全身疼痛、脱力感、疲労感により、日中の活動は1日1時間程度が限界。

歩行も困難な状態で補助器具を使用したくても触痛のため、使用できる状態になく、外出は通院に限られています。

生活の為に自動車椅子を検討していましたが、とても働ける状態ではなく、経済的にも困難なため、社会的な支援を必要としていました。

そんな中、障害年金の制度を知り、当事務所にご相談いただき、事後重症として障害基礎年金2級として認定された後、遡及請求のみ申請を行う事となりました。

 

申請結果

遡及請求をするにあたって、初診日から1年半経過した日頃の障害状態が確認できることが必要となります。

ご請求者様は障害認定日当時、病院へ通院はしていましたが、障害年金の診断書作成に必要となる検査は実施されていませんでした。

そのため、初診日から1年半経過した日~3ヵ月以内の障害認定日頃の診断書を取得することは出来ません。

しかし、障害年金の請求に至るまで身体障害者手帳の申請を試みた事があり、障害認定日の前後で検査を実施したことがわかり、障害認定日前後の期間であれば診断書の作成が可能であると考えられました。

すぐにご本人様に検査当時の状況や手元に持っていた検査結果等の資料を確認させていただき、必要となる障害認定日頃の期間とは相違しますが、取得する障害認定日前後の状態から障害認定日頃の状態も確認ができ、認定を得られることが想定出来ました。

完成した診断書から想定通り前後の状態は大きく相違がなく、また先に認定を得ていた事後重症時点までの経過などから、必要となる期間の診断書がなくても障害認定日時点の障害状態は障害等級に該当する程度にあるものが確認できるとして、代理人の申立てを補足資料として添付し、請求を行いました。

結果、障害認定日時点の診断書がなくても、障害基礎年金2級として遡っての請求が認められました。

 

【ポイント1】障害認定日の診断書がない場合の障害認定日による請求

障害認定日による請求を行う場合、原則として障害認定日頃の診断書が必要となります。

しかし、これはあくまでも原則論であり、必ずしも医証によらずとも、障害の程度を判断するための合理的な資料等が得られる場合には認定される余地があると考えられます。

障害認定日頃の診断書が得られないからといってすぐに諦めることなく、医証以外の方法で認定を得られないか一度検討する価値はあると思います。

ただし、全ての傷病で医証がなくても受給ができるというものでは有りませんので、ご注意ください。

 

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