【事例430】骨粗しょう症(骨粗鬆症)|障害厚生年金3級

骨粗しょう症(骨粗鬆症)|障害厚生年金3級

対象者の基本データ

病名 骨粗しょう症(骨粗鬆症)
性別 女性
支給額 年額 約59万円
障害の状態
  • 著しい腰痛、両下肢の筋力低下があり、家事全般に家族の援助が必要
  • 椅子からの立ち上がりや座位姿勢を保つことが困難
  • 屋内外で杖を使用し、5分ごとに休憩が必要で連続して歩けない
  • 些細な作業にも時間を要し、用便の処置が出来ない時もある
申請結果 障害厚生年金3級

 

ご相談までの経緯

30年程前、全身の倦怠感・黄疸が出現し、近医の内科を受診されました。

すぐに入院が必要となり、検査から「自己免疫性肝炎」と診断を受け、ステロイド治療を開始しました。

肝機能維持・増悪を繰り返し、何度も入退院を繰り返していました。

初診から10年程経過した頃の入院時、ベッドへ腰を掛けた際に腰椎圧迫骨折したことでステロイド治療による骨粗鬆症の発症を指摘され、自己免疫性肝炎と骨粗鬆症の治療を受けるようになりました。

ステロイド治療を継続しなければ、肝機能が維持出来ず、治療を継続すると骨粗鬆症の症状は進行する悪循環で骨粗鬆症の診断を受けてから、医師の勧めで仕事も事務職へ配置転換されましたが、座って行う業務でも痛みのため支障が大きく、また日常生活上の家事など些細な動作でも容易に骨折をすることから、家事は高齢の母親に頼ることが多くなり、今後の治療と将来に大きな不安を抱えていました。

そんな中、障害年金の制度を知り、受給の可能性があればと思い、当事務所へご相談をいただきました。

 

申請結果

ご相談を頂いた際に今回の申請のポイントは申請傷病である「骨粗鬆症」と「自己免疫性肝炎」との相当因果関係にあると考えました。

2つの傷病に相当因果関係があるとされた場合、後発傷病である「骨粗鬆症」の初診日は
前発傷病である「自己免疫性肝炎」で最初に医療機関へ受診した日が初診日として取り扱われます。(ポイント①)

長期に渡りステロイド治療を受けていたことや過去の事例、主治医の先生の意見もお伺いし、2つの傷病には相当因果関係があるものとして手続きを進めることとしました。

そのため、まず「自己免疫性肝炎」で最初に受診した病院で初診日の証明となる受診状況等証明書の作成をお願いし、相当因果関係があるものとして主張していくために、治療の経過についても詳細に記載していただきました。

現在の症状だけでなく、受診状況等証明書の内容も間違いなく反映していただけるように、診断書作成時に参考資料を添付することで診断書を作成していただきました。

また相当因果関係があるものとして主張していくために、受診状況等証明書や診断書だけでは伝わりにくい治療の経過や背景などは病歴就労状況等証明書に詳述しました。

申請の結果、障害厚生年金3級として認定されました。

 

【ポイント1】相当因果関係について

「前発の傷病がなければ、後発の傷病は起らなかったであろう」と認められる場合は相当因果関係ありとして、前後の傷病が同一の傷病として取り扱われます。

つまり、前発の傷病で最初に医師の診療を受けた日が後発傷病の初診日として取り扱われることとなります。

例えば相当因果関係があるものとしては以下のようなものがあります。

  • 糖尿病→糖尿病性網膜症または糖尿病性腎症、糖尿病性神経障害、糖尿病性動脈閉塞症等
  • 糸球体腎炎(ネフローゼ含む)、多発性のう胞腎、腎盂腎炎→慢性腎不全
  • 肝炎→肝硬変
  • 結核の化学療法による副作用として聴力障害
  • ステロイド投薬→大腿骨頭壊死
  • 事故または脳血管疾患→精神障害

他の傷病でも相当因果関係ありとされる傷病はある為、複数傷病を発症している場合は初診日の取扱いには注意が必要です。

相当因果関係に関する事例は以下のページでご紹介していますのでご参照下さい。

相当因果関係に関する事例

 

その他の肢体の障害の事例

 

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