目次
対象者の基本データ
病名 | 自閉スペクトラム症 |
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性別 | 女性 |
支給額 | 年額 約116万円 |
障害の状態 |
|
申請結果 | 障害厚生年金2級 |
ご相談までの経緯
ご相談者様は、幼少期から高校卒業までは大きな問題もなく集団生活を送ることができていました。
ただ、正義感が非常に強く、友人の些細な過ちも許すことができず、トラブルに発展してしまうことも度々ありました。
また、感覚過敏の症状もあったそうです。
高校卒業後は就職しますが、職場での人間関係を構築できず、短期間での転職を繰り返すことになります。
また、家庭内のトラブルもあり段々とストレスを感じる様になりました。
そして、気分の落ち込みや倦怠感、動悸、過呼吸などの症状が現れ受診することになります。
病院では当初、うつ状態と診断され薬物療法を受けていましたが症状が改善しませんでした。
そこで、転院して心理検査などを受けた結果、自閉スペクトラム症と診断され、現在まで薬物療法を受けておられます。
現在は、障害に対する理解がある職場で、手厚い配慮のもとで仕事をされていますが、いつまで就労を続けられるかわからず、常に経済的な不安をお持ちでした。
障害年金のことは以前からご存じでしたが、就労していると受給は難しいと聞いて諦めていました。
そんな時、当事務所のホームページで、就労していても受給できる場合があることが分かり、ご相談を頂く事になりました。
申請結果
本事例のご相談者様は、一般企業に正社員として長期勤務されています。
従って、申請手続きは「就労」に焦点をあわせ進めていきました。<発達障害と就労の関係につきましては、ポイント①をご参照ください。>
診断書を依頼する際は、職場で次のような配慮があることを主治医の先生にお伝えしました。
- 他人との距離感が分からず同僚とのコミニュケーションがとれないので、職場内に「個人ブース」を設置してもらっている。
- 配置転換など異動が無いよう配慮されている。
- 上司からは知覚過敏があり、時に仕事に集中できないことへの理解をして頂いている。
- 電話応対や接客、イレギュラー対応は免除されている。
そして、完成した診断書には、「上記の様な配慮のもと就労が継続できている」ということと共に、「事態が整わない条件が生じれば就労そのものが困難になる」と記載されていました。
さらに、「病歴就労状況等申立書」には、日常生活や就労状況での支障について診断書に記載されていない事柄を詳細に書き込みました。<発達障害の病歴就労状況等申立書の記載につきましては、ポイント②をご覧ください。>
一般には、「就労していると受給されにくい」との見方が根強いですが、完成した提出書類の内容から認定へ自信を持って申請することができました。
結果は、『障害厚生年金2級』に認定されました。
【ポイント1】発達障害と就労
発達障害の中でも、大人になって社会に出てから生きづらさを感じ発達障害と分かるケースが増えています。
このようなケースでの障害年金は、最近では2級以上の認定は難しい傾向にあります。
ただし、これはあくまでも傾向であるため、専門家へのご自身の症状を伝えて相談を行う事をオススメします。
なお、障害年金と就労の関係について以下の動画でも詳しく解説をしています。
【ポイント2】発達障害の病歴就労状況申立書
発達障害は、先天的な脳機能の障害とされています。
幼少期から症状が現れるのことも多いですが、近年は大人になってから発覚するケースも増えています。
いずれの場合であっても、病歴就労状況申立書には『生まれてから現在まで』の病歴・通院歴・症状・日常生活の様子などを記入する必要があります。
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