【事例405】うつ病|障害厚生年金3級(「受診状況等証明書」と「診断書」で初診日が異なる事例)

うつ病の障害厚生年金3級

対象者の基本データ

病名 鬱病(うつびょう)
性別 女性
支給額 年額 約59万円
障害の状態
  • 病気が原因で就労できない
  • 一人で外出することができない
  • 希死念慮がある
  • 精神障害者保健福祉手帳 なし
申請結果 障害厚生年金3級

 

ご相談までの経緯

ご相談者様ご自身は、難しい会話が苦手ということで、お母様からご相談を頂きました。

お母様のお話では、ご本人様は高校卒業後、就職し事務のお仕事をされていました。

しかし、単純なミスや忘れ物が異常に多く、職場の方から、毎日、同じことを何度も注意されていたそうです。

やがて、仕事上でのストレスが原因で不安感や不眠の症状が現れました。

休職し休養を取られていましたが症状が続いたため病院を受診することになります。

当初はADHD(注意欠陥多動性障害)の疑いがあると診断され薬物療法を受けておられました。

しかし、症状は一向に改善せず仕事も辞めることになります。

退職後も症状が改善しないため、転院されたところ、うつ病と診断されます。

薬物療法や精神療法を継続し、症状が軽減したため、再度就職をされますが、新しい職場でも人間関係が構築できず同僚からメールやSNSで誹謗・中傷などの嫌がらせが始まりました。

このことがきっかけで、再び、症状が悪化し、仕事も短期間で退職に追い込まれました。

現在も、受診は継続されていますが、1日中臥床していて家事も身の回りの事もできない日が多いそうです。

今後も就労の見通しが立たず、将来に不安を感じ、また、ご家族に負担をかけていることを心苦しく思われていました。

そんな折、すでに障害年金を受給している友人の勧めもあり、可能性があるならばご自身も障害年金を申請したいお考えになり、お母様に相談されました。

お母様も障害年金の申請について賛成されましたが、申請の準備が複雑なため社会保険労務士へ依頼することを決断され、ネットで当事務所のホームページをご覧になりお問い合わせを頂く事になりました。

 

申請結果

発症から現在までの経緯についてお母様にヒアリングさせて頂きました。

まず、申請方法には認定日請求と事後重症請求があります。

ご相談者様の場合は、障害認定日頃は、症状が軽減しており就労もされていましたので、申請方法としては、事後重症請求を選択しました。(申請方法につきましては、ポイント①をご参照ください。)

手続きとしましては、初診の病院から「受診状況等証明書」、現在受診している病院から「診断書」をそれぞれ作成して頂くことになります。

手続きはスムーズに進みましたが、現在の主治医の先生のお考えで、ご相談者様はうつ病での申請なので、初診日は注意欠陥多動性障害と診断された日ではなく、あくまでもうつ病と診断された日であるということで、「受診状況等証明書」と「診断書」で初診日が異なることになりました。

しかし、障害年金の制度では、前発疾病が発達障害で、後発疾病がうつ病の場合は同一疾病として扱われます。

従って、「意見書」を作成し、初診日はあくまでも「受診状況等証明書」に記載された日であることを主張しました。(同一傷病の取り扱いにつきましては、ポイント②をご参照ください。)

また、「診断書」には既存障害として注意欠陥多動性障害と明記されていますので、「病歴・就労状況等申立書」は出生日から現在までの経緯を詳細に記載しました。

全て書類が揃い、初診日についても「意見書」の内容が認められる事を確信し、自信を持って申請することができました。

結果は、『障害厚生年金3級』に認定されました。

 

【ポイント1】「事後重症請求」と「遡及請求」

本来、障害年金は障害認定日(原則初診日から1年6ヵ月後)より請求することが出来ますが、何らかの理由で請求しないまま現在に至った場合は『今後の障害年金』に加えて『過去の障害年金』を請求することも可能です。

『これからの年金』を請求する方法を事後重症請求、『過去の年金』を請求する方法を遡及請求と言い、審査の結果は、上記請求を同時に行った場合であっても、それぞれに別個に結果がでます。

つまり「これからの年金は支給」するけれど、「過去の年金は不支給」という結果もあり得ます。

注意点としては『遡及請求』は事後重症が認められて初めて認定されるため、必ず事後重症請求を『最初または同時』に行う必要があります。

遡及請求を行う時は通常よりも診断書代等の費用がかかりますので、認定の可能性や費用等を考慮しつつ、検討してみてください。

 

【ポイント2】同一傷病として取り扱われる精神疾患

障害年金では、2つ以上の精神疾患が併発していても同一の傷病として取り扱われるケースがあります。
同一傷病と取り扱われる場合の初診日は『先の精神疾患にて初めて病院を受診した日』が初診日となります。

同一疾患と取り扱うケース

  • 発達障害⇒「うつ病」
  • うつ病⇒「発達障害」
  • 統合失調症⇒「発達障害」
  • 知的障害⇒「発達障害」※3級非該当程度の知的障害は含まない
  • 知的障害⇒「うつ病」

 

その他の精神の事例

 

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