目次
対象者の基本データ
病名 | 鬱病(うつびょう) |
---|---|
性別 | 女性 |
支給額 | 年額 約123万円 |
障害の状態 |
|
申請結果 | 障害基礎年金2級 |
ご相談までの経緯
ご相談者様は、平成20年頃から動悸や手が震える症状が現れました。
ただ、病気という認識はなく通常の生活を送っておられました。
ところが、平成24年頃から、不眠の症状が続くようになり受診されました。
当初、内科で不眠症と診断され通院を続けていましたが、不眠は改善せず、新たに気分の落ち込みや意欲の低下といった症状が出てきたためメンタル系の病院を受診されたところ、うつ病と診断され、現在まで薬物治療を継続されています。
今では、自分で自分の事を責め、時には死ぬことも考えてしまうそうです。
仕事も出来ず、家族に経済的な負担をかけていることも大きな負い目になっています。
そんな時、知人の方から障害年金の事を教えて頂き、ご主人様に申請のご相談をされました。
ご主人様からは、とても自分では申請準備が出来ないので専門家への依頼を勧められました。
そこでご主人様が、ネットで当事務所のホームページをご覧になり、ご本人様とご一緒にご相談に来られました。
申請結果
ご本人様は引きこもり傾向が強く、他人とのコミニュケーションを取ることも困難なため、ご主人様から今迄の経緯や現在の症状についてヒアリングしながら申請準備を進めていきました。
まず、初診についてお伺いすると、奥様は10年ほど前にバセドウ病を発症しA病院を受診されました。
その当時から動悸や緊張して手が震えたり、不眠の症状があったそうですが、薬の服薬などは有りませんでした。
その後、不安感や不眠が強まりB病院を受診されて睡眠導入剤などの薬を処方されました。
どちらの病院が初診の病院になるか迷いましたが、A病院では症状は出現しているがなんら治療をうけておらず、B病院が治療の起点であり初診の病院と判断し、B病院に「受診状況等証明書」(初診の証明)を依頼しました。
次に、請求方法について検討しましたが、障害認定日の頃は受診されておらず、事後重症請求で申請することになりました。
必要な診断書は、現在の障害の程度を現す「診断書」のみになります。(障害認定日についてはポイント①、事後重症請求についてはポイント②をご参照ください。)
そこで、予め、ご本人様の日常生活の状況、就労できないことなどについて資料を作成し、「診断書」を依頼する際に主治医の先生にお渡ししました。
完成した「診断書」には、ご本人様の現在の状態が正確に反映されていました。
また、「受診状況証明書」や「診断書」では、ある一時点の情報しか記載されておりません。
これを補足するために発症から現在までの全体的な流れを「病歴・就労等申立書」に記載しました。
全ての書類が完成し、自信を持って申請することができました。
結果は、『障害基礎年金2級』に認定されました。
【ポイント1】初診日が大切な理由
障害年金では、初診日が最も重要とされています。
なぜ重要なのかというと、初診日は以下のように様々な『基準』となる為です。
①制度加入要件
初診日にどの制度に加入していたかで、受けられる年金が決まります。
②保険料納付要件
障害年金を申請するには、初診日の前日から数えて一定期間の保険料を納めている必要があります。
③障害認定日の起算点
原則として『初診日から1年6ヵ月経過した日』に障害の程度を認定します。
これを障害認定日と言い、この日以降で無ければ障害年金の請求が出来ません。
初診日が大切な理由に関しては、以下の動画でもご説明していますのでご参照下さい。
【ポイント2】「事後重症請求」と「遡及請求」
本来、障害年金は障害認定日(原則初診日から1年6ヵ月後)より請求することが出来ますが、何らかの理由で請求しないまま現在に至った場合は『今後の障害年金』に加えて『過去の障害年金』を請求することも可能です。
『これからの年金』を請求する方法を事後重症請求、『過去の年金』を請求する方法を遡及請求と言い、審査の結果は、上記請求を同時に行った場合であっても、それぞれに別個に結果がでます。
つまり「これからの年金は支給」するけれど、「過去の年金は不支給」という結果もあり得ます。
注意点としては『遡及請求』は事後重症が認められて初めて認定されるため、必ず事後重症請求を『最初または同時』に行う必要があります。
遡及請求を行う時は通常よりも診断書代等の費用がかかりますので、認定の可能性や費用等を考慮しつつ、検討してみてください。
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