目次
対象者の基本データ
病名 | 鬱病(うつびょう) |
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性別 | 男性 |
支給額 | 年額 約78万円 |
障害の状態 |
|
申請結果 | 障害基礎年金2級 |
ご相談までの経緯
ご依頼者様は幼少の頃から複雑な家庭環境で育ってきました。
35歳の頃に突然、不眠の症状が現れ、すぐに生きることが嫌になったといいます。
焦りがすごく、近所のA胃腸科・肛門科に駆け込みました。
しかし、メンタル疾患は対象外ということで、簡単な問診だけで治療や処方はなくBメンタルクリニックを紹介されました。
その後、10年の間に転院や15回以上の入院治療をしてきましたが改善は見られなかったといいます。
また、日常生活のほとんどを奥様の助けて成り立っている状況で不眠、不安感、焦燥感、強い希死念慮、自殺企画、大量服薬、倦怠感、意欲低下といった症状が続いているといいます。
その反面、いつも奥様に対して負担を掛けているという焦りから、奥様に黙ってアルバイトを始めるものの長続きをせず、逆にそれをキッカケに体調を崩すという事を繰り返していたといいます。
数年前に奥様と力を合わせて障害年金のチャレンジしましたが不支給となっていたとのことでした。
しかし、生活は苦しく少しでも奥様への負担を減らしたいという思いからご相談にこられました。
申請結果
電話でご相談を頂いた時点で十分に障害年金の可能性があると考えました。
そこで今回のポイントは以下の2点と考え、手続きを進めることとしました。
①前回の申請はナゼ不支給だったのか?
②胃腸科肛門科が初診になるか?
まず、前回の申請の内容を確認するために前回の資料一式の取り寄せを行いました。
その結果、前回も今回同様に日常生活全般に大きな制限があったのが伺えましたが、一つ大きな理由が見つかりました。
基本的に診断書の内容はとても一人では成り立たず奥様の援助が必要という内容でした。
しかし一文だけ「日常生活や労働する能力はあるが・・・」という記載が含まれており、このポジティブな表現がその他の病気による支障を全て打ち消していたのだと予想しました。
たしかに、途中何度かアルバイトを初めたことがありましたが、あくまでもそれは病気の症状の一つとして現れる行動で現実問題としては、いずれも短期間しか継続が出来ませんでした。
そこで、日常の様子について一番近くで見られている奥様より詳細なヒアリングをさせて頂きました。
- 食事は誰がつくるのか?
- もし奥様が作らなければどうなるか?
- 日中は何をして過ごすか?
など
オリジナルアンケートを使って100項目近くのヒアリングにご協力を頂きました。
これにより、普段の問診で伝えきれていない、日常の様子まで先生にお伝えさせて頂くこととしました。
続いてが胃腸科肛門科が初診になるかという問題です。
初診とはその病気で初めて医療機関を受けた日を初診日と言います。
最近の傾向としては内科や胃腸科など精神以外の診療科で受けた場合は初診日を否定されたという事例を聞くことが増えてきました。
そこで、A胃腸科肛門科が現在のうつ病の症状として通院した証明として初診時の様子や自覚症状、その後のBメンタルクリニックへの紹介となった経緯など出来るだけ当時の様子が伝わるように初診証明(受診状況等証明書)を記載して頂きました。
その結果、前回の不支給とは代わり、障害基礎年金2級として認定を得ることが出来ました。
【ポイント1】初診日が大切な理由
障害年金では、初診日が最も重要とされています。
なぜ重要なのかというと、初診日は以下のように様々な『基準』となる為です。
①制度加入要件
初診日にどの制度に加入していたかで、受けられる年金が決まります。
②保険料納付要件
障害年金を申請するには、初診日の前日から数えて一定期間の保険料を納めている必要があります。
③障害認定日の起算点
原則として『初診日から1年6ヵ月経過した日』に障害の程度を認定します。
これを障害認定日と言い、この日以降で無ければ障害年金の請求が出来ません。
【ポイント2】医師への説明
医師に、ご自身のつらい症状を上手に話せなかったり、努めて明るく振舞おうとしたりして、実際の状態を診断書に反映していただけない場合があります。
口頭での説明が難しい場合は、日常生活の状況についてのメモを持参するなどして、医師に伝えることも大切です。
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