目次
対象者の基本データ
病名 | 鬱病(うつびょう) |
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性別 | 男性 |
支給額 | 年額 約78万円 |
障害の状態 |
|
申請結果 | 障害基礎年金2級 |
ご相談までの経緯
現在38歳のご相談者さまは、36歳の時に転職し当初は仮契約という形で入社、その後に正社員へと正式に雇用されました。
しかし入社当初から超過労働を強いられており、その際に不眠・食欲減退・意欲低下等の症状を発症。
近くの内科を受診し『不眠症』として、睡眠薬等の処方を受けていたとの事です。
正社員となった後も労働環境は変わらず、症状は増悪する一方で『うつ病』となってしまいました。
しばらくは勤務を続けましたが、うつ病の悪化のために退職を余儀なくされたとの事です。
退職後は著しい意欲低下により、身のまわりの事にも家族の支援が必要な状況で、とても再就職できる状態にありませんでした。
経済的な不安が強くなり、市役所で相談したところ『障害年金』の申請を勧められ、ネットの調べてみると自分で申請は出来そうにないと感じ、申請代行を依頼したいとして当事務所にご相談がありました。
申請結果
発症の原因をお聞きすると、職場の過重労働などが原因で「うつ病」を発症したとのことで、ご相談時は労災申請のお手続きを行っている最中との事でした。
申請が認められた場合、労災からも年金が支給される可能性があり、実は『労災上の年金』と『障害年金』の両方を同時に受給できるケースでは、一部調整が入ります。(ポイント①)
そのため、もし同時に受給することになったとしても『両方満額支給ではなく一部調整が入る』ということをご説明し、ご理解いただいたうえで障害年金申請のお手続きに進みました。
なおご相談者さまは『自身は障がい者手帳3級だから、障害年金も3級かも知れない』と大変不安に感じておられました。
初診日に国民年金に加入していたため、2級以上に該当する必要があり、もし3級となってしまった場合は障害年金は支給されない事となります。(ポイント②)
しかし『障害年金の等級』と『障がい者手帳の等級』は、それぞれ別の制度であり必ずしも一致するとは限らないのです。(ポイント③)
ただし精神の障害については似ている部分も多いため、注意を払う必要がありました。
対策として診察時では伝えきれていない『現在の症状・生活状況等』をメモにまとめて医師に手渡し、障害の程度が手帳取得時とは変化していることを把握して貰ったうえ診断書に反映して頂きました。
このように現在の症状をしっかりと反映した申請内容とした結果『障害基礎年金2級』と認定され、無事に障害年金を受けることが出来ました。
【ポイント1】労災と障害年金の関係
業務中や通勤中にケガや障害となり、その後も一定の障害が残った・長期間障害が治らない場合は、その程度により『労災保険上の年金』である、傷病(補償)年金・障害(補償)年金等が支給されるケースがあります。
また同様の障害にて『障害年金』を受け取れる場合、障害年金と労災保険年金が両方満額受け取れる訳ではなく、労災保険年金に一部調整が入ります。
【ポイント2】『初診日に加入していた年金制度』と『受給できる等級』
障害年金には主に3種類あり、いずれを申請するかは『初診日に加入していた年金制度』により決まります。
①初診日に国民年金に加入していた場合は『障害基礎年金』
- 対象:20歳未満のため未加入、アルバイト、自営業、主婦等の第3号被保険者、免除申請中等
- 等級:1,2級のいずれかに該当(※)3級はありません。
- 加算:2級以上で子の加算
②初診日に厚生年金に加入していた場合は『障害厚生年金』
- 対象:会社員、社会保険に加入しているアルバイト等
- 等級:1,2、3級のいずれかに該当
- 加算:2級以上で子・配偶者加算
③初診日に共済年金に加入していた場合は『障害共済年金』
- 対象:公務員等
- 等級:1,2、3級のいずれかに該当
- 加算:2級以上で子・配偶者加算
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