
目次
対象者の基本データ
| 病名 | 左変形性股関節症 |
| 性別 | 女性 |
| 支給額 | 年額 約62万円 |
| 障害の状態 | ・長時間の歩行が困難で、10分程度の移動でも痛みが出る ・階段の昇降に手すりが必要で、片足を引きずるようにして上り下りしていた ・和式トイレの使用が困難で、洋式トイレでも立ち上がる際に手すりが必要だった ・掃除機をかける、布団の上げ下ろしなどの家事動作に時間がかかるか、家族に手伝ってもらっていた |
| 申請結果 | 障害厚生年金3級 |
当事務所スタッフによる事例紹介動画
当事務所のスタッフが実際に申請した流れを動画で詳しく説明しています。
当事務所の雰囲気を感じて頂けると思いますので、是非ご覧ください。
ご相談までの経緯
今回のご依頼者様は、左の変形性股関節症と診断され、10年ほど前から股関節の痛みと向き合いながら生活されていた50代の女性です。
ご相談をいただいた当時は、人工関節置換術を受けた直後で、今後の生活に不安を感じられており、障害年金の申請を検討されていました。
人工関節を入れる手術を受けた場合、障害年金の等級では原則として3級に該当する可能性が高いため、ご本人も受給できるかもしれないと希望を持たれていました。
申請手続き
障害年金の申請において、最も重要なのが「初診日」の証明です。
これは、その方の障害に関する最初の受診日を指し、年金の種類や支給の可否に直結するため、とても大切な要素です。
ご依頼者様は、約10年前に地元のA病院を初めて受診し、申請の1年前頃まで通院を続けておられました。
そのため、初診日証明の取得は比較的スムーズに進むと想定されていましたが、想定外の問題が起きました。
A病院に対して、受診状況等証明書の作成を依頼したところ、「うちでは書類は作成しません」と書類作成を断られてしまったのです。
ご本人が直接病院へ出向き、主治医とお話をしてくださったにもかかわらず、結果は変わりませんでした。
5年以内に受診歴がある為、確実にカルテは残っているはずですが、初診日の証明が取得出来ない限り、申請を進める事ができません。
そこで、当社では健康保険組合に対し、診療報酬明細書(いわゆるレセプト)の開示請求を行いました。
もし過去に診療を受けていれば、その記録が健康保険組合に残っている可能性があるからです。
開示請求の結果、平成27年5月に「左変形性股関節症」として診療を開始された記録が確認できました。
診療開始日と傷病名が明記されていたため、初診日の証拠としては十分な内容でした。
さらに、次に通院されていたB病院からも受診状況等証明書を取得し、「以前、他院で股関節症と診断されていた」というご本人の申告内容が記載されており、健康保険組合で取得した初診日証明書類との整合性も取れていることが確認できました。
診断書は人工関節置換術を行ったC病院にて問題なく作成していただくことができ、その後の手続きはスムーズに進める事ができました。
結果
初診日証明については、健康保険組合にて開示したレセプトを証拠資料として添付し、申請を行いました。
提出後は、特に修正や追加書類の要求もなく、障害厚生年金3級として永久認定という結果になりました。
スタッフの振り返り
当初は比較的簡単な案件と見込んでいたものの、最初に通院されていた病院から書類の作成を断られたことで、想定外の困難に直面しました。
しかし、健康保険のレセプトという代替手段を用いることで、無事に初診日を証明し、年金の受給につなげることができました。
制度への理解はもちろんのこと、柔軟な発想と粘り強い対応が大きな力になったと感じています。
【ポイント1】初診日の証明が出来ない場合
障害年金は初診日主義とも言われており、初診日の証明が出来ないと障害年金を受給することが出来ません。
初診日の証明は受診状況等証明書という様式を用いて行います。
この受診状況等証明書は本来であればカルテに基づいて記載をしてもらう必要がありますが、初診病院が廃院している場合や既にカルテが破棄されている場合等は受診状況等証明書が取得できないこととなります。
そこで受診状況等証明書が取得できない場合に使用するのが、受診状況等証明書が添付出来ない申立書です。
この受診状況等証明書が添付出来ない申立書はご自身で最初に受けた医療機関名や場所、受診期間等を記載する書類です。
ただし、この書類を作成するだけでは、客観的証拠が不十分として、申請する初診日を認めてもらうことは出来ません。
申請する初診日が明らかに確認できる客観的な証拠書類を添付して、初めて有効とされます。
客観的な証拠書類としては以下のようなものがあります。
- 身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳
- 身体障害者手帳等の申請時の診断書
- 生命保険、損害保険、労災保険の給付申請時の診断書
- 事業所等の健康診断の記録
- 母子健康手帳
- 健康保険の給付記録
- お薬手帳、領収書、診察券
- 盲学校、ろう学校の在学証明・卒業証書
- 第三者証明
など
受診状況等証明書が取得できない場合でも、証拠書類を積み上げ認められたケースも多くありますので諦めないことが大切です。
なお、以下の動画でもご説明していますのでご参照下さい。
【ポイント2】人工関節は原則3級
人工関節は「原則3級」と決められています。
ただし、症状によって上位等級(2級以上)に認定される可能性もあります。
また3級に該当するためには初診日に厚生年金や共済年金に加入していることが条件となります。
つまり、初診日が国民年金・20歳未満・第3号といった障害基礎年金が対象の場合は人工関節の手術のみでは障害年金の受給は出来ないというものになります。
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