目次
対象者の基本データ
病名 | 慢性腎不全(まんせいじんふぜん) |
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性別 | 女性 |
支給額 | 年額 約78万円 |
障害の状態 |
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申請結果 | 障害基礎年金2級 |
ご相談までの経緯
小学校の頃より健康診断で蛋白を指摘されていたとのことです。
自覚症状が無かった為、放置されていました。
20代前半にアルバイト先の健康診断で尿蛋白を指摘されたことから初めてA病院を受診しましたが、その段階では特別な治療や通院は不要と聞き、通院は継続しませんでした。
その約1年後、熱っぽさや倦怠感から風邪と思いB病院を通院したところ、慢性糸球体腎炎、左腎萎縮(機能的片腎)と診断をされたとのことです。
20代中頃までは継続通院をされましたが、自覚症状が無かったため、自己中断されました。
31歳の頃、肺炎で入院した事をキッカケに尿毒症が進行し、維持透析を開始しました。
週に3回の透析を行ってきました。
35歳の頃に知人からの紹介で障害年金を知り自力で請求しましたが、A病院が既に廃院しており初診日の証明が出来ないことを理由に不支給となりました。
一旦は諦めていたのですが、透析治療を行いながらの就労が負担となり休職が増えていた事を理由に、再チャレンジ出来ないかと社労士へ相談を繰り返す中で、当事務所へご相談に来られました。
申請結果
障害年金は一度不支給となると受け取ることは一生出来ないと勘違いをされている方が
おられますが、条件を満たすことが出来れば、再チャレンジで認定となる事もあります。
ご相談者のケースでは、自力申請で不支給となった理由はA病院での初診日の証明が出来ないという点でした。
腎臓の疾病で、今回のように時間の経過とともに緩やかに悪化して、気づいたときには初診日を証明出来ず、本来なら受け取ることが出来た障害年金を失うという相談が多く寄せられています。
今回は視点を変えて、初診日が大切な理由から考えを進めることとしました。
その理由は以下のようになります。
①初診日当時に加入していたのは国民年金かそれとも厚生年金か?
②初診日の前日時点で決められた分だけ年金を納めているか?
逆をいえば、受診状況等証明書による初診証明が出来なくても、この2点を推定できれば認定を受けられるという事になります。
そこで、まずカルテの中に大まかでも、それらを推測できそうな記録は無いかを確認しました。
そして些細なエピソードでも診断書に反映してもらうことにしました。
その結果、点による初診日の特定は出来ませんでしたが、「○年~○年の間」という
帯での証拠を揃えることが出来ました。
その帯内であれば、いつが初診日であっても国民年金の納付要件を満たすという事を申し立てた結果、障害基礎年金2級として認定されました。
【ポイント1】初診日の証明
障害年金は初診日主義とも言われています。
つまり、障がいがどんなに重たくても初診日の証明が出来なければ障害年金を受給することが出来ないということです。
カルテの法定保存期間が5年と定められている為、初診日の証明が出来ず悔しい思いをする方が多くおられるのも事実です。
そんな時でも証拠を積み上げて、間接的に初診日を証明出来たケースが多くありますので諦めない事が大切です!
【ポイント2】人工透析は働いても受給可能
人工透析の等級は、原則『2級』と定められています。
(※)症状によってはさらに上位等級の可能性もあり。
仕事が出来ていると「障害年金の受給は無理かな?」を思いがちですが、人工透析を実施していることで就労や生活に制限が出てきます。
そのため、人工透析の場合は「就労の有無・生活への支障」などに関わらず、2級と認定されます。
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