【事例217】統合失調症|障害共済年金1級(傷病手当金を受給されていた事例)

統合失調症|障害共済年金1級

対象者の基本データ

病名 統合失調症(とうごうしっちょうしょう)
性別 男性
支給額 年額 約245万円
障害の状態
  • 陰性症状が出現している
  • 1日中、フトンの上で過ごしている
  • 労働能力:なし
  • 精神障がい者保健福祉手帳:なし
申請結果 障害共済年金1級

 

ご相談までの経緯

公務員として就労していたMさんは、50歳ころに職場での人間関係やストレスから不眠が続くようになりました。

時には幻覚や幻聴があり、次第にお仕事を欠勤する頻度が増えていったといいます。

心配した家族に連れられて精神科を受診したところ、統合失調症と診断されたとのことです。

医師からは治療に専念することと告げられたため、お仕事は退職することとなりました。

退職後は傷病手当金により生活をしていたとのことです。

ただ、傷病手当金は最大で1年6ヶ月で終了してしまうため、その後の生活の事を考え奥様がご相談に来られました。

 

申請結果

Mさんは初診日の段階で共済年金に加入していたため、障害共済年金での請求となりました。(参考ポイント①)

手続きに着手の時点で傷病手当金を1年程受け取っており、あと6ヶ月で終了となる状況でした。

Mさんの生活を考えると傷病手当金の終了後、障害年金の支給までに空白が空いてしまうと生活に大きな影響が出ることが想像できました。

そのためにも、障害年金の手続きを急ぎで進める事となりました。

ご本人様は対人コミュニケーションが難しいため、奥様にご協力を頂きながら手続きを進めていきました。

中でも、統合失調症の症状として特徴的な幻覚・幻聴・妄想といった症状について主治医に伝え切れていないエピソードもヒアリングさせて頂きました。

それらの症状に伴う家での様子についても、先生に橋渡しを行うことで、ご依頼者様の状態を適切に表現した診断書を準備することが出来ました。

その結果、障害共済年金1級として認定を得ることができました。

 

【ポイント1】障害共済年金の手続きについて

初診日の段階で共済年金に加入していた場合、障害共済年金での請求となります。

障害共済年金による請求の場合、一般的な基礎年金や厚生年金の請求と比べて、必要な書類や提出のタイミングが異なる事があります。

まずは加入していた共済組合へ連絡して手続きの方法を確認してから着手することとなります。

 

【ポイント2】傷病手当金と障害年金の関係

傷病手当金とは社会保険のうち健康保険に設けられた制度です。

病気やケガで、お仕事が出来ない場合に最大で1年6ヶ月間の生活を保障する事を目的としています。

障害厚生(共済)年金を受給している人が、同じ傷病で傷病手当金を受けることが出来るケースでは、障害厚生(共済)年金が優先して支給され、傷病手当金は支給停止されます。

ただし、受給する障害厚生年金の額を360で割った額が、傷病手当金の1日当たりの額より少ないときは、その差額が傷病手当金として支給されます。

 

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