【事例21】統合失調症|障害基礎年金2級(通院期間のブランクがある事例)

統合失調症基礎年金2級事例

対象者の基本データ

病名 統合失調症(とうごうしっちょうしょう)
性別 女性
支給額 年額 約100万円
障害の状態
  • 幻聴等の陽性症状がある
  • 被害妄想が強い為人と会うことが難く、家族以外との交流はなし
  • 生活の多くは家族の支援が必要
  • 就労できるよう状態ではなく、現在は無職
  • 精神障害者保健福祉手帳は持っていない
申請結果 障害基礎年金2級

 

ご相談までの経緯

25歳頃、アルバイト先で同僚たちから悪口を言われているように感じたのがきっかけだったそうです。

落ち着いて仕事をすることが出来なくなり、上司に相談して配置転換をして貰いました。

しかしいないはずの同僚たちの声が聞こえ、不安定となり出勤が出来なくなったそうです。

仕事を退職し家にこもりましたが、自宅内でも罵声などが聞こえパニック状態となり、心療内科を受診したとのことです。

当初『不安障害』と診断され、投薬治療を開始。

しかし症状は全く改善せず、わずか1回で勝手に通院を中断してしまいます。

その後も症状は続き、徐々に悪化。

罵声や悪口が聞こえるとパニック状態になり、なだめる両親に暴言を吐くこともあったそうです。

心配した両親が別の精神科へ連れて行ったところ『統合失調症』と診断されました。

陽性症状が続いており就労は到底できる状態では無く、日常生活にも家族の支援が必須。

医師から障害年金を貰える可能性があると、勧められ当事務所にご相談がありました。

 

申請結果

お話を聞くとお電話頂いた日は調子の良い日だったそうです。

普段は電話さえ難しいとの事でした。

よって、お手続きは基本的に「LINEまたは郵送で行い、お返事は調子の良いときに」と取り決めて進めることにしました。

申請準備を進めると通院歴がまばらで、1年以上も通院していない期間もありました。

統合失調症には病識欠如というものがあり、症状をしっかりと認識できず治療の必要性を感じないとして、医療機関への通院を拒んだり、中断してしまうことがあります。

決して症状が改善している訳ではないのですが、審査では『通院していない程症状が落ち着いていた・改善していた』と評価される可能性もあります。

そのため当時の症状・生活状況などをご家族からお聞きし、申立書にて症状が継続していたことを主張していきました。

また診察時は考えがまとまらず上手く病状を説明できていないとの事でしたので、診断書を作成して貰う前に、一度ご家族同伴にて診察を受けて貰い、ご家族からみた家庭内でのご本人の様子を医師に伝えてもらいました。

しっかり診断書に病状を反映して貰い、申立書でも未治療期間の症状等や生活での支障・制限等を主張した結果、無事『障害基礎年金2級』に認定されました。

 

【ポイント1】統合失調症の特性に注意

統合失調症には「病識欠如」といった特性があります。

自身が病気であるという認識が乏しい場合、症状や状況を正確に伝えることが難しくなってしまいます

そのため障害年金の申請には、ご家族や職場といった周囲の支援が必要です。

統合失調症にて障害年金の申請を検討されている場合は、身近な方が窓口となることでよりスムーズに申請できる可能性があります。

 

【ポイント2】通院期間のブランク

長期に渡って、疾患を患っている場合、通院期間にブランクがある方もいらっしゃると思います。

『通院出来ていなかった期間はなぜ通院出来ていなかったのか?』

  • 病状が回復していた
  • 症状はあったが自己判断で中断してしまった
  • 何度も受診しようと試みたけど外出困難で家から出ることが出来なかった

この通院出来ていなかった期間の長さや理由によっては、初診日が変更となる可能性があります。

通院経過も審査では見られますので、判断に困った場合はぜひ1度ご相談ください。

 

【ポイント3】診断書(精神の障害用)

精神疾患での障害年金を申請する際は、病状だけでなく、日常生活及び就労の状況もポイントとなります。

診察時に日常生活及び就労状況をうまく伝えられていない場合は、実際の状況と不釣合いな診断書となってしまう可能性があります。

診断書作成前に医師から詳しく状況を聞かれることもありますが、ヒアリングがない場合などは自ら伝えることが大事です。

伝え方は様々ですが、限られた診察時間では全てを伝えることが困難、医師を目の前にするとうまく伝えられないなどの場合はメモなどに記載してお渡しするのがよいでしょう。

 

その他の精神の事例

 

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