【事例193】肉芽腫(右膝人工関節)|障害共済年金3級

肉芽腫(右膝人工関節)|障害共済年金3級

対象者の基本データ

病名 肉芽腫(右膝人工関節)
性別 女性
支給額 年額 約58万円
障害の状態
  • 初めに大腿骨骨折による(右大腿骨)人工関節全置換術を施行
  • 次に肉芽腫による(右膝)人工関節全置換術を施行
  • 現在は痛みがあるため松葉杖を利用中
  • 就労はしているが、松葉杖のため職場で支援を受けている
  • 身体障がい者手帳4級
申請結果 障害共済年金3級

 

ご相談までの経緯

公務員として働くGさんは20歳頃に自宅で転倒しました。

その際に脚を強打、痛みのあまり起き上がることもできず救急車で搬送されたそうです。

検査の結果、大腿骨を骨折していることが判明し、人工関節置換術を受けることになりました。

術後リハビリの甲斐もあって、脚は痛みも無く歩行も可能となりました。

日常生活にも支障は無く、職場に復帰もしたそうです。

33歳頃に突然、人工関節のある右脚(主に膝)が痛み始めました。

日を追うごとに痛みは増し、耐えかね近くの病院を受診したそうです。

Gさんは人工関節の影響で痛みが出ていると考えていましたが、結果は『骨肉腫』と診断されました。

すぐに入院となり『右膝の腫瘍広範部切除術』と『右膝人工関節全置換術』を受けました。

術後は化学療法を実施、その後転移もないとの事で、入院から約6ヵ月で退院となりました。

自宅に戻ることはできましたが、痛みがあるためしばらくは松葉杖での生活を余儀なくされ、職場でも多くの支援が必要となりました。

そのような状態の中、いつまで仕事が続けられるか不安となり、障害年金も視野に入れたいと当事務所にご相談がありました。

 

申請結果

人工関節は原則3級となります。

これは、複数の部位に人工関節があっても変わりません。

Gさんは右膝と右大腿骨の2箇所にそれぞれ人工関節を挿入していますが、この場合であっても3級となります。(※ポイント①)

3級と認められるためには初診日が『厚生年金に加入中』である必要があります。
(※)初診日に国民年金へ加入している場合は3級はありません。

よって、まずは『3級に該当する可能性』を検討しました。

最初の人工関節挿入のきっかけとなった『大腿骨骨折』での初診時は『国民年金』に加入中、一方、右膝の人工関節挿入のきっかけとなった『肉芽腫』の初診時は『厚生年金』に加入中です。

このことから、初診日が『肉芽腫にて初めて病院を受診した日』であれば、3級と認められます。

ここで問題となったのが、相当因果関係です。(※ポイント②)

もし『大腿骨人工関節』と『右膝人工関節』との間に、何らかの関係性があれば障害年金上、相当因果関係ありとされ、初診日は大腿骨を骨折して搬送された日になってしまいます。

それぞれの間に相当因果関係が無いか、医師に確認したところ『まったく関係はない』との事でした。

診断書にもその旨を反映、申立書にも相当因果関係が無いことを主張しました。

結果、初診日は厚生年金加入中にあると認定され、無事に『障害厚生年金3級』を受けることが出来ました。

 

【ポイント1】人工関節は原則3級

人工関節は「原則3級」と決められています。

ただし、症状によって上位等級(2級以上)に認定される可能性もあります。

また3級に該当するためには初診日に厚生年金や共済年金に加入していることが条件となります。

つまり、初診日が国民年金・20歳未満・第3号といった障害基礎年金が対象の場合は人工関節の手術のみでは障害年金の受給は出来ないというものになります。

 

【ポイント2】 相当因果関係について

「前発の傷病がなければ、後発の傷病は起らなかったであろう」と認められる場合は相当因果関係ありとして、前後の傷病が同一の傷病として取り扱われます。

つまり、前発の傷病で最初に医師の診療を受けた日が後発傷病の初診日として取り扱われることとなります。

例えば相当因果関係があるものとしては以下のようなものがあります。

  • 糖尿病→糖尿病性網膜症または糖尿病性腎症、糖尿病性神経障害、糖尿病性動脈閉塞症等
  • 糸球体腎炎(ネフローゼ含む)、多発性のう胞腎、腎盂腎炎→慢性腎不全
  • 肝炎→肝硬変
  • 結核の化学療法による副作用として聴力障害
  • ステロイド投薬→大腿骨頭壊死
  • 事故または脳血管疾患→精神障害

他の傷病でも相当因果関係ありとされる傷病はある為、複数傷病を発症している場合は初診日の取扱いには注意が必要です。

 

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