目次
対象者の基本データ
病名 | 右股人工骨頭頭部骨折 |
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性別 | 男性 |
支給額 | 年額 約58万円 |
障害の状態 | ・右股関節を人工関節へ置換。 ・手術後は杖の使用も無しで生活ができている。 ・手術後はフルタイムで就労をしている。 |
申請結果 | 障害厚生年金3級 |
ご相談までの経緯
もともと10年以上前に大腿骨頭壊死により人工骨頭へと置換術を行っていました。
術後は日常生活や仕事など問題なく送ることができていました。
そんなある日、雨上がりのタイルに足が滑り転倒されたとのことです。
転倒後はすぐは痛みは感じなかったものの、立ち上がることが出来ず、救急搬送となりました。
病院で検査を受けたところ、股関節の骨折と人工骨頭の損傷が判明した為、スグに人工関節の置換術となりました。
医師の話では「人工骨頭でなければ、ここまで大きな骨折にはならなかった」と言われたそうです。
術後のリハビリ中に障害年金の事を知り、社労士へ相談にいたりました。
申請結果
当事務所にたどり着くまでに、いくつかの社労士事務所へ相談をされたとのことでした。
そこでの回答は以下のような内容だったとのことです。
「先生が昔の人工骨頭と今回の骨折に関係があると言っているという事は初診日が国民年金となり障害年金は貰えない」※以下ポイント①参照
たしかに、人工骨頭は金属の人工骨なので、転倒時のインパクトは通常の骨に比べて大きかったことが想像できます。
当事務所では医師の医学的な見解と、社会保険上の法律的な見解を分けて考えることにしました。
その結果、今回のケースは十分に障害年金の受給の可能性が十分にあると判断し、手続きを行ったところ、障害厚生年金3級で認定を受けることができました。
【ポイント1】人工関節と障害年金
人工関節(人工骨頭)は障害年金3級として認定されます。
障害年金3級は初診日時点で厚生年金か共済年金に加入している事が条件となります。
つまり、今回のご依頼者様の場合、10年以上前の大腿骨頭壊死が初診として認められてしまうと、当時は国民年金の期間だったため、障害年金を受けることが出来ないということになります。
今回はタクシー運転手として厚生年金に加入していた転倒の日を初診日として認めてもらう事で、障害厚生年金3級を受けることとなりました。
【ポイント2】 人工関節はいつから請求できる?
原則的には障害年金は初診日から1年6ヶ月経過後に障害年金が請求できる様になります。
しかし、人工関節は障害認定日の特例が認められています。
初診日から1年6ヶ月以内に手術を行った場合はその日以降であれば障害年金の請求が可能となります。
また、障害年金を貰えたのを知らずに長年来た場合であっても、この特例に該当する場合であればもらい忘れていた障害年金を最大5年分まで遡って受給出来る可能性があります。
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