【事例122】双極性障害|障害厚生年金3級(精神疾患で一人暮らしの事例)

双極性障害|障害厚生年金3級 

対象者の基本データ

病名 双極性障害(そうきょくせいしょうがい)
性別 女性
支給額 年額 約59万円
障害の状態
  • 一人暮らし
  • 抑うつ状態の時は1日の殆どを横になって過ごしている
  • そう状態の時は判断能力が欠如し、自分の意に反した行動を繰り返してしまう
  • 精神障害者保健福祉手帳なし
申請結果 障害厚生年金3級

 

ご相談までの経緯

2年程前よりいつも何かして動いていないと落ち着かずイライラしてしまうようになったそうです。

多動症状により、疲れているにも関わらず、夜眠れず、次第に倦怠感や眩暈、頭痛などの身体的症状が続くようになりました。

身体的に限界を迎え、睡眠薬を貰おうとメンタルクリニックを受診するようになりました。

初診時に「仮面うつ病」と診断され、その日は処方を受けられましたが薬の効果が見られなかったため、再度受診した際に「双極性感情障害」と診断を受け、治療開始されました。

躁状態で活動性が以上に高い時期もありましたが、長くは続かず、抑うつ状態で日常生活もままならないほど行動抑制が強くなる時期が繰り返し出現していました。

経済的事情から無理をして就職をしましたが、体調も芳しくなく、数ヶ月で退職してしまい、医師からも今は仕事のことは考えないように言われていました。

また精神的に体調を崩す前より身体的傷病からも仕事や生活に支障が続いており、今後の生活に不安を抱えていた中、障害年金を知り、手続きのことで当事務所にご相談をいただきました。

 

申請結果

今回、ご請求者さまは精神障害だけでなく、肢体の障害も患っていました。

複数の障害で併合認定を行うべきかどうか検討するためにそれぞれの症状についてヒアリングを行いました。

肢体の障害では3級にも該当しない可能性があり、また傷病混同とされ、障害状態が確認出来ないとされるおそれもあった為、該当の可能性の高い精神の障害に絞って申請を行うことにしました。(ポイント①)

精神疾患ではまだ通院歴は浅く、本来請求での申請が可能と考え、準備を進めていきました。(ポイント②)

今回は初診から今現在まで同じ病院に通院されていたため、初診日の証明になる受診状況等証明書は不要で診断書1枚で申請が可能です。

ご請求者さまは障害年金の申請目前にやむを得ない事情で一人暮らし(ポイント③)となっていたため、医師へ具体的な生活状況の橋渡しを行うとともに、病歴就労状況等申立書では一人暮らしとなった理由を明確にし、具体的な生活状況についても記載を行いました。

申請の結果、障害厚生年金3級として認定され、障害認定日の翌月分から年金を受取ることができました。

 

【ポイント1】複数傷病がある場合は併合認定も検討

2つ以上の障害がある場合、それぞれの傷病について申請することで、障害の状態を併せて認定されると受給の可能性が高くなったり、更に上位等級での認定となることがあります。

全ての傷病で併合認定が出来るわけではないため、複数障害がある場合は、闇雲に申請するのではなく、どのように組み立てて申請していくか検討する必要があります。

複数傷病でどのように手続きを進めていくのが良いか判断が難しい場合はぜひ専門家へご相談ください。

 

【ポイント2】障害認定日から1年以内の請求方法

障害認定日から1年以内に障害年金を請求する方法を本来請求(障害認定日請求)と言います。

診断書は、原則『障害認定日から3ヵ月以内のもの』を用意します。

認定された場合は、障害認定日の翌月から障害年金が支給されます。

なお、障害認定日から1年以上経過してから障害認定日請求を行う場合は、下記の2枚の診断書が必要となります。

  • 原則、障害認定日から「3ヵ月以内」のもの:1枚
  • 請求日から「3ヵ月以前」のもの:1枚

 

【ポイント3】『単身』で生活している場合(精神の障害)

精神の障害では、生活での支障が審査に大きく影響します。

認定される方の多くは、生活に大きな支障があるため周囲の支援や援助が必要な事が多く、単身で生活することが困難なケースが殆どとされています。

このような経緯から、一人暮らしをしている場合『自立した生活を送れている』と評価される可能性があります。

しかし単身生活であっても、家族等以外(ヘルパー等の生活支援)や日常生活が成り立っていない状況の場合は、申請内容に反映することで認定の確立を上げることができます。

 

その他の精神の事例

 

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