統合失調症で通院を続けるなかで、障害者手帳の取得を考え始める方は多くいらっしゃいます。ただ、いざ調べてみると「自分は何級になるのか」「障害年金の等級と同じなのか」がわかりにくいと感じられるのではないでしょうか。
この記事では、統合失調症の方が対象となる精神障害者保健福祉手帳について、等級がどのように判定されるのか、申請の流れはどうなるのかを、厚生労働省の通知原本にもとづいて整理します。あわせて、混同されやすい障害年金の等級との関係も解説します。
なお、ご自身の症状がどの状態に当たるかという医学的な判断は主治医の領域です。この記事では、制度上の判定の仕組みに絞ってご説明します。
統合失調症は精神障害者保健福祉手帳の対象です
まず、統合失調症が手帳の対象になるのかどうかを確認します。結論として、統合失調症は精神障害者保健福祉手帳の対象疾患であり、判定基準のなかでも独立した区分が設けられています。ここでは制度の根拠と、申請できる時期を押さえます。
手帳の根拠と、申請の窓口
精神障害者保健福祉手帳は、精神保健及び精神障害者福祉に関する法律(精神保健福祉法)第45条にもとづく制度です。
交付を行うのは都道府県知事(指定都市においては指定都市の長)で、申請は居住地を管轄する市町村長を経て提出します。実際に書類を出す窓口は、お住まいの市区町村の担当課となります。
判定基準は、統合失調症、気分(感情)障害、非定型精神病、てんかん、中毒精神病、器質性精神障害、発達障害、その他の精神疾患の8区分ごとに状態を示しており、統合失調症はその筆頭に置かれています。
なお、申請はご本人が行うことが原則ですが、実施要領では家族や医療機関職員が申請手続を代行することも差し支えないとされています。体調の波があって窓口に行きにくい方は、この点を覚えておかれると安心です。
診断書による申請は、初診日から6か月を経過した後
手帳の申請に使う診断書は、精神障害に係る初診日から6か月を経過した日以後のものに限られます。
精神保健指定医その他精神障害の診断又は治療に従事する医師の診断書(別紙様式2。精神障害に係る初診日から6か月を経過した日以後におけるものに限る。)
(出典:厚生労働省「精神障害者保健福祉手帳制度実施要領について」平成7年〔1995年〕9月12日 健医発第1132号〔令和7年〔2025年〕10月29日 障発1029第2号による一部改正後〕第2の1(2)①)
ここでいう初診日は、手帳の交付を求める精神疾患について初めて医師の診療を受けた日を指します。診断が確定した日ではありません。
厚生労働省の通知では、その精神疾患について前医による治療経過がある場合には、前医の初診日を記載することになるとされています。転院を重ねている方は、いま通っている病院の初診日ではなく、さかのぼった時点が起算点になり得るということです。
統合失調症の手帳の等級はどう判定されるのか
手帳の等級は、症状の重さだけで決まるものではありません。判定基準は「精神疾患(機能障害)の状態」と「能力障害(活動制限)の状態」という2つの軸を置き、その両面から総合的に判定すると定めています。ここでは1つ目の軸を見ていきます。
なお厚生労働省の通知は、この2つの軸の関係について「精神疾患の種類によって、また、精神疾患(機能障害)の状態によって……必ずしも同じではないため、一律に論じることはできない」としています。両者が常に同じ重みで見られるわけではない、ということです。
判定は4つの段階を追って行われます
判定基準は、等級判定の手順を次の4段階と定めています。
- 精神疾患の存在の確認
- 精神疾患(機能障害)の状態の確認
- 能力障害(活動制限)の状態の確認
- 精神障害の程度の総合判定
診断名がついていることは1段階目にすぎません。そこから状態の確認を経て、最後に総合判定が行われる構造です。
統合失調症の等級別の記載
判定基準の別紙には、等級ごとに「統合失調症によるものにあっては」で始まる記載が置かれています。原文は次のとおりです。
| 等級 | 精神疾患(機能障害)の状態(統合失調症の記載) |
|---|---|
| 1級 | 高度の残遺状態又は高度の病状があるため、高度の人格変化、思考障害、その他妄想・幻覚等の異常体験があるもの |
| 2級 | 残遺状態又は病状があるため、人格変化、思考障害、その他の妄想幻覚等の異常体験があるもの |
| 3級 | 残遺状態又は病状があり、人格変化の程度は著しくはないが、思考障害、その他の妄想・幻覚等の異常体験があるもの |
(出典:厚生労働省「精神障害者保健福祉手帳の障害等級の判定基準について」平成7年〔1995年〕9月12日 健医発第1133号〔平成25年〔2013年〕4月26日 障発0426第5号による一部改正後〕別紙)
3つの等級を見比べると、使われている言葉はほぼ同じで、違いは「高度の」が付くかどうか、そして人格変化の程度に「著しくはないが」という限定が付くかどうかに集約されていることがわかります。
ただし、この欄の文言だけで等級が決まるわけではありません。等級は、次の章で扱う能力障害(活動制限)の状態とあわせた総合判定によって決まります。
「残遺状態」「病状」「人格変化」は制度上どう説明されているか
判定基準の別添1は、統合失調症について用語の意味を説明しています。手帳の等級を理解するうえで欠かせない部分です。
- 残遺状態:急性期を経過した後に、活動性の低下、感情平板化、自発性の欠如、会話量とその内容の貧困、自己管理と社会的役割遂行能力の低下といった陰性症状が支配的になった状態
- 病状:残遺状態に現れる陰性症状と対比的に使われる語で、幻覚等の知覚の障害、妄想、興奮や昏迷といった陽性症状を指す
- 人格変化:陰性症状や陽性症状が慢性的に持続することで、持続的な思考過程の障害や言語的コミュニケーションの障害が生じ、その人らしさが失われたり変化したりする場合
さらに、運用留意事項の通知では、1級の記載にある「高度の」が何を意味するかまで示されています。
(a) 高度の残遺状態とは、陰性症状が高度かつ持続的で、自己管理や社会的役割遂行能力が著しく妨げられた状態をいう。
(出典:厚生労働省「精神障害者保健福祉手帳の障害等級の判定基準の運用に当たって留意すべき事項について」平成7年〔1995年〕9月12日 健医精発第46号〔平成23年〔2011年〕3月3日 障精発0303第2号による一部改正後〕2(4)①)
(b) 高度の病状とは、陽性症状が高度でかつおよそ6ヶ月を超える長期に渡ることが予測される場合をいう。
(c) 高度の人格変化とは、持続的な思考形式の障害や言語的コミュニケーションの障害が高度かつ持続的で、自己管理や社会的役割遂行能力が著しく妨げられた状態をいう。
注意したいのは、「高度」かどうかの判断要素が状態ごとに異なる点です。高度の残遺状態と高度の人格変化では、症状の持続性に加えて、自己管理や社会的役割遂行能力への著しい支障が求められています。一方、高度の病状については、陽性症状の程度と、およそ6か月を超える長期にわたることが予測されるかどうかが示されており、生活機能への支障は要件として書かれていません。いずれにしても、症状が一時的に目立つかどうかではなく、経過が重視されている点は共通しています。
なお同じ通知は、判定にあたって現時点の状態だけでなく、おおむね過去2年間の状態や、おおむね今後2年間に予想される状態も考慮するとしています。また、状態の判断は長期間の薬物治療下における状態で行うことを原則としています。治療内容そのものについては主治医にご確認ください。
もう一方の軸「能力障害(活動制限)の状態」
2つ目の軸は、日常生活や社会生活にどの程度の支障が生じているかという観点です。手帳の診断書でもっとも分量が割かれる部分であり、統合失調症の方の等級を左右しやすい箇所でもあります。
診断書で判定される8つの項目
診断書の「日常生活能力の判定」欄では、次の8項目について、それぞれ4段階で判定されます。
- 適切な食事摂取
- 身辺の清潔保持、規則正しい生活
- 金銭管理と買物
- 通院と服薬
- 他人との意思伝達・対人関係
- 身辺の安全保持・危機対応
- 社会的手続や公共施設の利用
- 趣味・娯楽への関心、文化的社会的活動への参加
ここでいう「援助」とは、助言、指導、介助等を指します。また判定は、年齢相応の能力と比較のうえで行うとされています。
厚生労働省の通知は、この8項目について「どの項目にどの程度のレベルがいくつ示されていれば何級であるという基準は示しがたいが、疾患の特性等を考慮して、総合的に判断する必要がある」としています。一律の計算式があるわけではなく、疾患の特性を踏まえた総合判断によるということです。
「日常生活能力の程度」と等級のおおよその対応
診断書にはもう一つ、「日常生活能力の程度」を(1)〜(5)から一つ選ぶ欄があります。運用留意事項の通知では、この欄と障害等級の関係がおおむね次のとおりと示されています。
| 日常生活能力の程度 | 障害等級 |
|---|---|
| (1) 精神障害を認めるが、日常生活及び社会生活は普通にできる | 非該当 |
| (2) 精神障害を認め、日常生活又は社会生活に一定の制限を受ける | おおむね3級程度 |
| (3) 精神障害を認め、日常生活に著しい制限を受けており、時に応じて援助を必要とする | おおむね2級程度 |
| (4) 精神障害を認め、日常生活に著しい制限を受けており、常時援助を必要とする | おおむね1級程度 |
| (5) 精神障害を認め、身の回りのことはほとんどできない | おおむね1級程度 |
(出典:厚生労働省「精神障害者保健福祉手帳の障害等級の判定基準の運用に当たって留意すべき事項について」健医精発第46号 3(6))
あくまで「おおむね」の対応であり、診断書のその他の記載内容も参考にして総合的に判定するとされています。この表だけで等級が確定するわけではない点にご注意ください。
「保護的な環境ではない状態」を想定して判断されます
判定にあたっては、入院しているような保護的な環境ではなく、アパート等で単身生活を行った場合を想定します。
診断書の記入について定めた通知は、さらに具体的に、入所や在宅で家族と同居であっても、支援者や家族がいない状況での状態を想定するとしています。
ご家族が家事や服薬管理を支えているために日常生活が成り立っているという場合、その支えがなかったらどうなるかが判定の前提になる、ということです。
手帳の申請手続きと診断書のポイント
ここからは実際の手続きです。必要な書類には、どの申請でも共通するものと、障害の状態を確認するために添えるものがあります。この区別を知っておくと、窓口で戸惑いにくくなります。
必要な書類は「申請書」+「障害の状態を確認する書類」
申請書(別紙様式1)は、どの申請でも必要です。そのうえで、障害の状態を確認する書類として、次の3つのパターンがあります。
| パターン | 添える書類 | 精神保健福祉センターの判定 |
|---|---|---|
| ①医師の診断書 | 診断書(別紙様式2) | あり |
| ②年金関係書類 | 精神障害を支給事由とする所定の年金給付を現に受けていることを証する書類の写し(年金証書等と直近の年金振込通知書等。特別障害給付金受給資格者証等も含まれます) | なし |
| ③マイナンバーを活用した情報連携 | ②の年金給付等を現に受けていること等を情報連携で確認できる場合に限り、①②の添付を省略できる | なし |
③は「誰でも使える3つ目の申請方法」ではありません。実施要領のただし書きは、マイナンバーを活用した情報連携によって②の年金給付等を現に受けていること等を把握する場合に、①②の書類の添付を不要とするものです。マイナンバーを示せば診断書も年金関係書類も要らなくなる、という趣旨ではない点にご注意ください。
また、②③のいずれも対象となるのは精神障害を支給事由とする年金給付等です。たとえば身体の障害を支給事由として障害年金を受給しているだけでは、このルートの対象とはいえません。
なお、この情報連携で省略できるのは診断書や年金証書等であって、申請書は別途必要です。自治体によっては同意書の添付は省略できないと案内しているところもあります。同様の規定は更新申請や障害等級の変更申請にも置かれています。
写真については、新規交付の申請では添付書類として掲げられていますが、例外もあります。実施要領は、申請者が写真の表示に応じられない場合、受けられるサービスに差異が生じることがあり得ることを説明したうえで、やむを得ない理由がある場合として写真を表示しない手帳の交付も差し支えないとしています。これを受けて、写真の提出自体を不要と案内している自治体もあります。
さらに更新申請では、写真が必要になるのは障害等級の変更があった場合、または先に交付した手帳の有効期限の更新欄に余白がなくなった場合とされています。写真の規格や運用は自治体・様式によって異なるため、申請先の案内をご確認ください。
診断書は「診察の日の状態」だけを書くものではありません
統合失調症のように状態に波がある場合、「調子のよい日に診察を受けたら軽く見られるのでは」と心配される方は少なくありません。しかし制度の側は、そのような見方をしていません。診断書の記入について定めた通知は、次のように求めています。
また、現時点のみでなく、これまでおおむね2年間に認められ(高次脳機能障害の場合は現疾患発症以降に生活能力の低下が生じたことを確認する)、また、おおむね今後2年間に予想される生活能力の状態も含めて判定し記載する。
(出典:厚生労働省「精神障害者保健福祉手帳の診断書の記入に当たって留意すべき事項について」平成7年〔1995年〕9月12日 健医精発第45号〔令和2年〔2020年〕4月1日 障精発0401第1号による一部改正後〕Ⅱ6)
同じ通知は、「現在の病状、状態像等」の欄についても、記入時点のみでなく、おおむね過去2年間に認められたもの、おおむね今後2年間に予想されるものを含めて記載するとしています。診断書には「発病から現在までの病歴及び治療の経過、内容」を記入する欄も別に設けられています。
つまり、制度は2年程度の幅で判定するよう求めているわけです。問題になりやすいのは、その判断材料が主治医に十分伝わっていないことのほうです。調子を崩していた時期の生活の様子や、日によってどれくらい差があるのかを、診察の場で伝えておかれることをおすすめします。
交付までの期間・様式・有効期限・更新
交付の可否の決定は、市町村長が申請書を受理した日から概ね1か月以内に行うことが望ましいとされています。
手帳の様式は、紙の様式(別紙様式4)のほか、交付を受ける方が希望する場合にはカードの様式(別紙様式5)を選ぶこともできます。取扱いは自治体によって異なりますので、申請時にご確認ください。
手帳に記載される交付日は市町村長が申請書を受理した日で、有効期限は交付日から2年が経過する日の属する月の末日です。更新の申請は、有効期限の日の3か月前から行うことができ、有効期限を超過している場合も申請は可能です。更新後の有効期限は、更新前の有効期限の2年後の日となります。
手帳の交付を受けたときに利用できる支援
手帳を持つことで受けられる支援には、全国共通のものと、自治体や事業者ごとに異なるものがあります。ここでは代表的なものを挙げます。
代表的な支援と、手帳がなくても使える制度
支援には、税制上の優遇、雇用の場面での取扱い、交通機関の割引など、いくつかの種類があります。それぞれ適用の条件が異なるため、順に見ていきます。
精神障害者保健福祉手帳の交付を受けている方は、税制上の障害者控除の対象となります。障害等級が1級と記載されている方は特別障害者に当たります(所得税法第79条・同法施行令第10条、国税庁「No.1160 障害者控除」)。
ただし、障害者控除は手帳をお持ちの方だけに限られた制度ではありません。国税庁は、精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にある方や、精神保健指定医等の判定により知的障害者と判定された方、精神または身体に障害のある65歳以上の方で市町村長等の認定を受けた方なども対象として挙げています。手帳がなくても該当する場合がありますので、控除の内容や手続きについては、国税庁または所轄の税務署にご確認ください。
障害者雇用の場面では、実雇用率の算定対象となる精神障害者は精神障害者保健福祉手帳を所持する方とされています(厚生労働省「平成17年障害者雇用促進法改正関係Q&A」)。障害者雇用枠での就労を考える場合、手帳の提示・確認が前提となるのが通常です。
JRグループの精神障害者割引は、手帳の「旅客鉄道株式会社等旅客運賃減額」欄に第1種または第2種の記載があるものが対象です(第1種は手帳1級、第2種は手帳2級・3級が対象となります)。あわせて、有効期限内の手帳であること、原則として顔写真が貼付されていることという手帳そのものの条件があります。普通乗車券で単独で乗車する場合は、営業キロが100キロメートルを超える区間に限り5割引となります。第1種の方が介護者1名とともに乗車する場合には、この距離の条件はありません。
一方、自立支援医療(精神通院医療)や障害者総合支援法にもとづく障害福祉サービスは、手帳がなくても利用できます。また自治体によっては、手帳の等級を支給要件の一つとする心身障害者福祉手当等を設けている場合があります。所得や年齢等の条件が付くのが通常ですので、お住まいの自治体にご確認ください。
支援の内容全般については、精神障害者保健福祉手帳とは?わかりやすく解説しますで詳しく扱っています。
交付されなかった・等級に納得できないときは
申請したものの手帳が交付されなかった、あるいは想定していた等級と違ったという場合にも、取れる手段があります。ここを知らずに期限が過ぎてしまう方がいらっしゃるため、あらためて整理します。
再申請と審査請求は別の手続きです
手帳の交付や不承認は行政処分にあたります。判定そのものに納得できない場合は、行政不服審査法にもとづく審査請求を行うことができます。
また、審査請求を経なければ訴訟を起こせないわけではありません。行政事件訴訟法第8条第1項は、審査請求ができる場合であっても、法律に裁決を経た後でなければ提起できない旨の定めがあるときを除き、処分の取消しの訴えを直ちに提起することを妨げないと定めています。審査請求をしたうえで訴訟に進むことも、はじめから訴訟を選ぶことも可能です。
審査請求ができる期間は、処分があったことを知った日の翌日から起算して3か月以内です(処分があった日の翌日から起算して1年を経過したときも、原則としてできなくなります)。いずれも正当な理由があるときは例外があります。
審査請求では、証拠書類や証拠物を提出することができます(行政不服審査法第32条第1項)。「出した資料だけで争うしかない」ということはありません。
再申請との違いは、資料をいつ作ったかではなく、その資料が何を裏づけるかにあります。処分の時点ですでにあった状態を裏づける資料を足すのであれば審査請求、処分の後の状態の変化を踏まえて改めて認定を求めるのであれば再申請、という整理になります。
なお、行政不服審査法第82条により、処分庁は不服申立てができる旨や申立先、期間を教示しなければならないとされています。実際の記載は届いた通知書でご確認いただき、見当たらない場合は自治体にお問い合わせください。取消訴訟はご本人でも提起できますが、手続きが複雑なため弁護士へのご相談をおすすめします。
障害等級の変更申請という方法もあります
症状が変わったときには、更新を待たずに等級の見直しを求めることもできます。
有効期限の期間内であっても、精神障害の状態が変わり、手帳に記載された等級以外の等級に該当するに至ったと考えるときは、障害等級の変更を申請して判定を求めることができます。
変更申請では、申請書に①または②の書類を添えるほか、写真も添える扱いとされています(更新申請で写真が条件付きだったのとは異なります)。運用は自治体によって異なりますので、申請先にご確認ください。
この場合の有効期限は、変更決定を行った日から2年が経過する日の属する月の末日となります。
統合失調症の障害者手帳についてよくある疑問
ここまでで触れきれなかった点のうち、ご相談の際によくいただく質問をまとめます。手続きの順序、診断名が複数ある場合の扱い、職場への影響という3つの観点です。いずれも個別の事情によって結論が変わり得るため、判断に迷う場合は窓口や専門家にご確認ください。
Q. 障害者手帳と障害年金は、どちらを先に申請したほうがよいですか?
手帳は初診日から6か月を経過すれば申請できるのに対し、障害年金は原則として初診日から1年6か月を経過した障害認定日以後の請求となるため、時期としては手帳が先になることが多くあります。ただし、どちらか一方が他方の要件になっているわけではなく、順序に決まりはありません。なお、ここでいう手帳の初診日と障害年金の初診日は、前述のとおり別の制度の概念です。
Q. 統合失調症以外の診断名も付いている場合はどうなりますか?
手帳の診断書には、主たる精神障害と従たる精神障害を記載する欄があります。障害年金では、統合失調症等とその他の認定の対象となる精神疾患が併存しているときは、併合(加重)認定の取扱いは行わず、諸症状を総合的に判断して認定するとされています。どの診断名を記載するかは主治医の判断によります。
Q. 手帳を持っていることが職場に知られてしまいませんか?
手帳の所持を勤務先に伝えるかどうかは、原則としてご本人の判断です。ただし、障害者雇用枠での就労で実雇用率の算定対象となる場合には、手帳の提示・確認が前提となるのが通常です。
関連する内容は、「障害年金」と「障害者手帳」の関係および統合失調症では障害年金をもらえない?でも扱っています。
まとめ
統合失調症と障害者手帳について、押さえておきたい点を整理します。
- 統合失調症は精神障害者保健福祉手帳の対象で、判定基準にも独立した記載がある。医師の診断書によって申請する場合は、初診日から6か月を経過した後の診断書が必要
- 等級は「精神疾患(機能障害)の状態」と「能力障害(活動制限)の状態」の総合判定で決まる。何項目でこの等級、という計算式は示されておらず、疾患の特性等を考慮した総合判断による
- 診断書は診察の日の状態だけを書くものではなく、おおむね過去2年・今後2年を含めて判定・記載するよう求められている
- 手帳と障害年金の等級は、医師の診断書によって手帳を申請する場合には別々に判断される。ただし年金証書等による申請では年金の等級と一致する。手帳3級と障害年金3級も意味が異なる
- 手帳がなくても障害年金は請求でき、交付されなかった場合には審査請求という手段がある
なお、手帳の交付申請は市町村を経由して行う福祉の手続きであり、弊事務所がお手伝いできるのは障害年金の請求に関する部分です。
統合失調症での障害年金申請でお悩みの方は、わくわく社会保険労務士法人(全国障害年金サポートセンター)までお気軽にお問い合わせください。
※本記事は2026年7月時点の年金法令・障害認定基準・厚生労働省通知に基づき作成しています(公開後レビューを踏まえ、2026年7月に一部を修正しました)。法令改正等により内容が変更される可能性があるため、最新の情報は日本年金機構の公式サイトや厚生労働省「障害者手帳について」等でご確認ください。個別の事案については社会保険労務士・弁護士等の専門家へのご相談を推奨します。医学的判断は主治医にご確認ください。

