目次
対象者の基本データ
病名 | びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫 |
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性別 | 男性 |
支給額 | 年額 約176万円 遡及金額 約58万円 |
障害の状態 |
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申請結果 | 障害厚生年金2級 |
ご相談までの経緯
2年程前、夜間に悪寒、発熱があり、A病院の救急外来を受診されました。
血液検査にて炎症マーカーに異常が認められましたが、明確な原因は不明で抗生剤の処方を受け、経過観察となりました。
その後も39℃近くの発熱が続き、入院して各種検査を行ったところ、「悪性リンパ腫」と診断されました。
治療の為、B病院へ転院し、初回化学療法で完全緩解に至ったものの、半年後に再発。
その後、再度治療を行うも難治性の経過を辿っており、化学療法の継続が必要であり、また移植の実施も検討されていました。
食事も十分に摂取出来る状態になく、体重も著しく減少。
治療の為、体力低下は顕著で座った姿勢を維持したり、歩行、体動も辛く、1日の殆どがベッド上での生活を強いられています。
発病以降現在に至るまで休職が続いており、復職できる見込みもなく、家族の大黒柱であるご本人様は家族への負担や将来へ強い不安を抱えていました。
ご本人様を支えるご家族様より当事務所にご相談をいただくこととなりました。
申請結果
今回のご相談者様はがん再発以降、病状経過が芳しくなく、がんという病気の特性からいつ病状が急変するか分からないということもあり、1日も早く申請できるようスピードが求められました。
チーム全体で申請方針を共有し、ご家族様を通じて病院の主治医の先生にもご協力を仰ぎ、申請準備を進めていきました。
がんによる障害年金申請では、使用する診断書の様式の選択も大事になります。(ポイント①)
ほとんどの事案で「様式第120号の7(その他の障害用)」を使用しますが、病状や検査数値によっては他の種類の診断書様式の活用も検討する必要があります。
今回のご相談者様の病状をヒアリングしたところ、他の種類の診断書様式を使用しなくとも、その他の障害用の診断書様式のみで現在の病状を適切に伝えることが出来ると考えられたため、診断書はその他の障害用の診断書1通のみを取得することとしました。
その他の障害用の診断書はがん専用の診断書様式ではなく、あらゆる疾患に対応できる様式となる為、明確な記載方法はなく、診断書の様式だけを渡すと医師の裁量によって記載内容が大きく変わってしまうことがよくあります。
その為、診断書作成依頼時には審査で注目されるデータやキーワードを主治医の先生にお伝えするとともに、ご本人様やご家族様から事前にヒアリングした内容を参考資料としてまとめて橋渡ししました。
病歴就労状況等申立書には診断書に反映しきれない現在に至るまでの経過や病状を補足する形で作成し、ご本人様の病状をより深く理解できるように工夫しました。
申請の結果、「障害厚生年金2級」として認定され、障害認定日の翌月分から遡って年金が支給されることとなりました。
【ポイント1】診断書の種類
障害年金請求に使用する診断書は以下の8種類あります。
①眼の障害用
②聴覚・鼻腔機能・平衡感覚・そしゃく・嚥下・言語機能の障害用
③肢体の障害用
④精神の障害用
⑤呼吸器疾患の障害用
⑥循環器疾患の障害用
⑦腎疾患・肝疾患・糖尿病の障害用
⑧血液・造血器・その他の障害用
受給の可能性を1%でも上げるためには、ご自身の障害状態を最も伝えることが出来る診断書を選ぶ必要があります。
症状が多岐にわたる場合は複数の診断書を使用しても構いません。
①~⑦のいずれの傷病にも当てはまらないものは、⑧その他の障害用の診断書を使用します。
その他の障害用の診断書は記載できる項目が他の診断書に比べ限られるため、限られた項目でいかに障害状態を伝えることが出来るかが大切です。
【ポイント2】がんによる障害とは?
がんは、全身のほとんどの臓器に発生するため、現れる病状は様々で、それによる障害も様々です。
そのため次のように症状を区分して評価されます。
①癌よって生じる局所の障害
②癌による全身の衰弱又は機能の障害
③抗がん剤などの副作用として生じる全身衰弱又は機能の障害
特に注目すべきは③の治療の過程における副作用もまた障害年金の対象となるという点です。
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