【事例919】自閉症スペクトラム障害・注意欠陥多動障害|障害厚生年金2級

自閉症スペクトラム障害・注意欠陥多動障害|障害厚生年金2級

対象者の基本データ

病名 自閉症スペクトラム障害・注意欠陥多動障害
性別 男性
支給額 年額 約78万円
障害の状態
  • 趣味や好きなことに散財してしまい、適切な金銭管理はできない
  • 集中力・注意力が低下しており、バイクで度々事故を起こしている
  • 引きこもり傾向が強く、外出は通院に限られる
  • 精神障害者保険福祉手帳 なし
申請結果 障害厚生年金2級

 

ご相談までの経緯

ご相談者様は、幼少期から人と関わることが苦手だったそうです。

学生時代も、友人ができず、クラスでも孤立しており、時に、虐めにあうこともあったそうです。

また、忘れ物が多く、毎日のように先生から注意されていました。

高校卒業後は就職し寮生活を始めます。

しかし、職場でも寮でも人間関係で苦しみ、食欲不振、意欲の低下、眩暈や頭痛などの症状が現れ受診することにしました。

病院では適応障害と診断され、薬物療法を受けますが、症状は改善せず、転院を繰返します。

やがて、今までの仕事や日常生活での生きづらさの原因は発達障害ではないかと考え、心理検査を受けます。

検査の結果、発達障害と診断され、治療も薬物療法から精神療法に切り替わります。

現在まで、精神療法を継続していますが、症状の改善はなく、仕事も退職に追い込まれました。

経済的な不安で途方に暮れていた時、両親から障害年金の申請を勧められ、手続きを始めます。

しかし、初診日証明で頓挫してしまい、一旦は申請を諦めていましたが、ネットで弊社のホームページをご覧になったことがきっかけで、藁をもすがる思いでご相談頂くことになりました。

 

申請結果

ご相談者様は、ご自身で手続きをされていましたが、初診のA病院にカルテが残っておらず、初診日の証明がでないため、途中で手続きを挫折してしまいました。

そのため、ご相談を頂いた際も、初診日の証明ができるか、とても心配されておられました。

障害年金は初診日主義をとっており、初診日の証明ができなければ、最悪、申請ができないこともあります。(ポイント①)

そこで、ご契約を頂いた後は、まず、初診日の証明に全力で取り組みました。

A病院ではカルテが無いことがわかっていましたが、再度、連絡し通院記録などカルテ以外で初診日がわかるものが残っていないか調べましたが、何も出てきません。

しかし、受付の方から薬局に処方箋などが残っている可能性があると教えていただき、すぐに薬局に問い合わせをしたところ、「調剤報酬明細書」を取得することができました。

「調剤報酬明細書」には調剤の日付や病院名の記載はありましたが、初診日の証明としては不安がありました。

そこで、B病院、C病院に初診日の証明をお願いしたところ、B病院にはカルテが残っていませんでしたが、C病院ではカルテが残っており、初診日の証明として「受診状況等証明書」を記載していただくことができました。(ポイント②)

そしてその中にはC病院を初めて受けた際にご本人様より伝えていただいていた、C病院へ至るまでの経緯を記載して頂くことができました。

これで、初診証明の要件を十分に満たしていると考え、「受診状況等証明書が添付できない申立書」に「調剤報酬明細書」と「C病院の受診状況等証明書」を添えて、申請しました。(ポイント③)

審査の結果は、初診日も主張通り認められ、「障害厚生年金2級」に認定されました。

本事例では、初診日の証明で少し時間がかかりましたが、無事に、ご相談様に障害年金をお届けすることができました。

そして、初診証明では、「諦めないこと!」の大切さを改めて実感しました。

 

【ポイント1】初診日の証明

障害年金は初診日主義とも言われています。

つまり、障がいがどんなに重たくても初診日の証明が出来なければ障害年金を受給することが出来ないということです。

カルテの法定保存期間が5年と定められている為、初診日の証明が出来ず悔しい思いをする方が多くおられるのも事実です。

そんな時でも証拠を積み上げて、間接的に初診日を証明出来たケースが多くありますので諦めない事が大切です!

 

【ポイント2】受診状況等証明書はカルテをもとに記載する

障害年金の申請には、初診日を記載する「受診状況等証明書」という専用様式があります。

この様式は必ず「カルテ」をもとに、初診病院にて記載してもらいます。

カルテ以外の入院記録や受付簿、レセプトなどをもとに記載しても、初診日を証明できた事にはならず不支給となるケースもあります。

以下の動画より、受診状況等証明書の注意点をご覧いただけます。

 

【ポイント3】初診日の証明が出来ない場合の対処法

障害年金では初診日の証明がとても重要です。

この証明に使う書類を受診状況等証明書といいます。

これが取得出来なければ、最悪、請求ができなくなります。

特に、初診日がかなり昔の場合、当時の病院が廃院になっていたり、カルテがなく「受診状況等証明書」を書いてもらえないといった事が起こります。

この時は、古い順に「受診状況等証明書」が取れるまで病院に作成を依頼していきましょう。

また、紹介状があれば忘れずに頂きましょう。

それと同時に、初診の病院を受診していた証拠になる物(診察券や領収書、お薬手帳など)なども探して下さい。

こういった資料を「受診状況等証明書が添付できない申立書」と一緒に提出すれば初診日として認定される可能性があります。

また、カルテがないという理由で「受診状況等証明書」作成を断られても、病院のパソコンに通院記録が残ってる場合もありますので、確認して下さい。

このように、すぐに諦めず、いろいろな方法を探っていきましょう。

なお、以下の動画でもご説明していますのでご参照下さい。

 

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