【事例844】くも膜下出血後遺症|障害厚生年金1級 

くも膜下出血後遺症|障害厚生年金1級

対象者の基本データ

病名 くも膜下出血後遺症
性別 男性
支給額 年額 約166万円
遡及金額 約42万円
障害の状態
  • 重度片麻痺、失語症あり
  • 歩行は全く出来ない状態で車椅子を使用している
  • 日常生活は全介助必要
  • 身体障害者手帳なし
申請結果 障害厚生年金1級

 

ご相談までの経緯

職場の駐車場で倒れて動かなくなっているところを同僚に発見され、救急搬送されました。

「くも膜下出血」と診断され、即日治療を受けました。

しかし後遺症が残り、現在も歩行はできず、移動は車いすを使用しており、日常生活は全介助の状態です。

言語障害も残り、意思疎通も困難となっています。

ご本人様は現在も入院されており、症状がこれ以上悪くならないよう現状維持のためのリハビリを行っています。

障害年金の申請をお考えになられたご家族様よりお問い合わせがあり、サポートさせていただくこととなりました。

 

申請結果

傷病の発症から約5か月経過後にご家族様よりご相談をいただき、経過をお伺いすると初診から現在に至るまで症状の改善は乏しく、生活には全介助が必要な状態で医師からはこれ以上の機能改善は見込めないと告げられているということでした。

障害年金は原則、初診日から1年6月経過した日以降でなければ請求することが出来ません。

ただし、今回のご相談者様のような脳血管疾患による肢体障害等で、初診日から6か月経過後に「症状固定」が認められる場合は例外的に初診日から1年6月待たなくとも審査を受けることが出来ます。(ポイント①)

経過についてヒアリングさせていただいた際に今回は障害認定日の特例に該当することを申請書類にしっかりと反映することで、ひと月でも早く年金をお届け出来るのではないかと感じ、ご家族様に制度や申請までの流れをご説明させていただき、サポートさせていただくこととなりました。

手続き着手後、初診日から6月経過を待ってから病院へ診断書の作成をお願いしました。
診断書には障害認定日の特例に該当することを明記していただけるよう、なぜ「症状固定日」の記載が必要になるのか理由も踏まえたご案内と参考資料を橋渡ししました。

主治医の先生の所見においても症状固定を認めていたため、診断書には症状固定日が明記され、診断書の記載内容を補填するよう病歴就労状況等申立書を作成し、申請しました。

申請の結果、「障害厚生年金1級」として症状固定日の属する月の翌月分から年金が支給されることとなりました。

今回はくも膜下出血の後遺症として「言語機能の障害」と「肢体の障害」の二つの障害が残存していましたが、それぞれの状態をヒアリングした上でより上位等級に該当する可能性の高い「肢体の障害」に絞って申請を行いました。(ポイント②)

複数傷病を併発している場合は、闇雲に申請を行うのではなく、どの傷病で申請を行うのが良いのか最大限可能性を検討して申請を進めていくことをお勧めいたします。

 

【ポイント1】障害認定日の特例(脳血管障害)

障害認定日は、原則『初診日から1年6ヵ月を経過した日』です。

しかし脳梗塞などの脳血管障害の場合は、特例として以下を全て満たすと1年6ヵ月を待たずに障害年金の申請ができます。

①初診日から6ヵ月経過している
②医学的にこれ以上の改善が見込めない
③症状固定と判断されている

これを障害認定日の特例と言います。

 

【ポイント2】複数傷病がある場合の申請方法

複数の病気がある場合『1つの病気に絞って申請する方法』と『複数の傷病をそれぞれ申請する方法』があります。

診断書は、病気ごとに必要となるため複数の傷病をそれぞれ申請する場合は、病気ごとに診断書を取得する必要があります。

また申請時のみならず、更新時も同様に病気ごとの診断書が必要となります。

費用が多くかかってしまう分、1つの傷病のみで等級に該当する可能性がないか慎重に検討することが大切です。

 

その他の肢体の障害の事例

 

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