目次
対象者の基本データ
病名 | 遷延性抑うつ反応・軽度知的障害 |
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性別 | 男性 |
支給額 | 年額 約78万円 |
障害の状態 |
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申請結果 | 障害基礎年金2級 |
ご相談までの経緯
ご相談者様は、健診等で発達の遅れなどの指摘もなく過ごしておられましたが、小学校入学後にいじめが始まり、中学卒業まで不登校が続いていました。
高校には進学せず、就労しますが、人間関係が構築できず、短期間での転職を繰返していましたが、結婚を機に主夫として生活を送るようになります。
しかし、奥様から離婚を切り出されたことで情緒不安定な状態になります。
その後、自傷行為に及ぶこともあり心療内科受診となりました。
当初は適応障害(遷延性抑うつ反応)と診断され薬物療法を受けていましたが、症状は改善せず、その後の検査で、初めて知的障害が発覚しました。
現在は離婚も成立し、一人暮らしをしていますが、就労もできず生活および経済的にも困窮し、なんとか社会復帰を考え就労移行支援に通い始めるも順調に通所できず、セルフネグレクトに近い状態となっています。
将来への希望もなく、不安な日々を送っていましたが、相談員の方に障害年金の申請を勧められます。
ただ、申請方法の説明を聞いても理解ができず、とても自分では手続きができないと思い、ネットで弊社のホームページをご覧になり、藁をもつかむ思いで手続き代行のご相談を頂きました。
申請結果
ご相談者様は、20歳以降に軽度知的障害と診断されたため療育手帳は持っておられませんでした。
また、検査の結果を拝見すると、IQもギリギリ軽度知的障害に該当する程度でした。(ポイント①)
しかも、一人暮らしをされていることもあり、ご相談当初は受給の可能性について少しハードルが高いと感じました。(ポイント②)
まず、ご本人様から、日常生活の状況、就労について丁寧にヒアリングさせて頂きました。
そうしますと、離婚後、信頼できる家族もおらず一人暮らしとなっているが、対人コミュニケーションをとることができず社会保障の利用も困難で日常生活は破綻の状態になっている事がわかりました。
また、生活のために社会復帰を目指し就労支援事業所に通所を始めますが、休むことが多く順調に通所できておらず、就職には結びついていないことも確認できました。
さらに、医師の意見を伺うと、現在の症状は表面的には遷延性抑うつ反応によるとものと見えるが、根本は知的の問題が大きく関与しているとの事でした。
以上の事より、診断書、病歴就労状況等申立書にご相談者様の状態を正確に反映できれば受給の可能性はあると判断し手続きを始めました。
診断書は、先に意見をお伺いした医師に依頼しますが、その際に日常生活や就労についてもご説明しており、スムーズに正確な診断書を取得できました。
最後に、病歴就労状況等申立書に、診断書だけでは伝えられない、出生からの病歴や通院歴、そして生きづらさなどについて詳述し申請しました。
結果は、「障害基礎年金2級」に認定されました。
本事例のように、軽度知的障害の方や、20歳を超えて知的障害と診断され療育手帳がない場合も障害年金を受け取ることは可能です。
申請につきご心配事などございましたら、一度、弊社にご相談ください。
障害年金は諦めないことが大切です!
【ポイント1】知的障害はIQのみで判断しない
精神発達遅滞(知的障害)は、IQのみで判断されると思いがちです。
しかし障害年金では、IQに加えて『日常生活のさまざまな場面における援助の必要度』が重視されます。
そのためIQレベルが軽度に分類される場合であっても、支援状況などによっては障害年金の受給が認められる場合があります。
【ポイント2】『単身』で生活している場合(精神の障害)
精神の障害では、生活での支障が審査に大きく影響します。
認定される方の多くは、生活に大きな支障があるため周囲の支援や援助が必要な事が多く、単身で生活することが困難なケースが殆どとされています。
このような経緯から、一人暮らしをしている場合『自立した生活を送れている』と評価される可能性があります。
しかし単身生活であっても、家族等以外(ヘルパー等)の生活支援がある場合、支援がなくて日常生活が成り立っていない状況の場合は申請内容に反映することで認定の確立を上げることができます。
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