目次
対象者の基本データ
病名 | 糖尿病性腎症 |
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性別 | 男性 |
支給額 | 年額 約157万円 |
障害の状態 |
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申請結果 | 障害厚生年金2級 |
ご相談までの経緯
15年程前、他の傷病でA病院を受診したところ、尿検査・血液検査で糖尿病の疑いを指摘されました。
精査・治療目的でB病院へ紹介状をもらい受け転医し、再検査の結果「2型糖尿病」と診断され、インスリン治療が始まりました。
当初は喉の渇き等の自覚症状がありましたが、日常生活や就労には大きな支障なく過ごしていました。
10年程、B病院にて治療を継続していましたが、徐々に腎機能低下が進行し、将来の人工透析導入を見据えてC病院へ転医し、1年前から人工透析を始められました。
腎機能低下により、浮腫み、倦怠感、貧血による眩暈などの症状が増悪し、現在は日常生活にも就労にも制限があります。
透析治療を始められたタイミングで障害年金の制度を知り、当事務所にご相談いただきました。
申請結果
今回の請求のポイントは「初診日証明ができるかどうか」でした。
というのも、糖尿病で初めて医療機関を受診してから現在に至るまで15年程経過しており、初診病院のカルテ保管期間が経過している可能性があったからです。(ポイント①)
手続きではまずA病院へ問い合わせを行いましたが、既にカルテが破棄されていました。
障害年金の申請では受診状況等証明書が必ず必要となりますので、初診病院で初診日証明を取得できないからといって諦めることなく、取得可能な限り受診歴の古い順に問い合わせを行います。(ポイント①)
今回の申請ではB病院にて受診状況等証明書を作成いただくとともに、A病院からの紹介状も保管されていた為、紹介状のコピーも合わせて取得することで初診日証明書類を整えることが出来ました。(ポイント②)
初診日が確定し、保険料の納付要件が問題なく満たせていることを確認し、診断書の取得を行いました。
完成した診断書に記載漏れ等もないことを確認し、その他の申請書類一式を整え、申請しました。(ポイント③)
結果、「障害厚生年金2級」として認定されました。
【ポイント1】糖尿病による障害年金の特徴
糖尿病の特徴は、10年~20年と長い期間を掛けてゆっくりと進行し、最終的に慢性腎不全に至る事が多いということです。
障害年金を請求するためには、初診日を特定することが重要です。
しかし、糖尿病が悪化してイザ障害年金の申請を試みた時には既に病院が無くなていたり、カルテが破棄されているという理由で、本来なら受給出来た障害年金を泣く泣く諦めるというケースも珍しくありません。
糖尿病と診察された際は、最初は自覚症状が無く、油断してしまうと思います。
それでも、最悪に備えて証拠となる資料を必ず残すようにしてください。
例えば以下のようなものになります。
- 診察券
- お薬手帳
- 病院の領収書
- 健康診断の結果
- 食事療法などのアドバイスを受けたリーフレット
また、現物を残すのに加えて最近ではスマートフォンで撮影してクラウドに写真を残しておくというのもオススメです。
【ポイント2】初診日の証明が出来ない場合の対処法
障害年金では初診日の証明がとても重要です。
この証明に使う書類を受診状況等証明書といいます。
これが取得出来なければ、最悪、請求ができなくなります。
特に、初診日がかなり昔の場合、当時の病院が廃院になっていたり、カルテがなく「受診状況等証明書」を書いてもらえないといった事が起こります。
この時は、古い順に「受診状況等証明書」が取れるまで病院に作成を依頼していきましょう。
また、紹介状があれば忘れずに頂きましょう。
それと同時に、初診の病院を受診していた証拠になる物(診察券や領収書、お薬手帳など)なども探して下さい。
こういった資料を「受診状況等証明書が添付できない申立書」と一緒に提出すれば初診日として認定される可能性があります。
また、カルテがないという理由で「受診状況等証明書」作成を断られても、病院のパソコンに通院記録が残ってる場合もありますので、確認して下さい。
このように、すぐに諦めず、いろいろな方法を探っていきましょう。
なお、以下の動画でもご説明していますのでご参照下さい。
【ポイント3】申請書類のチェック
受診状況等証明書や診断書を始めとする障害年金の申請に必要となる全ての書類はその都度、記載漏れや記載間違いがないか確認して手続きを進めていくことが大切です。
特に医師に記載していただく書類は忙しい中、診察時間外に時間を割いて作成をして頂く必要がありますので、早めにチェックをして、再確認が必要な事項がある場合は早めに連絡を取るようにしましょう。
申請を済ませた後に記載漏れや記載ミスが発覚しても、後から訂正や追記をすることは出来ません。
当事務所ではお一人のご相談者様の申請書類について、複数名でのチェック、また特段検討が必要な場合はチーム全体で議論を交わすなど、チーム全員でのサポート体制を取っています。
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