【事例765】パーキンソン病|障害厚生年金2級

パーキンソン病|障害厚生年金2級

対象者の基本データ

病名 パーキンソン病
性別 男性
支給額 年額 約123万円
障害の状態
  • 動作緩慢のため巧緻性がなく、食事や着替えなどの動作にも異常に時間を要する
  • 薬効時間が短く、状態が良いのは服薬後1時間程のみ
  • 立位のみならず座位保持も困難
  • 身体障害者手帳なし
申請結果 障害厚生年金2級

 

ご相談までの経緯

4年程前より、足が前に出にくい感覚、突っかかったり、歩行がしにくいなどの動作の拙劣さを自覚し始めました。

不安になり、A整形外科を受診したところ、整形外科の領域ではなく、神経内科疾患の疑いがあるため紹介状をもらい、即日転医されました。

転医先のB神経内科で「パーキンソン病」と診断され、薬物療法による治療が始まりました。

当初は薬の効果がみられましたが、症状の進行に伴い薬効時間が短くなり、手足の動きがぎこちなく強張り、動作の緩慢さ、姿勢の不安定性からこれまで支障なく出来ていた着替えや座位姿勢などの些細な生活動作にも支障をきたすことが増え、長年勤めていた会社も退職に至り、生活を維持するため、実家へ戻られることとなりました。

転居後、転医され治療を継続していますが、薬効時間の短縮によって、身体の自由が効かないことが多く、日常生活を営むにも同居の家族の支援が必要不可欠な状態です。

就労が困難な状況に将来への不安を抱えていたところで障害年金制度を知り、申請サポートの為当事務所にお問い合わせいただくこととなりました。

 

申請結果

現在までの経過や現在の状態をヒアリングさせていただき、申請サポートとなりました。

まず、症状が発症してから初めて受診したA整形外科へ初診日の証明となる受診状況等証明書の作成を依頼しました。(ポイント①)

A整形外科を受診した時点ではパーキンソン病と確定診断は得られていませんでしたが、受診に至った経緯や症状、B神経内科へ紹介に至る経緯を記載いただくことで申請傷病の初診日証明として十分に認められるものと判断できました。

初診日証明が整い、保険料の納付要件が満たせていることを確認し、診断書の依頼へと進めました。

診断書作成にあたって確定した初診日を間違いなく反映していただく為に取得した受診状況等証明書の写し、また事前にヒアリングした日常生活状況等を参考資料としてまとめ、主治医の先生に橋渡しを行いました。

診断書が完成し、診断書だけでは伝わらない発症から現在までの経過や症状の日内変動について病歴就労状況等申立書に記載し、申請しました。

提出後、審査途中で薬効時間や症状の日内変動についての医師照会がありましたが、「障害厚生年金2級」として認定されました。(ポイント②)

 

【ポイント1】初診日が大切な理由

障害年金では、初診日が最も重要とされています。

なぜ重要なのかというと、初診日は以下のように様々な『基準』となる為です。

 

①制度加入要件

初診日にどの制度に加入していたかで、受けられる年金が決まります。

 

②保険料納付要件

障害年金を申請するには、初診日の前々月から数えて一定期間の保険料を納めている必要があります。

 

③障害認定日の起算点

原則として『初診日から1年6ヵ月経過した日』に障害の程度を認定します。

これを障害認定日と言い、この日以降で無ければ障害年金の請求が出来ません。

初診日が大切な理由に関しては、以下の動画でもご説明していますのでご参照下さい。

 

【ポイント2】申請書類の返戻

障害年金の申請が完了した後、審査途中で適正な審査を実施するために必要な書類の追加提出の求めや障害の状態について医師への確認等のために申請書類が返戻されることがあります。

申請書類が返戻されたからといって、一概に障害年金を受給することが出来ないというわけではなく、適正な審査を実施するためのご連絡ですので過度にご心配されることなく、返戻内容を確認して冷静に対応するようにしましょう。

 

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    障害年金の審査の一元化 以前に障害年金の障害認定に地域差があることが問題となり、2017年4月より日本全国から申請される障害年金の審査業務は全て東京の障害年金センターに一元化されました。
    現在では日本全国どこの年金事務所へ提出しても、東京の障害年金センターで審査をされます。
    そのため遠方の方が当事務所にご依頼いただいても、遠方だから審査に違いが出るというようなことはございませんので、ご安心下さい。
     

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