目次
対象者の基本データ
病名 | 統合失調症(とうごうしっちょうしょう) |
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性別 | 男性 |
支給額 | 年額 約78万円 |
障害の状態 |
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申請結果 | 障害基礎年金2級 |
ご相談までの経緯
中学生の頃に妄想や幻聴が出現し、医療機関を受診したところ「統合失調症」と診断され、治療が始まりました。
加療が始まってからも妄想から母親に暴力をふるったり、幻覚が酷く錯乱状態となり手に負えない状態となるなどで入退院を繰り返しました。
30年程前に障害年金を申請して障害基礎年金2級を受給されていました。
2回目の更新手続きを目前に転居に伴い転院されたことで主治医の先生が変わり、状態をうまく伝えることが出来ず、2回目の更新時に障害の状態が基準に該当しないとして年金が支給停止となりました。
しかし、その後も幻覚妄想などの症状は継続しており、意思疎通が困難であったり、日常生活への支障も大きい状況に変わりはありませんでした。
転居先でA型事業所へ通所を始めましたが、症状の為にまともに作業もできない状況でした。
ご本人様の状況を見かねた作業所の職員さんより、当事務所に障害年金のご相談をいただくこととなりました。
申請結果
障害年金を受給すると、永久認定の方を除いて、1年~5年で更新の手続きがあります。
この更新の手続きを行い、障害年金認定基準に該当しないと判断された場合には障害年金は支給停止となります。
一度支給停止になったからといって、一生障害年金を受給する権利がなくなった訳ではなく、再び障害状態が基準に該当すると判断された場合には支給を再開してもらうことが出来ます。
しかし、支給再開の手続きは更新時のように年金機構より診断書の提出の求めはありませんので、自ら必要書類を提出する必要があります。
障害年金の再開に必要な書類は原則以下の2点です。(ポイント①)
①支給停止事由消滅届
②診断書
今回のご相談者様の場合も年金が支給停止となっている状態でしたので、支給再開の手続きのため上記書類を整える必要がありました。
支給停止となった原因の一つとして、主治医の先生とのコミュニケーションがうまく出来ないこともありましたので、診断書作成にあたり実際の日常生活や就労状況などを参考資料としてまとめて先生に橋渡ししました。(ポイント②)
また診断書の記載内容だけでは伝わらない現在までの経過や具体的な日常生活や就労状況などについて別途申立書を作成し申請しました。
申請の結果、「障害基礎年金2級」として診断書の現症日の翌月分からの年金の支給が再開されることとなりました。
【ポイント1】支給停止事由消滅届について
「支給停止事由消滅届」とは、これまでに1度でも障害年金を受給したことがある方が支給停止になっている場合に、障害年金の再開(停止の解除)を希望するケースで提出する書類です。
支給停止事由消滅届を提出する時にも審査があり、結果が出るまで約3ヶ月程度の時間がかかります。
もし、認定されれば支給停止事由消滅届申請時に提出した診断書の現症日の翌月分から障害年金が受給出来ることとなります。
【ポイント2】診断書(精神の障害用)
精神疾患での障害年金を申請する際は、病状だけでなく、日常生活及び就労の状況もポイントとなります。
診察時に日常生活及び就労状況をうまく伝えられていない場合は、実際の状況と不釣合いな診断書となってしまう可能性があります。
診断書作成前に医師から詳しく状況を聞かれることもありますが、ヒアリングがない場合などは自ら伝えることが大事です。
伝え方は様々ですが、限られた診察時間では全てを伝えることが困難、医師を目の前にするとうまく伝えられないなどの場合はメモなどに記載してお渡しするのがよいでしょう。
以下の動画でも、精神の障害用の診断書に関する説明をしておりますので、宜しければご覧ください。
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