目次
対象者の基本データ
病名 | 自閉スペクトラム症 |
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性別 | 女性 |
支給額 | 年額 約78万円 |
障害の状態 |
|
申請結果 | 障害基礎年金2級 |
ご相談までの経緯
幼少期から感覚過敏があり、騒がしい環境では人の声を聞き取るのが苦手でした。
また一人で居ることを好み、自分の考えを人に伝えることも苦手でした。
しかし発達障害という認識がなく、医療機関へ受診することはありませんでした。
高校卒業後、様々な職に就きましたが、いずれも他者との関わりが困難で短期間での転職を繰り返していました。
次第に自信を喪失し、自宅に引きこもることが増え、死にたいと考えてしまうこともあったそうです。
自宅に引きこもっていては行けないと思い、再び就職しましたが、1年程で退職に至り、その職場で周囲から発達障害の疑いを指摘されたことがあり、医療機関への受診に至りました。
「自閉症スペクトラム障害」と診断を受け、これまでの生き辛さを理解したとともに、治る傷病ではないため、将来への不安もありました。
そんな中、Youtubeで障害年金制度を知り、当事務所にご相談いただくこととなりました。
申請結果
状況をヒアリングさせて頂き、就労をされていましたが、何ら支障なく就労ができているわけではなく、指導や説明も理解が出来なかったり、他の従業員との意思疎通も出来ず、順応困難で今にも退職を余儀なくされている状況での就労でしたので、十分に障害年金の可能性があることをお伝えし申請サポートさせていただくこととなりました。(ポイント①)
手続きではまず、最初に受診した医療機関へ初診日の証明となる受診状況等証明書の作成を依頼しました。
初診病院では検査を実施していなかったこともあり、病名は”疑い”であり、確定診断は得られていませんでしたが、障害年金上の初診日証明としては十分な内容となっていました。
初診日が確定し、保険料納付要件が問題なく満たせていることを確認し、診断書の作成依頼へと進めました。(ポイント②)
診断書を作成していただく主治医の先生にも症状や日常生活・就労状況についてどのように伝えればいいのか、何を伝えれば良いのかわからず、普段の診察時には十分に先生にお話が出来ていないとお伺いしていました。
そこで、事前にヒアリングした情報を参考資料としてまとめて、診断書を作成していただく主治医の先生に橋渡しを行った上で診断書を作成していただきました。
完成した診断書には日常生活や就労状況が正確に反映されており、医証だけでは伝えきれない出生から初診に至るまでの背景や現在の日常生活状況について病歴就労状況等申立書に詳述し、申請しました。
結果「障害基礎年金2級」として、年金が支給されることとなりました。
【ポイント1】発達障害と就労
発達障害の中でも、大人になって社会に出てから生きづらさを感じ発達障害と分かるケースが増えています。
このようなケースでの障害年金は、最近では2級以上の認定は難しい傾向にあります。
ただし、これはあくまでも傾向であるため、専門家へのご自身の症状を伝えて相談を行う事をオススメします。
なお、障害年金と就労の関係について以下の動画でも詳しく解説をしています。
【ポイント2】初診日が大切な理由
障害年金では、初診日が最も重要とされています。
なぜ重要なのかというと、初診日は以下のように様々な『基準』となる為です。
①制度加入要件
初診日にどの制度に加入していたかで、受けられる年金が決まります。
②保険料納付要件
障害年金を申請するには、初診日の前々月から数えて一定期間の保険料を納めている必要があります。
③障害認定日の起算点
原則として『初診日から1年6ヵ月経過した日』に障害の程度を認定します。
これを障害認定日と言い、この日以降で無ければ障害年金の請求が出来ません。
初診日が大切な理由に関しては、以下の動画でもご説明していますのでご参照下さい。
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