【事例699】精神遅滞|障害基礎年金1級

精神遅滞|障害基礎年金1級

対象者の基本データ

病名 精神発達遅滞
性別 男性
支給額 年額 約98万円
遡及金額 約65万円
障害の状態
  • グループホームで生活しており、排泄行為以外はグループホーム職員の介助・支援が欠かせない。
  • リハビリ的な意味もかねて、地域活動支援センターで単純な検品作業に従事している
  • 言葉の理解力が弱く、他人との交流は困難
  • 療育手帳 B1
申請結果 障害基礎年金1級

 

ご相談までの経緯

幼少期に定期健診で異常を指摘されていましたが、家庭環境が複雑なこともあり受診には至らなかったそうです。

その後、両親が離婚したこともあり、施設に入所します。

小・中学校は特別支援学級、その後、特別支援学校に進学します。

特別支援学校卒業後は、グループホームで共同生活を送ることになります。

ホーム内では、意思疎通が困難で孤立した状況が続き、ホーム管理者の考えで、少しでも社会との関わりが持てるように、リハビリ的な意味も兼ねて、地域活動支援センターで単純作業に従事するようになりました。

しかし、ホームの職員の付き添いが無ければ出勤もできず、日常生活もグループホームの職員の方のサポートが欠かせない状況です。

収入も、毎月3,000円ほどしかなく、ご本人様の将来をご心配されたグループホーム管理者が本人に代わって、障害年金の手続きを始めることになります。

しかし、手続きが煩雑なこともあり、弊社に申請代行のご相談を頂く事となりました。

 

申請結果

ご本人様は、言葉の理解力が弱くグループホームの職員をはじめ他人とのコミュニケーションは全く取れません。

そのため、グループホームの管理者の方とのやり取りを通して、申請手続きを進めました。

なお、すでに、障害認定日頃の「診断書」は取得されており、本来請求で申請することになりました。(ポイント①、②)

まず、「診断書」の内容を確認しましたが、日常生活の状況や就労状況が正確に反映されていました。

次に、「診断書」では伝わらない出生から現在までの日常生活の様子などについては、「病歴就労状況等申立書」を作成し補足説明しました。(ポイント③)

申請後、2ヵ月足らずのスピード審査で「障害基礎年金1級」に認定され、障害認定日の翌月からの障害年金が支給されることになりました。

また、永久認定も認められました。

 

【ポイント1】障害認定日から1年以内の請求方法

障害認定日から1年以内に障害年金を請求する方法を本来請求(障害認定日請求)と言います。

診断書は、原則『障害認定日から3ヵ月以内のもの』を用意します。

認定された場合は、障害認定日の翌月から障害年金が支給されます。

なお、障害認定日から1年以上経過してから障害認定日請求を行う場合は、下記の2枚の診断書が必要となります。

  • 原則、障害認定日から「3ヵ月以内」のもの:1枚
  • 請求日から「3ヵ月以前」のもの:1枚

以下の動画でも「申請方法に応じた診断書の枚数」についてご説明していますので是非ご覧ください。

 

【ポイント2】知的障害の障害認定日

知的障害の場合は出生日が初診日となります。

そのため、障害認定日は他の20歳前傷病と同様に「20歳の誕生日の前日」となります。

そして、認定日請求や遡及請求の際には、障害認定日前3ヵ月から障害認定日以降3ヵ月以内の診断書が必要になります。

なお、知的障害の場合、他の傷病と違い「受診状況等証明書」(初診日の証明)は不要です。

 

【ポイント3】病歴就労状況等申立書

医証(受診状況等証明書、診断書など)には、ある一定の時点の情報しか記載されておらず、発症から現在までの全体の流れを読み取ることはできません。

これを補うために、「病歴就労状況等申立書」に、現在までの「病歴・治療歴」、「就労の状況」、「日常生活の状況」などを、5年ごとに区切って記載します。(転院した場合は、医療機関ごとに記載します。)

また、作成後は、医証との整合性も確認しましょう。

 

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