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【事例690】アレルギー性気管支肺アスペルギルス症|障害厚生年金3級

アレルギー性気管支肺アスペルギルス症|障害厚生年金3級

対象者の基本データ

病名 アレルギー性気管支肺アスペルギルス症
性別 男性
支給額 年額 約56万円
障害の状態
  • 酷い咳と痰が常にあるため、会話もままならなくなることが頻繁にある
  • ちょっとした動作で咳込み、呼吸困難となることもあり、温和な活動以外は出来ない
  • 医師から就労制限あり
  • 身体障害者手帳なし
申請結果 障害厚生年金3級

 

当事務所スタッフによる事例紹介動画

当事務所の新里が実際に申請した流れを動画で詳しく説明しています。

当事務所の雰囲気を感じて頂けると思いますので、是非ご覧ください。

 

ご相談までの経緯

10年程前、発熱や咳、痰、倦怠感が出始め、継続していました。

その後すぐに受けた会社の健診で胸部X線に異常所見を認め、「要検査」となったためすぐにA病院を受診されました。

何度か通院し各種検査を実施しましたが、明確な原因はわかりませんでした。

しかし、症状は継続していたため、原因追及の為に設備の整った総合病院へ転院されました。

転医後、各種検査を行い「間質性肺炎」として治療が開始されました。

ステロイド治療を開始するも症状は軽快しない為、その後さらに各種検査により「アレルギー性気管支肺アスペルギルス症」と診断されました。

吸入ステロイド薬や全身経口ステロイド薬等による適切な治療を開始するも合併症である好酸球肺炎を発症し入院加療を繰り返す等、症状は一進一退でした。

現在も常に咳が出ている状態で、咳込んで会話が途切れることも頻繁にあり、体動時に呼吸困難となることもあり、温和な活動以外は非常に困難な状態です。

症状増悪に伴い、仕事を続けることも出来なくなり、勤めていた会社もやむを得ず退社。

生活の為にと何とか再就職しようと試みるも、症状の為業務内容は制限され、また常に咳が出ている状態であることから感染症を疑われ、軽作業であっても職に就くことが困難です。

家族への負担や将来への不安を抱えるようになり、障害年金の申請を検討され、当事務所にご相談いただきました。

 

申請結果

お手続きではまず、健診後すぐに受診したA病院へ初診日の証明となる受診状況等証明書の取得から始めました。

A病院へ連絡を取ると、既に10年程経過していたこともあり、カルテが破棄されていたため、受診状況等証明書を取得することが出来ませんでした。

しかし、A病院へ受診に至る契機となった健診結果の記録をご本人様がお手持ちであった為、当該健診の記録と次に受診した医療機関にて受診状況等証明書を取得することで初診日証明書類として書類を整えました。(ポイント①)

初診日が確定し、保険料の納付要件を満たしていることを確認し、診断書の作成依頼へと進めます。

診断書は「呼吸器疾患の障害用(様式第120号の5)」を使用しました。

完成した診断書を呼吸器疾患による障害の認定基準に照らして等級の該当性を検討しましたが、障害認定基準において今回の申請傷病である「アレルギー性気管支肺アスペルギルス症」(以下、ABPMと言う)の特性や有効とされている治療等の考慮された適当な基準が規定されていない為、ご本人様の障害状態を適切に審査してもらうことは困難であることが予想されました。

そのため、ABPMの特性及びご本人様の障害状態等をご理解いただいた上で総合的にご判断していただけるよう、以下のような対策を講じました。

①主張する根拠・裏付けとなるABPMに関する医学的な参考文献等の情報収集
②ABPM及びご本人様の状態を熟知している主治医の先生に傷病の特性・治療内容、日常生活や社会生活への支障の度合いについて意見書の作成を依頼

①・②の内容を基に呼吸器疾患による障害として規定されている認定基準や例示に当てはめて請求人の障害状態を判断するのは困難であり、認定基準の上位概念である施行令別表の規定に当てはめて総合的に審査していただくように主張する形で代理人申立書を取りまとめ申請しました。

結果、「障害厚生年金3級」として年金が支給されることとなりました。

 

【ポイント1】初診日の証明が出来ない場合

障害年金は初診日主義とも言われており、初診日の証明が出来ないと障害年金を受給することが出来ません。

初診日の証明は受診状況等証明書という様式を用いて行います。

この受診状況等証明書は必ずカルテに基づいて記載をしてもらう必要がありますが、初診病院が廃院している場合や既にカルテが破棄されている場合等は受診状況等証明書が取得できないこととなります。

そこで受診状況等証明書が取得できない場合に使用するのが、受診状況等証明書が添付出来ない申立書です。

この受診状況等証明書が添付出来ない申立書はご自身で最初に受けた医療機関名や場所、受診期間等を記載する書類です。

ただし、この書類を作成するだけでは、客観的証拠が不十分として、申請する初診日を認めてもらうことは出来ません。

申請する初診日が明らかに確認できる客観的な証拠書類を添付して、初めて有効とされます。

客観的な証拠書類としては以下のようなものがあります。

  • 身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳
  • 身体障害者手帳等の申請時の診断書
  • 生命保険、損害保険、労災保険の給付申請時の診断書
  • 事業所等の健康診断の記録
  • 母子健康手帳
  • 健康保険の給付記録
  • お薬手帳、領収書、診察券
  • 盲学校、ろう学校の在学証明・卒業証書
  • 第三者証明

など

受診状況等証明書が取得できない場合でも、証拠書類を積み上げ認められたケースも多くありますので諦めないことが大切です。

なお、以下の動画でもご説明していますのでご参照下さい。

 

【ポイント2】 障害の程度の認定

障害認定基準において障害の程度の認定は”第2の「障害の程度」に定めるところに加え、第3の第1章「障害等級認定基準」に定めるところにより行うものとする”と規定されています。

障害年金では障害の程度を認定する場合の基準となるものとして障害等級認定基準が定められており、請求者の障害の程度に最も近似している認定基準に照らして認定が行われます。

しかし、必ずしも障害等級認定基準に照らして認定をすることが適切でないケースも本事例のように少なからずあると考えられます。

このようなケースの場合は、通常の請求書類だけでは認定医にうまく障害の状態が伝わらない可能性がありますので、対策を講じることで障害の程度を主張していくことが大切になります。

障害認定基準を熟知していることが前提となりますので、判断や請求の組み立てに困った場合はぜひ専門家にご相談いただければ幸いです。

 

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