【事例564】双極性障害|障害厚生年金2級

双極性障害厚生年金2級事例

対象者の基本データ

病名 双極性障害(そうきょくせいしょうがい)
性別 男性
支給額 年額 約151万円
障害の状態
  • 通院など外出の際は、妻の付き添いが必要。
  • 病気が原因で就労できない。
  • 希死念慮が継続している。
  • 精神障害者保健福祉手帳 なし
申請結果 障害厚生年金2級

 

ご相談までの経緯

ご相談者様は、バセドウ病で受診をされていましたが、突然、不眠や動悸などの症状が現れました。

主治医に相談したところ、精神的要素が強いと判断され、抗うつ薬を処方されたそうです。

薬物療法を続けるも、症状は改善せず、日常生活や仕事にも支障が出始めます。

身の回りの事をするにも家族のサポートが必要で、仕事も短期間での転職を繰り返していましたが、引き込もり傾向が強まり、今では就労もできない状態です。

現状では就労の目処も立たず、経済的な不安を強くお持ちでした。

そこで、社会保障を受けることができないか調べていたところ、障害年金の事を知りました。

すぐに申請することを決断されましたが、とても今の自分では手続きを進めることはできないと思い、当事務所にご相談頂くことになりました。

 

申請結果

就労ができず、日常生活もご家族のサポートが無いと成り立たない状況から、認定の可能性は高いと判断し、手続きに着手しました。

まず、初診病院に「受診状況等申立書」を依頼しましたが、ここで、予期せぬ事が起こりました。<ポイント①>

ご相談者様は、元々、バセドウ病治療で、内科を通院していました。

そして、メンタル的な症状が出たときも、まず、内科を受診し、精神疾患を疑われ抗うつ薬を処方されます。

以上の経過より、「受診状況等証明書」には抗うつ薬処方の日を初診日として記載をお願いしました。

ところが、初診日は、あくまでもバセドウ病で最初に受診した日付けしか書けないとの事で、こちらの要望は聞き入れられませんでした。

ただ、「受診状況等証明書」の治療内容を記載する欄には、抗うつ薬を処方した日付の記入はして頂けました。

そこで、「初診日に関する申立書」を作成し、初診日は内科をバセドウ病で初めて受診した日ではなく、抗うつ薬を処方された日であると主張しました。

初診証明の後は、診断書依頼となりますが、本事例は事後重症請求のため、請求以前3ヵ月以内の障害の状態を現す診断書が必要となります。<ポイント②>

診断書依頼の際は、ご相談者様の現在の日常生活の状況等に関する資料を作成し医師に橋渡しをしました。

完成した診断書には、ご相談者様の状態が正確に反映されていました。

申請後、2ヶ月足らずのスピード審査で、初診日も主張通り認められ、無事、『障害厚生年金2級』に認定されました。

 

【ポイント1】受診状況等証明書はカルテをもとに記載する

障害年金の申請には、初診日を記載する「受診状況等証明書」という専用様式があります。

この様式は必ず「カルテ」をもとに、初診病院にて記載してもらいます。

カルテ以外の入院記録や受付簿、レセプトなどをもとに記載しても、初診日を証明できた事にはならず不支給となるケースもあります。

 

【ポイント2】「事後重症請求」と「遡及請求」

本来、障害年金は障害認定日(原則初診日から1年6ヵ月後)より請求することが出来ますが、何らかの理由で請求しないまま現在に至った場合は『今後の障害年金』に加えて『過去の障害年金』を請求することも可能です。

『これからの年金』を請求する方法を事後重症請求、『過去の年金』を請求する方法を遡及請求と言い、審査の結果は、上記請求を同時に行った場合であっても、それぞれに別個に結果がでます。

つまり「これからの年金は支給」するけれど、「過去の年金は不支給」という結果もあり得ます。

注意点としては『遡及請求』は事後重症が認められて初めて認定されるため、必ず事後重症請求を『最初または同時』に行う必要があります。

遡及請求を行う時は通常よりも診断書代等の費用がかかりますので、認定の可能性や費用等を考慮しつつ、検討してみてください。

 

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