目次
対象者の基本データ
病名 | 鬱病(うつびょう) |
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性別 | 男性 |
支給額 | 年額 約78万円 |
障害の状態 |
|
申請結果 | 障害基礎年金2級 |
ご相談までの経緯
ご病気に対してご家族の理解がなく、同居していると情緒不安定が強まるため、余儀なく「一人暮らし」をされている方からご依頼を頂きました。
ご相談者様は、大学卒業後、突然、対人緊張が強まったそうです。
その為、職場でも人間関係が構築できないことが原因で退職となりました。
その後、転職をされますが、どの職場でも人間関係がうまくいかず、短期間で職を転々とすることになります。
病院ではうつ病と診断され、薬物療法を受けますが、症状は改善せず、今では仕事も出来ない状況です。
ご家族からは、病気に対しての理解が得られず、毎日のように就職しないことに対し叱責され、同居が難しいと感じ、不安はあるものの「一人暮らし」を始めることになったそうです。
ご家族の支援も受けられず、経済的に不安をお持ちでしたが、病院で障害年金の制度を教えて頂き申請をお考えになりました。
ただ、病院の相談員の方から「一人暮らし」をしている場合は認定されにくいと聞き、藁をもつかむ気持ちで、当事務所にご相談を頂く事になりました。
申請結果
ご相談者様よりご依頼を受けて、いちばん頭を悩ましたのが「一人暮らしをされていて、しかも、ご家族や知人からのサポートも全く受けておられない」ことでした。
<一人暮らしについては、ポイント①をご参照ください。>
そこで、下記の2点にポイントを置き、申請手続きを進めることにしました。
- ①一人暮らしをしている理由。
- ②一人暮らしであるが、日常生活において、決して自立できていないこと。
①については、ご相談時にお伺いしていた「病気に対するご家族の理解が無く、同居するとストレスにより病状が悪化する」ためです。
②につきましては、ご相談者様からのヒアリングで、家事や身の回りの事が全くできておらず、日常生活は破綻している事が分かりました。
具体的には、屋内はゴミ屋敷状態になっていることや、買物に行けないため、食事は宅配弁当で1日一食になっていること、洗濯もできず何カ月も着替えをしていないことなどです。
また、入浴、洗面、髭剃りも通院の時しかできていません。
診断書依頼の際には、上記①、②について医師に詳細にご説明することで、診断書に正確に反映して頂くことができました。
また、病歴就労状況等申立書に、診断書では伝わらない日常生活の状況を記載して診断書を補足しました。
<病歴就労状況等申立書については、ポイント②をご参照ください。>
申請後も「一人暮らし」の事は気になっていましたが、2ヵ月半のスピード審査で、無事、『障害基礎年金2級』に認定されました。
【ポイント1】単身の精神疾患の審査について
うつ病や発達障害などの精神疾患で障害年金を請求しようとする場合、単身で生活している場合は注意が必要です。
というのも、精神による障害年金は日常生活をどの程度周りから助けてもらっているかが審査の基準になるためです。
もし、このような一人暮らしに該当する場合は、やむを得ない理由や身内・友人その他福祉サービスの利用状況などを訴えることで認定の可能性があります。
一人暮らしの申請事例は以下のページでご紹介していますので、ご参照下さい。
【ポイント2】病歴就労状況等申立書
医証(受診状況等証明書、診断書など)には、ある一定の時点の情報しか記載されておらず、発症から現在までの全体の流れを読み取ることはできません。
これを補うために、「病歴就労状況等申立書」に、現在までの「病歴・治療歴」、「就労の状況」、「日常生活の状況」などを、5年ごとに区切って記載します。(転院した場合は、医療機関ごとに記載します。)
また、作成後は、医証との整合性も確認しましょう。
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