目次
対象者の基本データ
病名 | クローン病 |
---|---|
性別 | 男性 |
支給額 | 年額 約59万円 遡及金額 約293万円 |
障害の状態 |
|
申請結果 | 障害厚生年金3級 |
ご相談までの経緯
19歳の夏ごろより下痢あるいは泥状の便が出るようになったそうです。
市販の整腸剤で少し落ち着くこともあり、特に受診はしていませんでした。
しかし、数カ月たっても下痢が続き、特に、食後すぐに下痢をするようになったため、受診することにしました。
A病院で受診した結果、炎症性腸疾患の疑いがあり内視鏡検査を必要としたため、すぐに紹介状をもらい受けB病院へ転医。
B病院で検査を受けたのですが、その傷病に対応できる専門医がいないとのことでC病院へ紹介となりました。
C病院で検査と大腸全摘術を受け、病理結果にて「クローン病」と診断されました。
その後、加療を続け、下痢や腹痛はあったものの調子が良い時は仕事に出ることができていました。
ところが数年経ち、慢性的な肛門痛や発熱がみられるようになってきて、体調不良で仕事を欠勤することが増えてきました。
肛門周囲膿瘍のため入退院を繰り返し、人工肛門造設術も受けました。
下痢、貧血、食欲不振などにより著しく体力が低下して、仕事も辞めることになりました。
現在も入院加療中で、1日のほとんどをベッドで過ごしており、ベッドから立ち上がる際にも立ちくらみで倒れることもあるそうです。
そんな中、人工肛門造設術を受けた場合は障害年金の対象となることを知ったご依頼者様のお母様より障害年金申請のご相談をいただきました。
申請結果
ご依頼をいただいた際、ご本人様は入院中だったため、やり取りはすべてお母様と行いました。
これまでの通院歴をヒアリングし、まずは初診の証明書を取得する手配を取りました。
初診日が19歳頃とのことでしたが、厚生年金に加入されていたので、20歳未満でも「障害厚生年金」の対象となります。
初診日が確定したのち、診断書の取得に取り掛かりました。
初診日から1年6カ月後の障害認定日頃に通院があり、障害等級に該当する状態であれば遡及請求ができる可能性があるので、当時の様子をヒアリングしました。
ご依頼者様の場合、今回の人工肛門造設は2回目でした。
過去にも人工肛門を造設されたことがありましたが、その後、一旦閉鎖していました。
障害認定日頃は、通院はしていましたが、人工肛門はしておらず、調子が良い時は就労もしていたそうです。
そのため、事後重症での請求で進めていました。
しかし、その後、年金機構より「1回目の造設時から今回の造設まで症状が継続している」と判断され、認定日請求ができる旨の連絡がありました。
結果、無事に「障害厚生年金3級」として遡及認定されました。
【ポイント1】初診日と障害年金
障害年金では初診日に「国民年金・厚生年金」のいずれに加入していたかで、請求する障害年金種類が異なります。
(※)初診:国年=障害基礎年金、厚年=障害厚生年金
障害厚生年金の方が、基礎にはない(3級、配偶者加算、給与による支給額の増加)など、有利な点があります。
【ポイント2】人工肛門は働いても受給可能
人工肛門の等級は、原則『3級』と定められています。(※)症状によってはさらに上位等級の可能性もあり。
仕事が出来ていると「障害年金の受給は無理かな?」を思いがちですが、人工肛門を造設していることで生活や就労に制限が出てきます。
そのため、人工肛門の場合は「就労の有無・生活への支障」などに関わらず、3級と認定されます。
その他の精神の事例
精神の障害の新着事例
よく読まれる精神の障害の事例