目次
対象者の基本データ
病名 | 腎機能障害 |
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性別 | 男性 |
支給額 | 年額 約123万円 |
障害の状態 |
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申請結果 | 障害厚生年金2級 |
ご相談までの経緯
ご相談者様は4年ほど前、急に視力が低下し物が見えにくくなったそうです。
不安になって眼科を受診されたところ、全身疾患の疑いを指摘されて内科に転院となります。
内科で精査の結果、糖尿病と診断されました。その後、インスリン治療により血糖コントロールはできていましたが、腎機能が悪化し、腎臓内科を受診することになります。
腎臓内科で慢性腎臓病と診断され、人工透析療法を受けることになりました。
毎週3回人工透析を受けるている状態で、仕事もいつまで続けられるかわからず、将来への強い不安をお持ちでした。
そんな時、自分と同じように人工透析を受けている方から障害年金を受給していることをお聞きになり、自分もぜひ障害年金を申請したいと思い、当事務所にご相談を頂く事になりました。
申請結果
申請について初診日の検討から始めました。
申請する傷病名は腎機能障害ですが、相当因果関係から初診の病院は眼科であると判断し、眼科に「受診状況等証明書」(初診証明)を依頼することから申請手続きを始めました。<相当因果関係につきましては、ポイント①をご参照ください>
次に、現在、人工透析治療を受けておられる病院に「診断書」を依頼しました。
完成した「診断書」では、初診日が眼科の次に受診した内科の初診日になっていました。
現在の病院に初診日の訂正をお願いしましたが聞き入れて頂けませんでした。
その為「意見書」を作成し、あくまでも初診日は申請傷病と因果関係がある症状が出て初めて眼科を受診した日である旨主張しました。
医証で初診日が異なることは気になりましたが、全て書類が揃い申請することになりました。
結果は、1ヵ月半ほどのスピード審査で、主張した初診日が認められ『障害厚生年金2級』に認定されました。
なお、人工透析療法の場合、障害認定日について特例があります。ポイント②をご参照ください。
【ポイント1】相当因果関係について
「前発の傷病がなければ、後発の傷病は起らなかったであろう」と認められる場合は相当因果関係ありとして、前後の傷病が同一の傷病として取り扱われます。
つまり、前発の傷病で最初に医師の診療を受けた日が後発傷病の初診日として取り扱われることとなります。
例えば相当因果関係があるものとしては以下のようなものがあります。
- 糖尿病→糖尿病性網膜症または糖尿病性腎症、糖尿病性神経障害、糖尿病性動脈閉塞症等
- 糸球体腎炎(ネフローゼ含む)、多発性のう胞腎、腎盂腎炎→慢性腎不全
- 肝炎→肝硬変
- 結核の化学療法による副作用として聴力障害
- ステロイド投薬→大腿骨頭壊死
- 事故または脳血管疾患→精神障害
他の傷病でも相当因果関係ありとされる傷病はある為、複数傷病を発症している場合は初診日の取扱いには注意が必要です。
相当因果関係に関する事例は以下のページでご紹介していますのでご参照下さい。
【ポイント2】障害認定日の特例
人工透析療法を受けておられる場合は、透析開始日から3ヵ月経過すれば、原則の障害認定日(初診日から1年6ヵ月を経過した日)前でも障害年金を申請することができます。
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