【事例420】うつ病|障害共済年金3級(申請のための証明書の作成を断られた事例)

うつ病|障害共済年金3級

対象者の基本データ

病名 鬱病(うつびょう)
性別 女性
支給額 年額 約109万円
障害の状態
  • 長期休職後復職出来る状態になく退職となり、現在は就労していない
  • 無気力で、着るものも自分で選択出来ない
  • 対人緊張が強く、電話やインターホンの応答も出来ない
  • 日常生活は家族の支援により成り立っている
申請結果 障害共済年金3級

 

ご相談までの経緯

3年程前、仕事のストレスから倦怠感、脱力感、不眠などが出現し、朝仕事に行こうとしても起き上がることが出来ず、かかりつけのA病院で相談したところ、すぐにB病院の精神科を紹介されました。

現在も精神科で治療・通院を続けていますが、症状の改善は乏しく、仕事は初診以降からずっと休職が続いていました。

2年間休職が続き、復帰出来る見込みがないため仕事は退職し、現在は自宅で療養を続けています。

倦怠感、意欲低下、不安感が強く、自宅内の家事などは行えず、一人では着るものも判断が付かず、着る服は家族に選んでもらう必要があるほど無気力な状態です。

障害年金のことは知っていましたが、気力もなく、また自分が該当するのかもわからないため、手続きをせずにこれまで過ごしていましたが、家族からの後押しを受け、申請をしてみたいと強く思うようになり当事務所にご相談をいただきました。

 

申請結果

今回のご相談者様の場合、初診日時点で共済年金に加入されていたため、手続きはまず加入先の共済組合へ連絡を取り、必要となる書類の取り寄せから始めました。

共済組合での手続きは年金機構へ申請する場合と概ね必要書類は同じですが、共済によっては独自の請求書や必要書類があったり、細かい手続き方法が違うこともあるため、必ず確認してから手続きを始めるようにしましょう。

必要書類と申請方法を確認し、初診病院にて初診日の証明となる受診状況等証明書の作成依頼から始めました。

A病院に連絡すると当時のカルテは残っていますが、B病院へ紹介を行ったのみで、診断も出来ておらず治療行為をしていないため、障害年金の申請のための証明書の作成は出来ないと断られました。

治療行為はなかったものの、療養に関する指示にあたるため、A病院が初診病院であることは確かでした。

しかしA病院ではどうしても証明書を取得できなかったため、B病院にてA病院からの紹介状を取得する等で初診日の証明を整えました。

初診日の証明が整い、現在の病院へ診断書の依頼を行う際、主治医の先生に普段の診察で伝えきれていない日常生活の状況などを参考資料としてまとめ、橋渡しさせていただき現状の反映された診断書を作成していただくことが出来ました。

提出は共済組合へ直接申請し、結果「障害共済年金3級」として認定されました。

 

【ポイント1】障害共済年金の手続きについて

初診日の段階で共済年金に加入していた場合、障害共済年金での請求となります。

障害共済年金による請求の場合、一般的な基礎年金や厚生年金の請求と比べて、必要な書類や提出のタイミングが異なる事があります。

まずは加入していた共済組合へ連絡して手続きの方法を確認してから着手することとなります。

 

【ポイント2】診断書(精神の障害用)

精神疾患での障害年金を申請する際は、病状だけでなく、日常生活及び就労の状況もポイントとなります。

診察時に日常生活及び就労状況をうまく伝えられていない場合は、実際の状況と不釣合いな診断書となってしまう可能性があります。

診断書作成前に医師から詳しく状況を聞かれることもありますが、ヒアリングがない場合などは自ら伝えることが大事です。

伝え方は様々ですが、限られた診察時間では全てを伝えることが困難、医師を目の前にするとうまく伝えられないなどの場合はメモなどに記載してお渡しするのがよいでしょう。

 

その他の精神の事例

 

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    障害年金の審査の一元化 以前に障害年金の障害認定に地域差があることが問題となり、2017年4月より日本全国から申請される障害年金の審査業務は全て東京の障害年金センターに一元化されました。
    現在では日本全国どこの年金事務所へ提出しても、東京の障害年金センターで審査をされます。
    そのため遠方の方が当事務所にご依頼いただいても、遠方だから審査に違いが出るというようなことはございませんので、ご安心下さい。
     

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