【事例409】統合失調症|障害厚生年金2級(申し立てた初診日が認められた事例)

統合失調症|障害厚生年金2級

対象者の基本データ

病名 統合失調症(とうごうしっちょうしょう)
性別 男性
支給額 年額 約107万円
障害の状態
  • 病気が原因で退職、現在は就労できる状態にない。
  • 感情の起伏が乏しく、無気力な状態が続いている。
  • 通院など少しの外出でさえ酷く疲れてしまい、数日寝込んでしまう。
  • 日常生活では身の回りのことも多くに援助が必要
申請結果 障害厚生年金2級

 

ご相談までの経緯

5年程前より悪夢等をみるようになり、不眠が続くようになったそうです。

胃炎で通院していたかかりつけのA内科で相談し、「不眠症」と診断を受け睡眠薬の処方を受けるようになりました。

半年程治療しても改善しなかったため精神病ではないかと思い、B心療内科へ転医しました。

B心療内科で処方された薬を服用すると夜中に酷い動悸が起こり、処方内容を変更してもらっても同様の状況が続いていることから薬に対する恐怖心が拭えず、数回受診し、自己判断で通院を中断していました。

それでも不眠症状は続いていた為、再びA内科で睡眠薬の処方を受け、ごまかしながら過ごしていましたが、身体が限界を向かえていた為、Cメンタルクリニックを受診することになりました。

これまでの経過や症状から「統合失調症」と診断を受け、治療が始まりました。

2週間に1回程度通院を継続していますが、症状は改善せず、とても仕事ができる状態ではありません。

収入もなく、貯金を切り崩して生活をしており、ご両親も病気であったため自分のことで迷惑をかけられないと、毎日生きることだけで精一杯でした。

そんな中、障害年金の制度を知り、自分も支援を受けられるのであればと当事務所にご相談をいただきました。

 

申請結果

お問い合わせ時に現在の状況をヒアリングし、受給の可能性が高いと判断し、すぐにお手続きのサポートをさせていただくこととなりました。

手続きではまずA内科にて初診日の証明となる受診状況等証明書を取得しました。

出来上がった証明書を確認すると、かかりつけ医であったこともあり、不眠症で受診する前から慢性胃炎での通院歴の記載もあったため、証明書の中には「不眠症」、「慢性胃炎」のいずれもの通院・治療の内容が混在して記されていました。

今回は精神の障害で申請を行うため、精神の症状での初診日を明確にする必要があります。

申請傷病である『統合失調症』と『慢性胃炎』は相当因果関係がないものとして、初診日に関する申立書を作成し、「不眠症」でA内科を初めて受診した日を初診日として手続きを進めることとしました。

初診日の確認が出来たため、納付要件の確認、請求方法も決まり、現在通院中であるC病院へ通院歴の経過や現在の症状・日常生活の状況についての橋渡しを行い、診断書の作成依頼を行いました。

事前に資料を纏めてお渡ししていたこともあり、スムーズにご対応していただけ、作成していただいた診断書には現在の状態が的確に反映されていました。

申請の結果、申し立てた初診日が認められ、障害厚生年金2級として認定されました。

 

【ポイント1】相当因果関係について

「前発の傷病がなければ、後発の傷病は起らなかったであろう」と認められる場合は相当因果関係ありとして、前後の傷病が同一の傷病として取り扱われます。

つまり、前発の傷病で最初に医師の診

療を受けた日が後発傷病の初診日として取り扱われることとなります。

例えば相当因果関係があるものとしては以下のようなものがあります。

糖尿病→糖尿病性網膜症または糖尿病性腎症、糖尿病性神経障害、糖尿病性動脈閉塞症等

  • 糸球体腎炎(ネフローゼ含む)、多発性のう胞腎、腎盂腎炎→慢性腎不全
  • 肝炎→肝硬変
  • 結核の化学療法による副作用として聴力障害
  • ステロイド投薬→大腿骨頭壊死
  • 事故または脳血管疾患→精神障害

他の傷病でも相当因果関係ありとされる傷病はある為、複数傷病を発症している場合は初診日の取扱いには注意が必要です。

相当因果関係に関する事例は以下のページでご紹介していますのでご参照下さい。
https://nenkin.info/tag/soutouingakankei/

 

その他の精神の事例

 

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