目次
対象者の基本データ
病名 | S状結腸癌・転移性肝癌 |
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性別 | 男性 |
支給額 | 年額 約61万円 遡及金額 約169万円 |
障害の状態 |
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申請結果 | 障害厚生年金3級 |
ご相談までの経緯
5年程前、健診で便潜血陽性が出たため、精査の為、医療機関を受診することとなりました。
精査の上、「S状結腸癌、多発肝転移」の診断を受け、治療が始まりました。
外科的手術、化学療法を繰り返し行い、肝転移はやや縮小傾向にありました。
しかし初診から1年程経過した頃に多発肝転移再発を認め、不安になり、セカンドオピニオンを希望し、専門医へ転医し、抗がん剤治療を継続していました。
縮小と再発を繰り返し、治療の副作用から倦怠感も強く、常に手足に痺れがあり、日常生活は家族に頼らなければままならず、仕事も一度は復帰したものの倦怠感が強く、とても以前と同様に仕事をこなすことは出来ないと長期休職をされていました。
治療のため、入院と自宅療養を繰り返しており、仕事に復帰できる目処もついておらず収入もない中、治療を継続していくことに経済的な不安があり、障害年金の制度が利用できたらと思い、当事務所へご相談を頂きました。
申請結果
ご相談を頂いた時点で癌はステージⅣと言われていました。
1年程前にお子様が生まれたばかりでご家族の将来のためにも、治療継続のためにも少しでも支援を受けたいとのことでした。
とにかく早く、より多くの障害年金を届けるべく、すぐに申請の手続きを始めました。
少しでも多く障害年金をお届けする為、遡って受給出来ないか考えました。
障害年金は『初診日から1年6ヶ月』頃の状態が等級に該当すると、過去の年金を一括で受給することができます。
ご相談者さまの場合、初診日から1年6ヶ月頃に抗がん剤治療後の腫瘍切除手術目的で入院加療を受けており、がんに対する抗がん剤治療の副作用や手術後に生じる全身倦怠や衰弱により就労はもとより日常生活にも支障をきたしている状況でした。
遡って受給できる可能性もあると考え、初診日から1年6ヶ月頃と現在の診断書2通を手配することにしました。
それぞれの時期の症状・状態・生活状況について詳細にヒアリングを行い、ヒアリングした内容をまとめて主治医に橋渡しし、診断書作成時の参考にしてもらいました。
また診断書には癌そのものに限らず、癌の治療に対する副作用なども反映してもらいました。
請求の結果、約3年間分の遡及と今後の分の障害厚生年金3級を受けることが出来ました。
【ポイント1】がんによる障害とは?
がんは、全身のほとんどの臓器に発生するため、現れる病状は様々で、それによる障害も様々です。
そのため次のように症状を区分して評価されます。
①癌よって生じる局所の障害
②癌による全身の衰弱又は機能の障害
③抗がん剤などの副作用として生じる全身衰弱又は機能の障害
特に注目すべきは③の「治療の過程における副作用」も障害年金の対象となるという点です。
【ポイント2】認定日請求(遡及請求)
何らかの理由で障害年金の請求が遅れてしまったり、手続きを忘れていた場合には認定日請求(遡及請求)という方法があります。
認定日請求(遡及請求)とは、障害認定日(原則的には初診日から1年6ヶ月後)の状態が定められた症状に該当すると、貰い忘れていた障害年金を一括で受け取れる可能性があります。
なお、遡って受給ができるのは時効の関係上、最大で5年までと決められています。
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