【事例348】中枢神経限局型神経サルコイドーシス|障害厚生年金1級

中枢神経限局型神経サルコイドーシス|障害厚生年金1級

対象者の基本データ

病名 中枢神経限局型神経サルコイドーシス
性別 女性
支給額 年額 約173万円
障害の状態
  • 常時車椅子を使用し、車椅子への移乗にも介助が必要
  • 両下肢の筋力消失
  • 高次脳機能障害、失語症併発
  • 身体障害者手帳2級
申請結果 障害厚生年金1級

 

ご相談までの経緯

元々腰痛持ちだったそうですが、10年程前に職場環境が変わり、仕事内容も変更となった頃より、腰痛、下肢痛が酷くなり、医療機関へ通院するようになったそうです。

初診病院では『腰部神経根症』と診断を受け、投薬治療を受けていましたが、症状軽快が一時的であった為、他の病院も併行して受診するようになりました。

他院では『脊柱管狭窄症』や『梨状筋症候群』、『脊髄梗塞』などと転医する度に診断が違い、いずれでも効果的な治療を受けることが出来ず、症状は悪化する一方で車椅子を使用しなければ移動も困難な状態となっていました。

そんな中、1年程前に脳神経麻痺、痙攣で倒れ、意識を消失し、救急搬送されました。

搬送先の病院で『神経サルコイドーシス』と診断を受け、これまでの腰~下肢痛症状などもサルコイドーシスが原因であった可能性があると説明を受け、治療が開始されました。

意識は回復しましたが、両下肢の筋力低下は著しく、高次脳機能障害、失語症も併発し、日常生活の全てに介助が必要な状態にあり、入院生活を続けていました。

ご本人様を支援する息子さまより障害年金が受給できる可能性がないか当事務所にお問い合わせを頂きました。

 

申請結果

今回のご相談者様の場合、肢体障害だけでなく、高次脳機能障害、失語症など複数の傷病を併発していました。

どのように組み立てて申請していくべきか検討するため、まずはそれぞれの傷病の状態についてヒアリングを行いました。

ヒアリングから肢体の障害での申請が最も上位等級に該当する可能性があったため、肢体の障害のみで申請を進めていくこととしました。

まずは原則通り、症状が出て初めて受診した病院で初診日の証明となる受診状況等証明書を取得しました。

初診日が確定したため、現在入院加療を受けている病院へ診断書の作成を依頼しました。

診断書には、受診状況等証明書の内容を間違いないように反映させる必要があるため、診断書依頼時に初診病院で取得した証明書も合わせてお渡ししましたが、初診時点で診断されている『腰部神経根症』と現在の傷病『中枢神経限局型神経サルコイドーシス』には医学的因果関係がないため、請求傷病を確認した時点からの状況しか記載ができず、診断書の発病年月日や初診日は受診状況等証明書に合わせる形での作成は出来ないとご連絡がありました。

『神経サルコイドーシス』と診断された日を初診日とすると請求する年金の種類も変わり、また障害認定日が到来しておらず、すぐに請求する事ができない状況となってしまいます。

そのため改めて障害年金の制度を振り返り、「医学的な因果関係」と「障害年金の制度における相当因果関係」はイコールではないと考え、診断書に記載いただく内容は作成可能な限りの記載をお願いし、別途、原則通り症状が出て初めて医療機関を受診した日を初診日として申し立てる旨の申立て書類を作成し、医証だけでは伝わらない治療の経過、背景を病歴就労状況等申立書に詳細に記載し、申請を行いました。

結果、申し立てた原則通りの初診日が認められ、障害厚生年金1級に認定されました。

 

【ポイント1】複数傷病がある場合は併合認定も検討

2つ以上の障害がある場合、それぞれの傷病について申請することで、障害の状態を併せて認定されると受給の可能性が高くなったり、更に上位等級での認定となることがあります。

全ての傷病で併合認定が出来るわけではないため、複数障害がある場合は、闇雲に申請するのではなく、どのように組み立てて申請していくか検討する必要があります。

複数傷病でどのように手続きを進めていくのが良いか判断が難しい場合はぜひ専門家へご相談ください。

 

その他の肢体の障害の事例

 

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