対象者の基本データ
| 病名 | 双極性障害（そうきょくせいしょうがい） |
|---|---|
| 性別 | 男性 |
| 支給額 | 年額 約５９万円 |
| 障害の状態 |
|
| 申請結果 | 障害厚生年金３級 |
ご相談までの経緯
大学卒業後、企業に就職するも上手く馴染めず精神的に追い詰められ、25歳の時に自殺未遂を図ったことを機に精神科への通院を開始したそうです。
当初は『うつ病』と診断され、投薬治療を開始したところすぐに症状が軽快。
主治医からは「躁状態になった可能性がある」として通院を継続するように言われるも、通院を自己中断してしまいました。
それからは躁状態と軽いうつ状態を繰り返していましたが、27歳の時に急激なうつ状態となったそうです。
著しい意欲低下や強い倦怠感があり、すぐに精神科を受診。
そこで『双極性感情障害』と診断されました。
症状の度合から入院加療が必要とされ一時保護入院となり、退院後は、仕事も辞めて実家へと戻って療養に専念していました。
ところがうつ状態が落ち着いてくると、就労できない事への焦りから医師の制止を無視して就職活動を開始しようとした為、心配したご家族が「受給することで少しでも精神の安定に繋がれば」と障害年金の申請を勧め、当事務所へご相談の連絡がありました。
申請結果
ご相談頂いた時点は躁傾向でしたが、お手続き中にうつ状態への変化し、思考制止によりスムーズに会話することが難しい状況となりました。
そこでご相談者さまのペースで行えるよう、お電話から書面へとヒアリング方法を変更しました。
申立書にはこのような躁状態・うつ状態の症状に大きな差があることもしっかりと反映し、躁状態により自己判断で通院中断していた期間については、ご家族のヒアリングを元に当時の症状・支障を申し立てました（ポイント①）
また精神の障害についは、労働能力も審査における重要なポイントとされ、就労移行支援であっても「労働能力の改善」と評価される可能性がある点にも注意が必要となります。（ポイント②）
今回は医師から「労働は困難」という評価をされている中、ご自身の強い希望で就労移行支援への通所を行っている経緯があったため、このような背景や実際の通所状況、施設内での様子等の詳細を明らかにした別紙を作成し添付することで実態が把握できるようにしました。
結果『障害厚生年金3級』と認定され、無事に障害年金をお届けすることが出来ました。
【ポイント１】通院期間のブランク
長期に渡って、疾患を患っている場合、通院期間にブランクがある方もいらっしゃると思います。
『通院出来ていなかった期間はなぜ通院出来ていなかったのか？』
病状が回復していた、症状はあったが自己判断で中断してしまった、何度も受診しようと試みたけど外出困難で家から出ることが出来なかったなど、この通院出来ていなかった期間の長さや理由によっては、初診日が変更となる可能性があります。
通院経過も審査では見られますので、判断に困った場合はぜひ一度ご相談ください。
【ポイント２】就労と障害年金
就労（就労移行支援等も含む）している場合は仕事上で問題があっても、労働能力ありと評価されて不支給となってしまうことがあります。
そこで就労に制限がある際は「就労時の状況などを詳しく伝える」ことが大切となります。
周囲からの支援や免除されている業務がある場合は、診断書や病歴就労状況等申立書にしっかりと反映しましょう。
その他の精神の事例
