【事例329】うつ病|障害厚生年金2級(傷病手当金を受給していた事例)

うつ病の障害厚生年金2級

対象者の基本データ

病名 鬱病(うつびょう)
性別 男性
支給額 年額 約132万円
障害の状態
  • ご相談時は傷病手当金を受給中
  • 意欲低下等が著しく、生活は同居人の介助により何とか成り立っている
  • 症状悪化のため退職し、現在も就労できる状況にない
  • 精神障害者保健福祉手帳3級
申請結果 障害厚生年金2級

 

ご相談までの経緯

当時30歳だったご相談者様は、職場で責任ある業務を任されることが増え、そのストレスから原因不明の湿疹が現れたそうです。

気分の落ち込みや頭痛、吐き気、不眠といった症状も出始めたため、医療機関を受診したところ『うつ病』と診断されました。

抗うつ薬等による治療を開始しましたが症状は継続し、まもなく判断力の低下から仕事に支障が出始めたとの事でした。

主治医から一旦療養に専念するようにとの助言を受け、傷病手当金を受給しながら休職することとなったそうです。

しかし休職開始後、緊張の糸が切れたかのように著しい意欲低下と倦怠感に襲われました。

生活は同居人の介助によって何とか成り立っていましたが、仕事となると到底復職は困難であると考えられ、一度も復職しないまま退職となりました。

発症から1年経っても症状は一向に改善せず、傷病手当金の支給期間が残りわずかとなってしまい、収入が途切れることに強い不安を覚えたご相談者さまより当事務所に障害年金のご相談がありました。

 

申請結果

ご相談時は傷病手当金を受給中との事でした。

傷病手当金と障害年金を同時に受けることが出来る場合、両方を満額受給出来る訳では無く、調整がなされます。(ポイント①)

よってご相談者と話し合い、傷病手当金の受給期間満了後に障害年金が開始されるよう
計画的に申請することとなりました。

お手続き自体は、申請準備と審査のことを考えてすぐさま開始しました。(ポイント②)

ただし申請書類には『有効期限』が定められているものがあり、期限が切れないように、取得のタイミングを計って準備を進めていきました。(ポイント③)

診断書にも有効期限があるため、迅速かつ適切なタイミングで取得が出来るよう、事前に主治医へ作成の依頼のみを行い、作成のタイミングは連携を取りながらとなりました。

また病歴就労状況等申立書等のこちらで作成する必要がある書類についても、各書類取得と同時進行で進めたことで、当初の計画どおりに提出を終えることが出来ました。

審査は疑義が生じることなくスムーズに進み、提出から約3ヶ月後『障害厚生年金2級』との決定通知が届きました。

その後も予定どおりにお振込みがなされ、収入が途絶えることなく障害年金をお届けすることが出来ました。

 

【ポイント1】傷病手当金と障害年金の関係

傷病手当金とは社会保険のうち健康保険に設けられた制度です。

病気やケガで、お仕事が出来ない場合に最大で1年6ヶ月間の生活を保障する事を目的としています。

障害厚生(共済)年金を受給している人が、同じ傷病で傷病手当金を受けることが出来るケースでは、障害厚生(共済)年金が優先して支給され、傷病手当金は支給停止されます。

ただし、受給する障害厚生年金の額を360で割った額が、傷病手当金の1日当たりの額より少ないときは、その差額が傷病手当金として支給されます。

傷病手当金に関しましては以下の動画でもご説明していますのでご参照下さい。

 

【ポイント2】障害年金の手続き開始から振込までの期間

障害年金の申請には一定の準備期間が必要となります。

また提出後、すぐに受給開始が始まる訳でもありません。

手続き開始からお振込までの『流れ』および『要する期間』は、下記の動画をご覧いただけます。

おおよその目安を事前に把握して計画的な申請を行いましょう!
備考

 

【ポイント3】診断書の期限

障害年金の診断書には「現症日」を記載する欄がございます。

現症日とは、診断書に記載されている障害の状態がいつの時点のものかを示すものです。

事後重症請求の場合は、「診断書の現症日から3ヵ月以内」に申請を行わなければ申請時点の障害の状態が確認できないとして、受け付けてもらうことが出来ません。

診断書が期限切れとなった場合、内容の再評価・訂正または障害によっては一から診断書を再発行する必要があります。

他の書類を作成している間に診断書が期限切れ、、ということにならないためにも障害年金では書類を準備する手順も重要であると言えます。

診断書の有効期限に関しましては以下の動画でも説明していますので、ご参照下さい。

 

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