【事例327】双極性障害|障害基礎年金2級(過去不支給になって再申請した事例)

双極性障害基礎年金2級事例

対象者の基本データ

病名 双極性障害(そうきょくせいしょうがい)
性別 女性
支給額 年額 約100万円
障害の状態
  • 鬱の時期は家族の助けが必要
  • 躁の時期には多額の借金をしたことがある
  • 精神障害者保健福祉手帳:3級
申請結果 障害基礎年金2級

 

ご相談までの経緯

35歳頃、離婚をキッカケに情緒不安定となりました。

A病院を受診したところ自律神経失調症と診断を受けましたが、病名を受け入れることが出来ず中断されました。

しかし、その後も体調は悪化していったため、B市民病院へ通院を開始しました。

その後17年の間で、C内科、Dメンタルクリニック、Eメンタルクリニック、F脳神経内科と転院をされました。

鬱が酷い時は1日中、ベッドで横になって過ごし、家の中でさえ自由に動き回るのが困難な状態だったといいます。

逆に躁の時期にはカードローンやキャッシングで300万円以上を短期間で使ってしまいましたが、ご自身ではまるで記憶が無かったというエピソードも教えて頂きました。

52歳の時に、自力で障害年金にチャレンジをしましたが、初診病院の記録が取れず不支給となったとのことでした。

その翌年に、どうしても諦められないと当事務所へ相談にこられました。

 

申請結果

まず、今回のポイントは以下の2点と考えて手続きを始めました。

①通院歴の整理
②初診日の認定

前回の申請では初診日の証明が出来なかったことが理由で不支給になったとお伺いしていたため、まずは通院歴の整理から行いました。

  • 体調が悪くなったのはいつ頃だったか?
  • 当時はどのような症状だったか?
  • なぜ病院へ通院を初めたか?

など、オリジナルのヒアリングシートにそって、些細なエピソードも思いつくだけアウトプットして頂きました。

今回のように治療歴が10年を超えたり、転院を繰り返してきた場合は、当時の何気ない思い出をキッカケにしていくと進めやすくなります。

そして、書き出しを進める上で、これまで初診と思っていた病院の前に病院があったことを思い出しました。

すぐにカルテの確認で連絡をしたところ、実はその病院がB市民病院で少し前にA病院を受診していることが分かりました。

A病院では初診日から既に15年程が経過していることから、カルテが残っているかが不安でしたが、別倉庫も探して頂いた結果、何とか保管されており、初診日の証明を取得することが出来ました。

続いての注意点が現在の診断書の取得でした。

診断書の中には通院歴の記載箇所があります。

ご本人様でさえ、今回の手続きでようやく思い出した治療歴を今の病院の先生に伝えきれていないのは明らかでした。

そこで、手続きの中で知り得た通院歴やその他に問診の中で伝えきれていないエピソードなどを纏めさせて頂き、補足資料をあわせて診断書の依頼をさせて頂きました。

その結果、ご本人様の症状を適切に表した診断書が完成し、無事に障害基礎年金2級として認定されました。

 

【ポイント1】初診日が大切な理由

障害年金では、初診日が最も重要とされています。

なぜ重要なのかというと、初診日は以下のように様々な『基準』となる為です。

①制度加入要件

初診日にどの制度に加入していたかで、受けられる年金が決まります。

②保険料納付要件

障害年金を申請するには、初診日の前日から数えて一定期間の保険料を納めている必要があります。

③障害認定日の起算点

原則として『初診日から1年6ヵ月経過した日』に障害の程度を認定します。

これを障害認定日と言い、この日以降で無ければ障害年金の請求が出来ません。

初診日が大切な理由に関しては、以下の動画でもご説明していますのでご参照下さい。

 

【ポイント2】初診日のカルテが無いと言われた時

カルテの保管は最後の通院日から5年と定められています。

つまり、5年を経過すれば破棄しても良いという事になります。

もし、カルテが既に無いと言われた場合であっても、院内とは別に倉庫などで保管をされていないかを確認してみることも大切です。

一端は無いと言われたものの、上記の流れでカルテが見つかったというケースが何件もあります。

 

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