【事例311】統合失調感情障害|障害基礎年金2級(既にカルテが破棄されていた事例)

統合失調感情障害|障害基礎年金2級

対象者の基本データ

病名 統合失調感情障害
性別 女性
支給額 年額 約79万円
障害の状態
  • 幻聴、被害妄想などにより対人恐怖が強い
  • 生活には家族の見守りや声掛けが必要で、通院以外の外出は困難
  • 適切な職場が見つからず、症状のため仕事はできていない
  • 精神障害者保健福祉手帳3級
申請結果 障害基礎年金2級

 

ご相談までの経緯

ご相談者様が大学生の頃、学校でいじめに遭い辛い思いをしていたとの事です。

その後、機械音のような幻聴が聞こえ始めたことを機に、心療内科を受診。

当初は『うつ病』と診断されたそうですが、薬で症状が改善しなかったことから『統合失調感情障害』へと病名が変更されたそうです。

以降、服薬しながら通学を続けてきましたが、被害妄想や解離症状などが出始め、勉強に身が入らなくなり退学となりました。

その後は、自宅に引きこもり外出は通院時のみの生活となったそうです。

28歳となった現在も引きこもる生活が続いていますが、病気にあまり理解のない家族から働くようにと責められようになったそうです。

何とか就労しようと検討するも、症状のため適切な職場が見つからず、途方に暮れていたところ『障害年金』を知り、受給できるか相談したいとご連絡がありました。

 

申請結果

障害の程度をお聞きする限り、等級に該当する可能性が高いと考えられました。

ご自身でお手続きするかご相談したところ、現状自身で行うのは難しいとの事で、お手続きはお任せいただくこととなりました。

申請では、初診日の証明書を取得すべく、まず『初診日の特定』から開始。

当初の『うつ病」から『統合失調感情障害』への変更されていましたが、このようなケースでは、両傷病の関連の強さによって初診日が変わります。

今回は、両傷病の間には強い関連性があったため、同一傷病であったものとして扱われます。(ポイント①)

早速、初診日証明書を取得すべく、うつ病にて初めて受診した病院へ問い合わると、「すでにカルテは破棄した」との事でした。(ポイント③)

障害の程度が等級を満たす場合であっても、初診日不明の場合は申請が『却下』されて障害年金が受給できません。

よって、何とか特定できそうな資料が無いか病院と相談した結果、病院内のパソコンに初診日が記載された記録が残っていることが判明。

開示手続きを踏んで記録を取得し、他の間接的な資料とともに初診日の証拠として添付し提出となりました。

初診日が認定されるか不安があったものの審査にて無事に認定され『障害基礎年金2級』に決まりました。

 

【ポイント1】相当因果関係について

「前発の傷病がなければ、後発の傷病は起らなかったであろう」と認められる場合は相当因果関係ありとして、前後の傷病が同一の傷病として取り扱われます。

つまり、前発の傷病で最初に医師の診療を受けた日が後発傷病の初診日として取り扱われることとなります。

例えば相当因果関係があるものとしては以下のようなものがあります。

  • 糖尿病→糖尿病性網膜症または糖尿病性腎症、糖尿病性神経障害、糖尿病性動脈閉塞症等
  • 糸球体腎炎(ネフローゼ含む)、多発性のう胞腎、腎盂腎炎→慢性腎不全
  • 肝炎→肝硬変
  • 結核の化学療法による副作用として聴力障害
  • ステロイド投薬→大腿骨頭壊死
  • 事故または脳血管疾患→精神障害

他の傷病でも相当因果関係ありとされる傷病はある為、複数傷病を発症している場合は初診日の取扱いには注意が必要です。

 

【ポイント2】初診日の証明

障害年金は初診日主義とも言われています。

つまり、障がいがどんなに重たくても初診日の証明が出来なければ障害年金を受給することが出来ないということです。

カルテの法定保存期間が5年と定められている為、初診日の証明が出来ず悔しい思いをする方が多くおられるのも事実です。

そんな時でも証拠を積み上げて、間接的に初診日を証明出来たケースが多くありますので諦めない事が大切です!
備考

 

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