目次
対象者の基本データ
病名 | 双極性障害・注意欠陥多動性障害(ADHD) |
---|---|
性別 | 女性 |
支給額 | 年額 約128万円 |
障害の状態 |
|
申請結果 | 障害基礎年金2級 |
ご相談までの経緯
学生時代より『周囲の空気が読めない』ことで、対人関係が上手く築けず悩んでいたそうです。
22歳で就職するもやはり人間関係に悩み、またミスを頻回に起こすことから上司に叱責されることも多く、精神的に追い詰められていき、自殺未遂を図ったことから精神科の受診。
当初は『うつ病』と診断され治療を開始しますが、不安や恐怖感、抑うつ状態が改善せず、そのまま退職となりました。
退職後、一時は抑うつ状態が続いたものの、数ヵ月後には一転して活動的となり通院も自己中断。
しかし数ヵ月後にはうつ状態に陥って、再び自殺未遂を図り入院。
以降はうつ状態と過活動を繰り返して来られたとの事です。
現病院にて傷病名を『双極性障害』と変更され、その後に発達障害の検査を実施したところ『注意欠陥多動性障害』と診断されました。
現在は、婚姻し子供にも恵まれましたが、うつ状態に陥ると身のまわりのことさえ出来なくなるとの事です。
子供たちを保育園に預けたいけれど保育料の関係で躊躇していたところ、家族から『障害年金を申請してみるのはどうか?』と言われて、受給の可能性があるか相談のご連絡がありました。
申請結果
『複数の精神疾患を併発』しているケースは、それぞれを別個に審査されるわけでは無く、総合的にみて審査されます。(ポイント①)
とはいえ、申請ではそれぞれの傷病による症状を申し立てる必要があるため、詳しい状況をお伺いするところから開始しました。
現在は躁状態にあり、ご自身は『非常に元気である』と感じているご様子で診察でもそのように伝えているとの事でしたが、ご家族にヒアリングしたところ、不眠のまま行動したり突発的な行動で周囲と衝突するといった対人関係トラブルもあるという事でした。(ポイント②)
このままでは、適切な状態が診断書に反映されない可能性が高かったので、『ご家族から聞き取った症状』をメモにまとめて、診断書作成の依頼時に参考資料と添付しました。
また申立書では、先天性である発達障害が『出生時からの様子』を記入する必要があるため、じっくりとヒアリングしたうえ、それぞれの傷病による症状を分けて記載を行いました。(ポイント③)
双方の症状や生活での支障をしっかり反映した申請内容にて提出した結果、約1ヶ月という早さで『障害基礎年金2級』とする決定通知が届き、無事に障害年金を受給するに至りました。
【ポイント1】複数の精神疾患が発症している場合
複数の精神疾患がある場合は、それぞれの病気で評価(併合認定)はされず、複数の病気全体での症状や障害状態をひとつの障害として、まとめて認定されることになります。
これを総合的認定といいます。
【ポイント2】躁状態に注意
双極性障害は「鬱状態と躁状態を繰り返すこと」を特徴としており、躁状態では元気と捉えられてしまう可能性もあります。
医師は診察時の状況しか診ることができないため、家庭内で「躁状態と思われる行動」がある場合、診察時に医師に伝えることが大切です。
【ポイント3】発達障害の病歴就労状況申立書
発達障害は、先天的な脳機能の障害とされています。
幼少期から症状が現れるのことも多いですが、近年は大人になってから発覚するケースも増えています。
いずれの場合であっても、病歴就労状況申立書には『生まれてから現在まで』の病歴・通院歴・症状・日常生活の様子などを記入する必要があります。
その他の精神の事例
精神の障害の新着事例
よく読まれる精神の障害の事例