目次
対象者の基本データ
病名 | 鬱病(うつびょう) |
---|---|
性別 | 男性 |
支給額 | 年額 約100万円 |
障害の状態 |
|
申請結果 | 障害厚生年金3級から2級へ変更 |
ご相談までの経緯
35歳の頃、職場で重要な業務を任される事が増え、そのストレスから不眠や食欲不振となったそうです。
それでも何とか仕事を続けていましたが、37歳の時げっそりしたご相談者様を心配した家族より病院を勧められ受診したとの事です。
『うつ病』と診断され、状態が重かったことから即入院となりました。
退院後も安静にする必要があったことから退職し、医師の勧めで障害年金を申請。
以降は、障害厚生年金3級を受給しながら、療養に専念してこられたそうですが、経済的に余裕とは言えず、少しでも就労できればと医師に相談したところ「今はまだ働ける状態にない」との事でした。
そのような経緯から「少しでも受給額が上がれば助かる」と当事務所にお電話がありました。
申請結果
障害年金を受給中に当初の請求時より症状が悪化した場合は、主に下記の2つのいずれかにより、さらに上位等級へと変更できる可能性があります。
- 更新:更新の際に提出した診断書の結果を元に、等級が変更される可能性があります。
- 額改定請求:申請を行うことで、更新を待たなくても上位等級が変更される可能性があります。
ご相談者様は更新までまだ期限があったことから、更新を待つよりも『額改定請求』を行う方が良いと考え、ご提案したところ申請を行う事となりました。(ポイント①)
ただ額改定請求には原則として『前回の申請から1年以上』の期間を開けなければ認められず、また『障害程度に変更があったこと』を証明する必要があります。(ポイント②)
期間については、請求からすでに1年以上経過していたこともあり問題ありませんでしたが、『障害程度の変更』は前回の申請時とは生活環境がガラッと変化していた事から対策が必要となりました。
以前は育児・家事・身のまわりのことについては奥様が援助していましたが、現在はシングルファザーとしてお子さまを養育している状況のため『生活能力が向上している』と評価される可能性がありました。
そのため、診断書を作成いただく主治医に『現在はご実家の家族が全面的に援助していること』を伝え、実態を反映して貰いました。
また診断書だけでは詳細が伝わらないため、育児の状況やご相談者様の症状・療養状況等を明らかした申立書を作成し、診断書と合わせて提出しました。
上記の内容にて申請を行った結果、障害厚生年金3級から『障害厚生年金2級』へと等級が変更。
今までは加算されていた無かった『子の加算』が付加され、受給額は約3.5万円増加されました。(ポイント③)
【ポイント1】障害の程度が変わったときは額改定請求を
障害の程度が請求時と異なる場合は、更新の際に等級が変更される可能性があります。
しかし更新には人それぞれに1~5年の期限が設けられているため、期限の到来を待つ必要があります。
一方、更新を待たずに障害の程度に変更があった旨を申立てることにより、等級を変更する手続きが『額改定請求』です。
額改定請求は更新と異なり、自ら日本年金機構へ申請を行う必要があります。
【ポイント2】額改定請求ができる時期(原則)
障害年金受給中の方が、障害の程度に変更があったとして、等級変更を求める手段として『額改定請求』というものがあります。
額改定請求を行うには、原則として下記の期限を待つ必要があります。
①年金を受ける権利が発生した日から1年を経過した日
②障害の程度の診査を受けた日から1年を経過した日
なお、例外として1年を待たずに申請できるケースがあります。
【ポイント3】『初診日に加入していた年金制度』と『受給できる等級』
障害年金には主に3種類あり、いずれを申請するかは『初診日に加入していた年金制度』により決まります。
①初診日に国民年金に加入していた場合は『障害基礎年金』
- 対象:20歳未満のため未加入、アルバイト、自営業、主婦等の第3号被保険者、免除申請中等
- 等級:1,2級のいずれかに該当(※)3級はありません。
- 加算:2級以上で子の加算
②初診日に厚生年金に加入していた場合は『障害厚生年金』
- 対象:会社員、社会保険に加入しているアルバイト等
- 等級:1,2、3級のいずれかに該当
- 加算:2級以上で子・配偶者加算
③初診日に共済年金に加入していた場合は『障害共済年金』
- 対象:公務員等
- 等級:1,2、3級のいずれかに該当
- 加算:2級以上で子・配偶者加算
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